半導体のことは、↓で取り上げた。
TSMC熊本工場は、わざと時代遅れのチップを作ってる。そのほうが「日本は」儲かるから! - ウィリアムのいたずらの、まちあるき、たべあるき
馬淵さんの記事のところで書いたけど、経済評論家や大学教授っていうのは、株屋さんの予想みたいな思惑を書いてごまかしているように感じる。最近のごまかしの多くは「半導...
goo blog
でも、↑の記事の最後の深田萌絵さんのショート動画で、まるで日本がカーボン半導体を研究してないかみたいなふうに受け止められる発言をしていたり(いや、さすがに知ってるとは思うけどね)、
自分は↑の記事で、2nm半導体の日本での投資に1行しか触れていない・・・けど、ニュースには↓のように
ラピダスがチップレット集積の戦略明かす、「ガラス基板使いインターポーザーを安く」
最先端半導体の受託生産を目指すラピダスは2024年4月2日、経済産業省による追加の財政支援決定を受けて記者会見を開いた。今回初めて支援の対象となった後工程では、チッ...
日経クロステック(xTECH)
大きく出ているし、TSMCについても、首相が訪問したみたいだけど
首相 TSMC熊本工場を視察
岸田文雄首相は6日、半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が熊本県菊陽町に建てた工場を視察した。視察後には熊本市に移動し、自民党派閥の政治資金パー...
gooニュース
jasmって何?TSMCに行ったのではなくて?思う人もいると思うので、
ちょっと日本の半導体関連投資についてまとめてみる。
「半導体」って呼ばれる製品は何種類もあって、
主にその用途とプロセスルールを基準に分けると、現在数種類に分かれることは、↑の記事に書いた。
それを基準にまとめてみる。↓のかんじかな・・・
ざっくり&大雑把な調べなので、間違ってたらゴメン。
日本企業としては、
・組み込み用プロセッサはルネサスが頑張っている
・先端半導体(2nm)ではラピダスが頑張っている
・TSMCは、日本に子会社が何社かある
TSMCジャパン(横浜)
JASM(熊本)
TSMCジャパンデザインセンター (横浜)
TSMCジャパン3DIC研究開発センター (つくば)
熊本にできた工場は、JASMの工場(なので、マスコミ等便宜上TSMC熊本工場って言っているけど、厳密にはJASM熊本工場)
そしてTSMCは製造しかやらない。逆にARMは設計しかやらない。
実際、ARMはTSMCに発注している。
ルネサスは設計も製造もしている。したがって、設計・製造工程を社外秘にしたい場合(日本企業の自動車など)はルネサスは便利。ただし、ルネサスも(自社で製造できるものの)TSMCに外注出してる。
メモリに関して言うと、半導体だけど儲からない。昔エルピーダっていう日本企業があったけど、倒産した(今マイクロンメモリジャパン)。
一方、東芝メモリは業績が良かったが、親会社東芝の大人の事情でキオクシアにさせられた(メモリが売れなかったわけではない)。
上記の図のように、半導体においては、日本は先端のラピダス、現在売れているルネサス、それにメモリの東芝系と分散投資をしている。
これは、半導体ビジネスには巨額の投資が必要であり、失敗したら目も当てられない・・・会社飛ぶから。実際、日本企業も
ルネサス=三菱+日立+NEC
エルピーダ=NEC+日立
JASM=TSMC+ソニー+デンソー+トヨタ
ラピダス=トヨタ+デンソー+ソニー+NTT+NEC+ソフトバンク+キオクシア+三菱UFJ
と複数の企業からお金集めて作っている
シリコン以外の半導体については、ざっくりこんな感じかしら・・・↓
深田萌絵さんは、前の記事でリンクした動画で、他の企業はカーボンに投資しているって言ってたけど、はっきり言ってカーボンは日本が昔からやっていて、特にダイヤモンド半導体は、日本がかなり進んでいるけど↓
ダイヤモンド半導体の開発で日本大勝利!従来の50,000倍の性能差を実現し、半導体シェアを日本が総取り
うまくいっていない。
かなり古い記事だけど↓の記事を基に
炭素はどこまでシリコンに取って代われるか、3種類の材料が商用化に向かう
シリコンはエレクトロニクスを支える半導体として大規模に利用されている。その一方で、炭素だけからなる材料が注目を集めている。現在のメモリやプロセッサがそのまま炭素...
EE Times Japan
カーボンを、
グラフェン
カーボンナノチューブ
フラーレン
ダイヤモンド
に分けてみていくと、
まずグラフェンは、NAIST+富士通などが、↓
NAISTら,半導体に最適なグラフェンリボンを実現 | OPTRONICS ONLINE オプトロニクスオンライン
奈良先端科学技術大学院大学(NAIST),富士通研究所,富士通,東京大学,科学技術振興機構(JST)らは,半導体としての極めて優秀な電気特性を持つ,幅の広い「グラフェン...
OPTRONICS ONLINE オプトロニクスオンライン
グラフェンリボンという半導体に適した素材を作り出したというところで実用化は・・・
はい、次、カーボンナノチューブ
東レが
「単層カーボンナノチューブ」と半導体ポリマーの複合体を用いて、フィルム上に半導体回路を塗布形成する技術を確立した。
(上記太字は下からの引用)
うーん、半導体を塗布
・・・って、実用化にはまだ遠そう。
次、フラーレン
有機半導体開発へ弾み…フラーレンの電子受容性、京大が起源解明 ニュースイッチ by 日刊工業新聞社
京都大学の早川雅大助教と深沢愛子教授らは、炭素材料フラーレンが多数の電子を受け取れる電子受容性の起源が五員環構造にあることを突き止めた。球状のフラーレンの円周上...
ニュースイッチ by 日刊工業新聞社
はずみってまだまだ遠そう・・・大学の研究レベルだし・・・
ってことで、のこり、ダイヤモンド半導体。
たしかに、これは佐賀大学などで研究が進んでいて、↓
究極のパワー半導体「ダイヤモンド半導体」|実用化への道筋と課題について | ストックマーク株式会社
炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)などを代表とする次世代パワー半導体が注目されるなか、近年はさらに新素材の開発が行われており、人工ダイヤモンドを使った「ダイ...
ストックマーク株式会社
にあるように、大きく期待はされるんだけど、
まえに、サイエンスZEROで、やっていたように↓
大きさが問題。この問題が解決すると、後で述べるパワー半導体よりも
大きく発展する可能性はある。ので大学、研究所の研究分野として
優れているが、企業が研究開発するには、リスクが大きすぎる。
大企業が投資していないのもわかる(ベンチャーレベルですよね)
シリコン以外の半導体としては、むしろカーボン以外の半導体が注目されていて、日本でも投資・実用化され、企業でも、パワー半導体として商品化されている。
いま、実用化されているのは、大きくSiCとGaN
SiC(シリコンカーバイト)はMOSFETのパワー半導体として、いろいろ製品化されているみたいです↓
そして、GaN(窒化ガリウム)といえば、ノーベル賞を取った天野先生!
天野浩氏が語ったGaNパワーデバイスの展望 「エネルギー効率99%以上を目指す」
Si(シリコン)に代わる新しい材料として、SiC(炭化ケイ素)やGaN(窒化ガリウム)などのWBG(ワイドバンドギャップ)半導体が注目を集めている。名古屋大学教授でノーベル...
EE Times Japan
↑のまとめでは、ローム等とまとめちゃったけど、多くの企業がGaNのパワー半導体を出している。↓
日経さんに至っては、見えてきちゃっているそうです・・・何が?
次世代パワー半導体、本命材料「窒化ガリウム」が見えてきた
高耐圧な縦型FET構造の高効率パワーデバイスを作成するための半導体結晶として、その実用化と利用拡大に期待が集まる窒化ガリウム(GaN)基板上に成長した高品質なGaN結晶...
日経クロステック(xTECH)
何が見えて来たかはさておき、
SiC、GaNについて、サンケン電気によるまとめがわかりやすかった。
ただ日本としては、ラピダス2nmの次は・・・
NTTが掲げる「光半導体」戦略の全貌、ラピダスの次に狙う“巨大企業との連携”構想
NTTが「光半導体」の実現を目指して光電融合技術の開発を加速する。政府が452億円の支援を決定する中で、最終的に目指す“ゲームチェンジ”の戦略が見えてきた。鍵を握る存在...
ダイヤモンド・オンライン
光電融合、光半導体なわけです!
NTT、「光の半導体」で限界突破 電気から技術転換 - 日本経済新聞
現実世界と仮想空間が混然一体となった高度なデジタル社会。膨大な情報量を処理するため世界中でデータセンター需要は右肩上がりとなり、電力消費量は爆発的に増える見通し...
日本経済新聞
と、いろいろとみて来たけど、先はまだしも、当面やっぱり、
シリコンでしょ↓
次世代半導体材料はやはりシリコン | サイエンス リポート | TELESCOPE magazine
炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)などの化合物半導体材料を、「次世代半導体」と表現することは適切ではない。これらの化合物半導体は、シリコン(Si)では難しい発...
TELESCOPE Magazine
って思っている人も多いのが現状。