「古都逍遥 京都・奈良編」「花の詩」「日常のこと」や花や風景写真

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「大乗寺」(だいじょうじ)

2008年11月05日 16時56分11秒 | 古都逍遥「京都篇」
 大乗寺は、京都山科、地下鉄東西線御陵(みささぎ)駅から徒歩15分の所にある小さなお寺で、駐車場がないので少々不便だが、それだけに俗化せず、永年寺とその周辺のたたずまいが保たれてきたともいえよう。
 しかし、京都新聞で「酔芙蓉の寺」として紹介されると、大勢の人々が訪ねてくるようになり、またインターネット等にも載せられるようになると全国区となって、酔芙蓉の咲く時節は、それをお目当てに観光客や写真愛好家たちがドッと押しかけるようになった。この時期をはずすと静かな里山のお寺に戻る。

 もともと荒れ寺だった境内を、じみちに整備し酔芙蓉の挿し木を始めたのがきっかけで、今では約1、300本に増えたそうで、本堂を囲むように植えられており、9月中旬から10月中旬までが見頃だ。

 当山は今から約300年前に京都の七本松の内野という所に戒禅比丘隆韶大和尚によって建立され、後に禅宗系の寺から法華の寺に改宗されたと伝えられている。その後は代々尼寺として受け継がれ無本山の寺だっが、約二百年前に法華宗の大本山本能寺の末寺になった。
 細々とつないできた尼寺だったようで、昭和初期、松崎恵浄という尼僧が本堂・庫裡を改築し復興したが、本山の意向に基づき、山科の現在地に移転したのたが、永年住職不在の寺であったことから草茫々たる荒れ寺と化していたところ、平成4年暮れ、現・岡沢住職夫妻が転住以来、草むらに覆われた荒れ寺を、自力で参道造りからはじめ、黙々と整備した。傍ら吟詠会の友の勧めにより酔芙蓉の苗木100本ほどの寄贈を受け、それを毎年百数十鉢に挿し木して、今日までに増やすことが出来たという。

 今、市民に「文学の寺」としても親しんでもらおうと、境内に文学碑第1号、日蓮の歌碑を建てた。今後も、百人一首の歌碑を建てる構想を進めているという。
 歌碑は高さ約一メートルで、晩年の日蓮が、身延山(山梨県)の草庵で詠んだとされる「立ちわたる 身のうき雲も 晴れぬべし たえぬ御法(みのり)の 鷲(わし)の山風」が刻まれている。

 所在地:京都市山科区北花山大峰町38-1。
 交通:地下鉄東西線「御陵駅」下車3番出口より徒歩15分。京阪バス三条京阪発山科行、「日ノ岡」下車徒歩10分、または、三条京阪発大宅行、「石塚町」下車徒歩8分。駐車場がなく電車・バスで。
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