「そう簡単にはいかないんだよ。」
王女さまがそうつぶやいた途端、
おんなのこのお尻は、大きなカボチャになってしまいました。
大きなカボチャお尻と、ムキ出しの巨大化した心臓を抱えて、
おんなのこは、スカートの中から命からがら逃げ出しました。
そこへ、真っ赤な夜を連れて、ロッキングホースに乗ったCaCaちゃんが
現れました。
CaCaちゃんは、元人魚でした。
「だいじょうぶ。きっとうまくいくわよ。
わたしだって、脚をもらったんだもの。」
そう言ってCaCaちゃんは、
人魚時代の名残の足についたヒレを見せてくれました。
「この馬に乗って行きなさい。」
CaCaちゃんは、ロッキングホースをおんなのこに譲り渡しました。
このロッキングホースは、近所のメリーゴーランドから、一頭捕獲し、
三日月に乗せて、揺れる細工を施した立派なものでした。
「ありがとう。これでなんとか逃げ切るわ。」
「その代わり、あなたのリボンが欲しいの。」
「リボン?・・・いいわよ。」
おんなのこは、自分の髪に留まらせていたリボンたちを
CaCaちゃんの元に飛び立たせました。
「うれしい。」
CaCaちゃんは、その時、初めて微笑み、
目がリボン型になりました。
その時、リボンたちが黒く染まってしまったことが、
おんなのこは、少し気がかりでした。
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