スケッチブック30

生活者の目線で日本の政治社会の有様を綴る

スケッチブック30(学者の傲慢)

2019-03-03 21:36:15 | 日記
3月3日(日)
 私はカルチャーセンターで日本史の教室に通っているのだが、先生が官僚や政治家の発言を取り上げてよく馬鹿にする。今は統計不正の役人の答弁について、「あいつら自分の頭はあるのか」、と嘆く。「50年先の日本は酷いものだねえ」とも言うのだ。
 先生は役人は自分で考えていない、硬直している、みんな同じことしか言わないと批判するのだが、これぞまさしく学者の傲慢というものだと、私は考える。つまりこの先生は一人で研究した事しかないのだ。大学で身分が保証されたうえで、広い日本史の中で恣意的に特定の分野を選び、学閥を離れて思う儘に研究をした人生経験しかなければ、組織の中で実務をする人間の努力と思考方法など、分かる筈がないと思った。
 先生は仮に先進的意見を言って、遅れた他の学者から受け入れられなくても、他の学者を馬鹿にすれば済む。しかし厚労省の役人は同僚上司に受け入れて貰えなくては、仕事にかかれない。だから、みんな同じ考えになって当たり前なのだ。私は学者馬鹿も組織に忠実な役人も、同じように重要であると考える。社会全体というものはそのように幅広く、様々な要素から成り立っているものだと思う。先生にもお前は学者という一つの部品に過ぎないのだぞと言ってやりたいが、まあ彼は分からないだろう。