イーハトーヴ里山の樹木ウオッチング

岩手県の北上山地に住まいする私が四季を通してイーハトーヴの里山の樹木と自然と生活をウオッチング。

ユキノシタ科アジサイ属のノリウツギ

2009-07-24 18:02:52 | Weblog


 梅雨空に似合うのがアジサイですね、今道路を走っていると白いガクアジサイのような花が沢山咲いているのを見かけます。

 ユキノシタ科アジサイ属の「ノリウツギ」です、低木林や林縁、山地の日当たりのよいところなどで見られると図鑑には書いてあります。
 ウツギというのにアジサイの仲間です、アジサイの仲間でウツギという名前ではそのほかに「ガクウツギ」、「コガクウツギ」などがありますが、東北地方では自生していないようです。

これは装飾花で本当の花ではありません。

これが本当の花です。

 さて、東北地方でアジサイというと、このノリウツギのほかでは「エゾアジサイ」が自生しています。

 ノリウツギとは違っておとなしい感じがします、枝分かれしないので一つの木には一つの花(全体を一つの花と見れば)が咲きます。

 このいわゆる「アジサイ」ですが、よく見ると装飾花ばかりで出来ています。素朴な疑問ですが本当の花が無いのではどうして増えているものか?挿し木でしょうか?私の家でも容易に増やせるので挿し木で増やしたことがあります。
 ま、その事はいいとして、このアジサイの話はよく知られています、オランダのシーボルトが日本のアジサイをヨーロッパに紹介してその後品種改良が加えられ逆に日本に輸入されたものだそうです。ですからこの装飾花ばかりの「セイヨウアジサイ」はデモドリアジサイという事になります。
 日本に自生しているアジサイという事でいえば、ノリウツギとエゾアジサイのほかにはどんな品種があるのかということで調べてみました。
 まず、「ヤマアジサイ」これはエゾアジサイによく似ているものの関東地方以西、それから「アマチャ」は関東、中部、そして問題ですが「ガクアジサイ」、これも自生地が限定されています、房総・三浦・伊豆半島、和歌山、四国と図鑑にはあります、いわゆる装飾花ばかりの「アジサイ」はこのガクアジサイから作られた園芸品種だそうです。その他に「タマアジサイ」などがありますが、どれも西のほうに自生しているものばかりです。
 ということで岩手県で見られるアジサイは「エゾアジサイ」と「ノリウツギ」に絞られてしまうようです。そのほかは園芸種か植えられたものなんのですね。
 それから言い忘れましたが蔓もので「ツルアジサイ」と属が異なりますが「イワガラミ」というのがありました。どれもガクアジサイのように周りに装飾花をつけたアジサイ。
 説明がうまくないかもしれませんが庭などにはさまざまな「アジサイ」が植えられていますが、岩手県に自生しているアジサイは「エゾアジサイ」と「ノリウツギ」それから「ツルアジサイ」だけという事になりそうです。

 最後にエゾアジサイの装飾花は本当の花が受粉してしまうと、くるりと裏返しになってしまうそうです、虫など集める必要がなくなってしまうからだそうですがあっさりとしたものですね。


カタクリの会のつづき

2009-07-18 18:30:47 | 奥羽自然観察会(カタクリの会)


 このあいだのカタクリの会自然観察会の続きです、滝めぐりでしたから滝も紹介しておかなければいけません。

 「白糸の滝」です、このネーミングはどこにでもある感じですが、この白糸はほんとに白糸のような滝でした。
 なぜこの地方に滝が多いのか?やはり断層が多いのでしょうか?このあいだの岩手県南部と宮城県北部の大地震は記憶に新しいですが、山が崩れた地震でしたね、直下の断層が動いた地震でした。
 奥羽山脈には造山活動で沢山の断層があって有名な物ではこの滝の近くに川舟断層というのがあります。詳しくは知りませんがそう遠くない時代にマグニチュード8クラスの大地震を起こしたことがあるとか。

 これは何でしょうか?1メートル以上ありました、「オニノヤガラ」=「鬼の矢柄」でした、葉緑素の無い腐生植物、ナラタケの菌糸と共生しているそうです。変わった奴です、私は2度目のご対面でした。

「キリンソウ」滝の岩場にへばりつくように沢山咲いていました。

「オニシモツケ」も沢山花をつけていました

この「キンコウカ」も沢山咲いていました。

 今回私は私なりに目的というかテーマというかを持って参加しました、なんて大げさですが、「ウリノキ」と「アクシバ」の花を探して写真を撮る!ウリノキはこのあいだ紹介したので「アクシバ」はぜひ探さなくちゃと葉っぱの裏を徹底的に覗き込みました。とうとう見つけたのですが、あまりに小さいので撮ったには撮ったのですが、、、、、。

 このようにピントが合ってません。残念、またの機会に!でもほんとに可愛らしいボンボリのような花でした。

ついでに「ハナヒリノキ」でした。

最後にみんなで滝の中に入ったところ、みんな子供になったみたいでした。


カタクリの会(奥羽自然観察会)

2009-07-15 18:17:31 | 奥羽自然観察会(カタクリの会)


 223回目の奥州自然観察会に参加してきました、この観察会は私のブログのカテゴリーにもありますが写真家の瀬川強氏が主宰する「カタクリの会」がやっているものです。
 今回のテーマは「ブナの森の滝めぐり」ということで奥羽山地の女神山の麓にある滝をめぐりながら動植物の観察と気温と水温を調べることでした。
 女神山は何年か前に「樹を観る会」で滝めぐりと山登りをしたところで、大体の感じはわかっていたつもりでしたが今回の観察会ではまたまた新しい植物などに出会うことができて目からウロコでした。

 ニシキギ科の「クロズル」です、ちょうど花の満開に出会いました、面白いことですが黒蔓の別名はベニズルだそうです、一年目のツルは緑ですが2年目からは名前のように赤い色をしています、さてこのクロズルは私の住んでいる北上山地では見ることが出来ません、図鑑にも東北地方から福井までの日本海側、、、、、とあるとおりです。
 しかし、葉っぱだけでは説明されても「ああそうか!」て事だけですが花の満開に出会えれば印象はまた違いますね、きっと忘れないでしょう。「一期一会」というのでしょうか。

 一期一会はまだ沢山ありました。次は「カラスシキミ」が真っ赤な実をつけていました。

 この「カラスシキミ」「ジンチョウゲ科ですからこの間紹介した「ナニワズ」と同じ仲間です、ブナやミズナラの林床にはいろんな常緑の低木がありますね、たとえばミズキ科の「ヒメアオキ」も赤い実をつけます、それからモチノキ科「ヒメモチ」も赤い実、さらに「ツルシキミ」も常緑で赤い実をつけます、ツルシキミはカラスシキミと名前が似ていますがジンチョウゲ科ではなくてミカン科に属します。花もそれぞれ違っています、実がついている時花が咲いている時いろんな時に出会いたいものです。

 このかわいい二つの白い花は草本でアカネ科「ツルアリドウシ」でした、秋にはこれも赤い実をつけますが、花が二つなので実も二つが合着してできるようです、そのせいで赤い実のてっぺんに二つの花の痕跡がありこれを「豚の鼻」などと可愛く呼んでいるようです。

 もう一つ可愛い花を紹介します、野鳥ではなくてユリ科の「タマガワホトトギス」

長くなるので今回はこの辺で


もう赤い実がついています

2009-07-11 20:33:40 | Weblog


 7月もそろそろ第3週に入ろうとしています、夏ももうそこまで来ていますが私は暑いのが苦手です。出来れば夏抜きがいいなーと思っていますがそうもいきません。今年もしっかりと暑い夏が待っているような気がします。いや、そうでなければ秋のあの豊かな実りは期待できないのです。
 ところが夏にもならないのにもうすでに赤い実がなっている樹木が有るので紹介します。

ニワトコ

 みどり一色の林の中で怪しく真っ赤に実っているのは春一番に新芽を吹く「ニワトコ」です。新芽はブロッコリーに似ています。

クマヤナギ

 ヤナギでもないのに「クマヤナギ」と呼ばれています、それから蔓性の樹木です、ところがクマヤナギの中には蔓性ではなくて何と言えばいいのかわかりませんが普通に地面から上に伸びる低木があります。(へんな言い方でしたが)「ホナガクマヤナギ」というのが東北地方の日本海側を中心に自生しています。以前に「カタクリの会」の観察会で教えていただきました。

ナニワズ

 ちょっとピントが後ろに行ってしまいました、自動ピントのデジカメで写したせいです。ジンチョウゲやオニシバリと同じ仲間です、冬に葉を落とさないで春に黄色い花を咲かせ夏に落葉して赤い実をつける。変わった奴です。

 これも変わり者です、その名もそのまま危険な「ドクウツギ」です。近くの種山高原(頂上まで車で20分)には沢山自生しています。

 最後に花ですが、「ムラサキシキブ」が咲いていました。

これはその名の通り紫色の実がつきます


花盛り3種

2009-07-07 17:28:42 | Weblog


 今年は今のところ空梅雨で推移しています、と安心していると末期に豪雨なんてことがあるので安心できません。あまり降らないのも困りますが。

 今沢山の花をつけている樹木を3種類紹介します。

 いまごろ「みずき」とおもいますが、ミズキと同じ仲間の「クマノミズキ」です、図鑑には雪国より南の地方に多いと有ります、確かにあまり見受けないようです。「ミズキ」は5月頃開花しますが「クマノミズキは今が盛りです。

花のアップ

 大きな木に沢山の花がついています、この地方では沢沿いなどに沢山自生しています、大木になります、それから甘くて食べられる実?をつける「ケンポナシ」です。

 大きな木になるのでなかなか花をまじかでっ見ることが難しいかもしれません。

 これも大きな木です、白くぼやっとしているのが全部花です、あたり一面に匂いがして蜂が沢山集まっていました。シナノキ科の「シナノキ」です。

 シナノキ、オオバボダイジュ、とお寺などに植えられている中国原産のボダイジュとの違いは図鑑によればその通りなのですが、イマイチよく解からないでいます。そのうち解かるでしょう!こんな感じです。


花巻野鳥観察会IN千貫石

2009-07-06 19:08:47 | 野鳥


 今回は花巻の集合がAM6時、近くの人は現場近くで待ち合わせて7時には皆さん双眼鏡やらスコープを覗いていました。

 第一現場は県道のすぐ脇の草原です、いました、枯れたヨシのてっぺんには「コヨシキリ」、それから「ノジコ」比較的近距離でしたのでよく観察することが出来ました。それからもっと近くには「ホオジロ」の子供がずっと動かずに止まっていました、人が居るので親鳥がエサを運べずに困っていたようでした。
 朝から幸先がイイということで第2現場の森林公園に向かいました。

 ここでも大変満足できる観察が出来ました。先ずは珍しい「イカル」それから営巣中の「ミサゴ」の親子、湖の対岸から性能のいいスコープで覗かせて貰いました。ほんとにベテランがいるといないとではこんなにも違うかと思えるくらい沢山の野鳥を見ることが出来ました。

 その他見れたり声が聞こえたりした野鳥⇒ホオジロ、ホトトギス、カッコウ、 ウグイス、カワラヒワ、ハクセキレイ、スズメ、アカゲラ、キジバト、クロツグミ、シジュウカラ、オオヨシキリ、ハシブトガラス、ヒヨドリ、アオジ、コゲラ、ムクドリ、ツバメ、カワセミ、ヤマガラ、アオサギ、イワツバメ、カケス、トビ、バン、カルガモ、カイツブリ でした。

 野鳥の写真は有りませんが、歩いているときに撮影した「バイカツツジ」です。梅のような花をつけるところから名前がついたそうです。この他にも「バイカ」とつく樹木はありますね、たとえば「バイカウツギ」とか。

 帰りに寄り道をしたところで見た「ウリノキ」の花と葉っぱを見てください。

ピントが、、、、

 こんな葉っぱです、ウリハダカエデとかテツカエデに似ていますがカエデの仲間では有りません、好きな樹木の一つです。
 同じような花が咲くのに「アクシバ」というのが有りますがそのうちご紹介します。

 観察会は準備していただく事務局とその会の担当の方やいろんな事を教えてくれるベテランの方がいて面白くなる物です、感謝しながら帰途に着きました。


貴重な浮き草・「イチョウウキゴケ」

2009-07-03 18:38:02 | 米作り


 

 今年は何とか稲刈りをスムーズにやりたくて草取りに専念しています。
 とか何とか言っていますが毎日では無くて1週間に1度か2度それも1~2時間くらい、無理のないようにやっています。

 ところで田んぼにはいろんな草が生えますが、浮き草は生えるとはいわないでしょうね、それなら浮いているとか生息しているといったことでしょうか。上の写真には2種類の浮き草があります。

 丸くて小さいのと大きくてイチョウの葉っぱに似ているやつがあります。
 このイチョウに似ている浮き草が絶滅危惧種にもなっているウキ苔科の「イチョウウキゴケ」です。

 このイチョウウキゴゲの事がたまたまこの間テレビで紹介されていたので私の(借りている)田んぼにも確か有ったなーと思い確認して見ました、やはりありましたね、うれしい事です。