スケッチブック30

生活者の目線で日本の政治社会の有様を綴る

スケッチブック30(左翼は何故死なぬのか)

2019-03-05 15:52:33 | 日記
3月5日(火)
 新聞によると日教組の元委員長槙枝元文は北朝鮮について、「この国には泥棒がいない。泥棒とは、富の片寄ったところに発生する。この国には、泥棒の必要がない」、と言ったとのことである。こういう左翼は分かり易い。槙枝の関心はいかに日教組委員長という政治権力を維持するかにあって、その為となれば、迎合と阿りやリップサービスをするくらいどうという事はないのだから。左翼に真実を求めるのは、八百屋で魚を求めるようなものだ。
 また槙枝の思考傾向というものも良く分かる。彼は北朝鮮に富の偏在はないという大前提をまず立てる。そこから泥棒の必要がないという、物知りぶった演繹を導く。これが左翼知識人の常套手段である。彼らは大前提が本当かどうかという検討は決して加えない。よくそれで己の知識欲が満足させられるものだと不思議だが、これが左翼知識人の思考方法である。戦前の日本は悪だったとの大前提を疑わず、そこから演繹するから、幾ら証拠を挙げられても南京大虐殺説から逃れられず、幾ら同時代人の証言を聞いても過酷な植民地統治をしたとしか結論が出ないのだ。これを職業左翼と呼ぶ。言うなら職業左翼とは学者馬鹿と、阿り組織人という、両者の悪い所取りをした存在である。そして彼らの学者馬鹿振りは、無検討で立てた大前提からすべてを演繹するという、本当の意味の学者馬鹿とは違う、これまた阿り学者馬鹿とも言うべきものである。
 左翼は職業なのだから彼らが、容易にそこから抜け出せないのは分かるだろう。転向して左翼仲間から仲間外れされたら、どうやって明日の空腹を満たすというのか。心を、不都合な真実を捨てても傷まないだけのものに鍛え上げれば、労働組合様やマスゴミが餌をくれる。だから槙枝はこれから何百年たっても人間社会であり得ない話をして、恬として恥じない。こんなのが教師の親分だったのだから戦後生まれの出来が悪い筈だ。
 大前提を立ててそこから演繹するやり方は、論理が非常に滑らかなものとなる。ゴツゴツしたものにならないのだ。だから人生経験の浅い若者には理解しやすく、受け入れられ易い。しかし実社会は矛盾だらけで論理通りに事は進まないから、人は次第に帰納的な考え方をするようになる。だから大人は左翼の言う事に、何かリズムが違うなという、違和感を覚える。
 ここまでは良く分かった話である。職業左翼が仕事から左翼言辞を続けることは当然である。しかし帰納的考えのできるいい大人が、どうしてそれを信ずるのか、信じないまでも同調するのか、そこがなかなか納得できないのだ。
 民主党政権の嘘は限りなくあるがよく覚えているのは、高速道路無料化と事業仕分けによる埋蔵金発掘の約束である。普通ならあんな大嘘をつかれたらそんな奴の顔は二度と見たくない筈だ。それでも両民主への投票率は過半数に迫る勢いだ。政治技術的には労働組合とマスゴミの存在が理由であろう。労働組合はユニオンショップ制とチェックオフのお陰で生きながらえている。労働者は決して労働組合を支持していないのだが、これによって支持せざるを得なくなって、結果両民主党の議員様が誕生する。そういう土台から朝日を代表とする上部構造が出来上がる。
 これは良く分かった話だが、これらを除いても、人々の側に左翼を受け入れる、心情があるように感じる。人々が左翼を求めているから、職業左翼が生存し得ている面もあるように感じる。それは人々が帰納的思考を嫌がることが原因であると思う。現実は数限りなく存在し、生きていれば人々は次から次へと新しい現実に遭遇するから、帰納作業は一生をかけてのものとなる。それはやはりしんどいのだ。どこかで悟りを開いて止めたい。だから会社の仕事は帰納的に考えるが、政治とかその他の事は演繹的に考えて楽になりたい、そういう志向が人々に働くのである。だから北朝鮮に泥棒はいないは最早大前提となり得ないが、地球温暖化とかアイヌを先住民族と認めるべきだとかの、外国由来の新思考は、新しい大前提となるのだ。左翼はこのような大前提を繰り出してくる。このような大前提の適否は俄には決しがたい。だから人々は受け入れ、だから左翼は死なない。