燃えるフィジカルアセスメント

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臨床推論のトレーニングケース

2017-07-22 | 闘魂症例検討会
 
症例提示

 
実際に筆者が研修医とともに経験した症例に基づいて、臨床推論の具体例を提示します。
 
 
 

症例:65歳男性   主訴:意識障害
 
糖尿病で近医通院中。
 
今回、朝起床が遅いので家族が見に行くと意識低下あり。
 
冷汗と手指振戦もあり。
 
救急車にて来院。
 
バイタルサイン:血圧170/90 mmHg、 心拍数120/分、 呼吸数 15 /分、体温 36.2℃、中等度の意識障害あり。
 
右上下肢の筋力低下あり。
 
 
 
 
研修医と指導医の推論

 
(研修医):血圧上昇と右上下肢不全麻痺があり脳血管障害を疑います。
 
    頭部CTの撮像を行いたいと思います.
 
 
 
(指導医):意識障害を呈する症例の鑑別診断には、「意識障害に対する症候学的アプローチ」が必要です。
 
 
  1.まずバイタルサインを評価しショックバイタル(収縮期血圧SBP<心拍数HR)を除外
  
  2.病歴と身体診察の評価
  
  3.低血糖の除外のため簡易血糖チェックを行う
 



その後の経過と最終診断

 
簡易血糖チェックで35 mg/dLと「低血糖」あり、50%ブドウ糖液の静注にて意識レベルがすみやかに改善、右上下肢不全麻痺も軽快した。
 
 
 
 
さらなる病歴聴取より、前日の夕食は摂らずに眠前のインスリンを通常量注射していたことが判明した。
 

 

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