鷲崎先生のつぶやき
https://twitter.com/Hiro_Washi/status/336202237984526338
に
チームワークに対するGrounded Theoryによる分析。最近、Grounded Theoryの適用をよく見かけるなあと思ったら、そういえばXP2013での論文でした(対象は全くことなりますが)http://xp2013.org/program/academic/perspectives-on-productivity-and-delays-in-large-scale-agile-projects/…
というのがあった。
鷲崎先生といえば、パターンだけど、
パターンの理論的な発見法として、グラウンデッド・セオリーは有効だと思う。
パターンは、帰納的ではあるのだけど、パターンを「見出す」という点では、仮説導出に近い。
仮説導出の手法は、主に教育、介護、看護などの世界で、グラウンデッドセオリーが使われる。
グラウンデッドセオリーは、Wikipediaによれは(赤字の部分引用)
1.分析したいものをよく読み十分に理解し、観察結果やインタビュー結果などを文字にして文章(テキスト、データ)を作る。
2.データへの個人的な思い入れなどは排除し、できるだけ客観的に、文章を細かく分断する。
3.分断した後の文章の、各部分のみを読み、内容を適切に表現する簡潔なラベル(あるいは数字、コード)をつける。このラベルは、抽象度が低い、なるべく具体的な概念名とする。
4.次に、似たラベル同士はまとめ、上位概念となるカテゴリーを作り名前をつける。これらの作業を「オープン・コーディング」という。
5.ある1つのカテゴリーと複数のサブカテゴリーを関連付け、現象を表現する。サブカテゴリーとは現象について、いつ、どこで、どんなふうに、なぜ等を説明するものである。これらの作業を「アクチュアル・コーディング」という。
6.アクチュアル・コーディングでつくった現象を集め、カテゴリー同士を関係づける。これが、社会現象を説明する理論となる。
*注:上記説明はWikipediaによる、一般的なグラウンデッドセオリーの方法で、このほかに、木下先生による、M-GTAがある。こっちのほうが、判りやすい本がでているので、やりやすい。
システム開発の個々・具体的な内容・記録の文章を細分化し、まとめたり、まぜまぜして、最終的に仮説を作る。この仮説が、いろいろな開発で利用できるのであれば、パターンとなっていくと思う。
ここまでの流れが、ちゃんと理論化されているのが、グラウンデッド・セオリーってことになる。
ただ、日本では、そもそも、開発現場を社会学的に観察して、法則化したりしていない。
(エスノメソトロジーは、要求工学で使われるのであって、開発現場をエスノメソトロジーを使って観察した論文は、あまり見当たらない)
そのため、グラウンデッドセオリーを利用することも「日本のソフトウェア工学では」すくない(IEEE Xploreで Grounded Theory と引くとわかるけど、海外では、よく使われる)。
なので、開発現場から理論的に仮説を出してくることもあまりないわけだ。
その結果、パターンは、ヒューリスティックに作られ、データに基づいたものには、なりにくい。
こうなると、パターンは根拠を明示しにくいので、パターンの論文は、パターンを中心に扱う学会のみで議論され、一般の論文誌には通しにくいと思う。
グラウンデッドセオリーからパターンが導かれ、それが、論文誌で通るようになると、かなり現場と近いものが、アカデミックでも扱えるようになる。
昨日「大学のソフトウェア工学の授業が、なぜ役立たないか、わかった!」で書いたように、大学では概念を扱っているが、現場から仮説導出することはない。この現場のケースからの仮説導出ができるようになると、(パターンだけでなく)日本のソフトウェア工学も代わってくると思う。
https://twitter.com/Hiro_Washi/status/336202237984526338
に
チームワークに対するGrounded Theoryによる分析。最近、Grounded Theoryの適用をよく見かけるなあと思ったら、そういえばXP2013での論文でした(対象は全くことなりますが)http://xp2013.org/program/academic/perspectives-on-productivity-and-delays-in-large-scale-agile-projects/…
というのがあった。
鷲崎先生といえば、パターンだけど、
パターンの理論的な発見法として、グラウンデッド・セオリーは有効だと思う。
パターンは、帰納的ではあるのだけど、パターンを「見出す」という点では、仮説導出に近い。
仮説導出の手法は、主に教育、介護、看護などの世界で、グラウンデッドセオリーが使われる。
グラウンデッドセオリーは、Wikipediaによれは(赤字の部分引用)
1.分析したいものをよく読み十分に理解し、観察結果やインタビュー結果などを文字にして文章(テキスト、データ)を作る。
2.データへの個人的な思い入れなどは排除し、できるだけ客観的に、文章を細かく分断する。
3.分断した後の文章の、各部分のみを読み、内容を適切に表現する簡潔なラベル(あるいは数字、コード)をつける。このラベルは、抽象度が低い、なるべく具体的な概念名とする。
4.次に、似たラベル同士はまとめ、上位概念となるカテゴリーを作り名前をつける。これらの作業を「オープン・コーディング」という。
5.ある1つのカテゴリーと複数のサブカテゴリーを関連付け、現象を表現する。サブカテゴリーとは現象について、いつ、どこで、どんなふうに、なぜ等を説明するものである。これらの作業を「アクチュアル・コーディング」という。
6.アクチュアル・コーディングでつくった現象を集め、カテゴリー同士を関係づける。これが、社会現象を説明する理論となる。
*注:上記説明はWikipediaによる、一般的なグラウンデッドセオリーの方法で、このほかに、木下先生による、M-GTAがある。こっちのほうが、判りやすい本がでているので、やりやすい。
システム開発の個々・具体的な内容・記録の文章を細分化し、まとめたり、まぜまぜして、最終的に仮説を作る。この仮説が、いろいろな開発で利用できるのであれば、パターンとなっていくと思う。
ここまでの流れが、ちゃんと理論化されているのが、グラウンデッド・セオリーってことになる。
ただ、日本では、そもそも、開発現場を社会学的に観察して、法則化したりしていない。
(エスノメソトロジーは、要求工学で使われるのであって、開発現場をエスノメソトロジーを使って観察した論文は、あまり見当たらない)
そのため、グラウンデッドセオリーを利用することも「日本のソフトウェア工学では」すくない(IEEE Xploreで Grounded Theory と引くとわかるけど、海外では、よく使われる)。
なので、開発現場から理論的に仮説を出してくることもあまりないわけだ。
その結果、パターンは、ヒューリスティックに作られ、データに基づいたものには、なりにくい。
こうなると、パターンは根拠を明示しにくいので、パターンの論文は、パターンを中心に扱う学会のみで議論され、一般の論文誌には通しにくいと思う。
グラウンデッドセオリーからパターンが導かれ、それが、論文誌で通るようになると、かなり現場と近いものが、アカデミックでも扱えるようになる。
昨日「大学のソフトウェア工学の授業が、なぜ役立たないか、わかった!」で書いたように、大学では概念を扱っているが、現場から仮説導出することはない。この現場のケースからの仮説導出ができるようになると、(パターンだけでなく)日本のソフトウェア工学も代わってくると思う。