シリーズものの、経理システム開発のための財務諸表以外の業務処理、その1の資金繰り表は終わったので今日は、在庫の話
あ、そのまえに、トラックバックを削除しているので、みなさんには見えないと思うんですけど、資金繰り表の話を書いたら、「借金を一挙に返せる」みたいな話がトラックバックされたんですけど。。
前回のお話は、「資金繰り」のお話ではなく、あくまでも、「資金繰り表」の内容と作り方のお話でした。はい。
在庫って言うと、財務的な話より、在庫管理業務として独立した形になっていると思います。
まず、在庫って言うと、
・店頭在庫(お店に出ている在庫)
・商品在庫(売り物の商品・製品が、倉庫に入っている状態の在庫)
・資材在庫(製品を作るための部材の在庫)
とあり、商業の場合は、店頭在庫と商品在庫の問題、
工場(こうじょう、こうば、どちらでもOKです)では、製品在庫(=商品在庫)と資材在庫が中心の話になると思います(ここで、商品とは、他社から仕入れたものを、そのまま売る場合で、卸・小売業に関係するもの、製品というのは自社で加工して売り物にしたものをさしています。一般に、そうじゃないかな?)。
でも、経理の場合、処理はおなじなんで、これらをひっくるめて在庫としてしまいます。
で,在庫にかかわるアクティビティは、こんなかんじ
日常業務
・検品-入庫
・ピッキング-出庫
・試供品持ち出し(サンプル出荷)
→試供品として、商品そのものを、倉庫から営業が持っていくケースがある
・試供品戻し(入庫)
→営業が持っていったサンプルをそのまま返しちゃうっていうケースもある
・(売上)返品=>入庫
・戻し(仕入れたものを仕入先に)
→検品失格になったものの場合、入庫前に戻されるので関係ないが
委託販売で、期間が切れて戻す場合がある
・破棄
→本当に破棄したか、税務署に証明するため、写真が必要なこともある。
・倉庫間移動
定期的
・棚卸
・棚卸減耗、評価損の計算
・原価を求める
で、日常業務で、入出庫の数量がおさえられていると、あとは、仕入れ金額は仕訳からわかるので、仕入原価は、
・先入先出法
・後入先出法
・移動平均法
・総平均法
・売価還元法
のうち、税務の場合は、どれをやるか決まりがあり、それ以外の方法でやるのであれば、届け出が必要になる。ので、税理士に聞けば、どの方法でやっているかは、答えてくれる。
個数については、棚卸で、実地の数量をチェックし、棚卸減耗、評価損をもとめることになる。
ただし、上記のように、商品を試供品として持っていっていかれて、それを渡しちゃったとしたら、その数量って言うのも把握しないと、試供品は仕訳が違うんでは。。。つー、はなしはある。
また、移動平均の場合、随時求めることになるので、経理側で、仕入れ個数と原価を常に把握している必要がある。。。が、普通伝票に書いてあるけどね(^^)
ただし、そこまで細かく考えないと、在庫システムがちゃんとしていてくれれば、仕入れ金額は仕訳していてわかるので、経理上は、あとは棚卸さえできれば、OKっていうことになる。
在庫システムの話になると、もっと奥は深い。
数量だけ分かっててもダメで、場所がわかっている必要がある。
そして、管理方法により
・単品在庫管理(すべてのものにNOをふり、それで管理)
・ロット別在庫管理(箱にいれたりして、ロットNOをふり、それで管理)
・(等質のものとして)まとめて管理
の場合がある。
単品の場合は、そのものが、どこにあるか、
ロットの場合は、そのロットが、どこにあるか、
まとめて管理する場合、どこに、何個あるか
というふうに場所とむすびついてくる。
なお、ロット管理の場合、ロット内のいくつかを出荷するというように、ロットの中まで管理できないといけないケースがある。
また、場所(上記の「どこに」)については、
倉庫レベル
棚があって、棚の番号レベル
コンテナ、パレットにいれ、コンテナ番号レベル
と、いろいろなレベルがある。
ただし、これは、一般論で、液体の場合(ジュース、お酒)は、ちと違うようだ。
っていうことで、在庫の場合、着目点が
経理システムだと、仕入れ単価と、数量
在庫システムだと、数量と場所
というように、ちと違っている。連携する場合は、全ての情報が必要で、この情報
(仕入れ単価、数量、格納場所)
の3つのデータが、連動して入手できるかどうかがかぎになる。
(ただし、経理だけなら、場所は要らない。ないと、棚卸のとき大変だけど)。