イーハトーヴ里山の樹木ウオッチング

岩手県の北上山地に住まいする私が四季を通してイーハトーヴの里山の樹木と自然と生活をウオッチング。

カンジキ作りその2

2007-01-29 18:30:20 | クラフト


 少し構造とその材料について書きます。
 本体は木の枝をUの字型にしたわけですが、前はクマヤナギ、後ろはクワです。
 クマヤナギと言うのはツル性の樹木で、材質はけっこう硬くてツルではないような感じを受けます。花はあまり目立たないのですが夏ごろに咲きます。また秋には赤い実をたくさんつけますのでその時だけ目立ちます。
 クワはお蚕さんの餌にもなるご存知桑の木です。
 それから雪の上で横滑りしないためのストッパーの役割をする爪ですが、硬い硬い山梨の木を使っています、山梨といえば園芸用の梨の原種です、春に白い綺麗な花をたくさんつけます。秋には小さな梨のみが鈴なりになります。
 最後はサルナシのつる、この地方では「コカヅル」などと呼ばれています、前に書いていますのでこちらを見てください。2005年9月19日2006年6月20日です。

れが私が作ったカンジキです、しかし、材料の調達や様々な段取りをしていただいたから出来たので、あまり偉そうには言えませんね。

 雪がほとんどない今年ですが、遠野でも早池峰の近くでしたから何とかお借りしたお庭には少し雪がありました、早速お試しウォーク。

 このカンジキは教えてくださった先生が日頃使っている現役のカンジキです、私たちが作ったものとは少し違っています、それは一本の材料で出来ていると言う事です。材質は桑の木だそうです。
 形の美しい事、やはり現役の機能美なんでしょうか。
 今度は材料から全部自分で調達して作ろうと考えています、早速今日裏山を見てきました。


カンジキ作り体験

2007-01-28 19:02:49 | クラフト


遠野の冬を楽しむエコモデルツアー
カンジキ作り体験

これは先生の作品です、これを見本に皆で製作しました、売っている物の多くは紐の部分が細引きロープで出来ていますが、これは本物のツルを使っています。

私が書いた図面です。
適材適所というのでしょうか、その材質の性格を上手く生かしています。
単なる飾りではなくて実践で使っているものの強みですね。

まずはサルナシのツルを裂いて紐にします

先生がサルナシのツルを裂き始める所です。

裂いた物ですが真ん中に赤い芯があります、これを削ってひも状にします。
その時鉈や小さな鉋を使います。この行程はとても大事な作業です、最後になってこの時の仕事の良し悪しが完成品の出来を左右すると言っていいようです。

ツルの下ごしらえがだいたい出来たら、次に本体を作ります。

 これは先生が作った装置です、後ろのクワ材を炭火で温めてから形に折り曲げそれをこの溝に入れ形にします、そして端っこを針金で留めてしばらくおきます、余裕があれば1日くらい置いた方が良いとのこと。
 前のクマヤナギは元々ツル物ですから、曲げるのは簡単です形にしてから煮え湯の中に入れてしばらく落ち着くまで置いておきます。

 このようにして暫くおきます、それから先に作ったサルナシのつるは煮沸し柔らかくしてから使います。お釜のお湯と炭火はどうしても必要です。

長くなるので続きは明日、また見てください。


成木責め

2007-01-25 18:14:23 | 俳句


 成木責め=一月一五日の小正月に行われるもので東北地方から中国四国地方にわたって広く各地で見られる呪術的歳時です、この風習は柿の木が多く対象にされ、二人一組になって行われるものです。
 まず一人が「なるか、ならぬか、ならぬと伐るぞ」と言って、鉈で幹に少し傷をつけます、そしてもう一人が「なります、なります」と答え、神前に供えた小豆がゆをふりかけます。京都ではかみしもはかまの正装で行われるそうです。
 この風習は、柿の木だけに限ったものではないようですが、どれも今年の豊作を祈願したものです。

 何で「成る木責め」のはなしなのかと言いますと、この間の俳句会で、ベテランの女性が、小正月の季語で成る木責めを一人でやったと言う句が詠まれまして話題に成ったからでした。
 案外知らない人もいまして、盛り上がった次第です。
 詳しくは農文協で出している健康食「柿」と言う本に出ていますので興味のある方はご覧下さい。
 それから、柿にまつわる故事、ことわざがたくさんありますね、それだけ日本人には身近な樹木と言えるのでしょう、また俳句にも柿を詠んだ物がけっこう有るようです

里古りて柿の木持たぬ家もなし 芭蕉

柿ぬしや梢はちかきあらし山 去来

渋柿の花散る里と成りにけり 蕪村

柿の花石灯籠に落ちてとぶ 虚子

茶仲間のぶっきらぼうや柿紅葉 一茶

青天に一枚早し柿紅葉 近藤不彩

 まだまだたくさん有るようですが、「柿紅葉」を詠んだ句が何点かあるようです、柿紅葉というのは柿の葉っぱが美しく紅葉する様なんですね、知る人ぞ知る紅葉です、それから柿の花って気をつけてみないと良く分からないですが見たことがあるでしょうか、昔の人、特に歌人や俳人はよく自然を観察していたなとつくづく感心しています。
 わたしもますますウォッチングしなくては!


小春日和

2007-01-22 17:59:00 | Weblog


 遠野から見た早池峰山

 早池峰には雪がありますが、遠野盆地はまるで春のようです、昨日の日曜日の風景。

はるかに南部曲がり家が見えます

↓ウンリュウヤナギ↑

柳の仲間で、中国原産の園芸種、
細い枝が蛇のように曲がりくねって垂れ下がるのが特徴

ヤドリギ、普通高い所に着床しているのでなかなか近くで撮れない

ハクモクレンの蕾、早この時期にはちきれそうになっていました。

道路のすぐ脇に黒毛和種の子牛が居ました、
この地方では、牛のことをベコッコと言います
また子供の事をコッコ、だからべコッココッコとは言いません
ベコのコッコが正解だと思います
何でも(コ)をつけます。

畜霊碑

可愛いといって育てても所詮は家畜です、
育てると言う事は美味しい肉になれということでもあります、
こうして家畜の霊安らかにと道端に碑を建てて拝んでいるんですね。
真冬日なしの記録更新中!


マンサクの冬芽も膨らんで

2007-01-20 18:19:37 | Weblog


 今年は雪がないので「樹木ウオッチング」冬の部も順調です。春一番に咲くあのマンサクの冬芽です、可愛いですね、昨年の4月5日、咲いた花をアップしてますので見てください。
 それから、昨年の10月26日、女神山に行った時に撮ったマンサクの葉っぱを見てください。
 昨日の夜9時頃ヤボ用があって隣の北上市まで車を走らせました、路面が凍っていません、たいした気候です、今年の冬は今までに真冬日が無いそうです、昨年は21日もあったそうですから大変な違いですね。
 花が咲くためには冬の寒さも大事だと聞いています、果たして今年のまず咲く・マンサクの花はどんな咲き方をするのでしょうか。こうご期待です。


今年は今のところ記録的暖冬のようだ

2007-01-17 22:55:46 | 生活


 青々とした緑が目立つ今年の冬だ、雪もちらちら降っては融けてしまう、朝晩の冷え込みも気がぬけるほど緩やかだ、こんなに仕事が進む冬は無い、つい「こんなんでいいのだろうか」とつぶやいてしまう。
 例年だと池はもう5cmくらいの氷が張ってその上をキツネが歩いた足跡があっちからこっちからやって来ているのだが、今年は寒いなと思える朝にうっすらとはっているくらいだ。
 だからと言ってすぐに異常気象だとは叫ばないようにしているのだが、このまま行けばやはり異常なんだな。
 予測では、地球温暖化によって気温は最大5.8度まで上昇するという、こうなると「暖かい冬はいいなー」などとのんびりしたことを言ってはいられなくなる、異常気象による大干ばつ、その結果食料不足で大パニック、考えるだけでも寒気がしてくる、心配は杞憂では無くて案外始まったらどんどん悪い予想が現実のものとなるのかも知れない。
 


風花を詠むなんて100年早い

2007-01-14 19:13:13 | 俳句


 この地方の風花は、日本海をわたってきた雪雲が秋田や東北地方の背骨である奥羽山脈あたりで大雪を降らせ、のちに北上川の上を渡り北上高地へたどり着いたところで冷たい風となってお日様が照るなか舞落ちる、と言う感じなんでしょうか。

 今年は本格的な雪が降らなくて、こんな風花が舞う日が多い、風花を詠むにはチト力量不足は否めませんがどうしても一度詠んでおかねばという思いでした。


楽しみにしていたハルニレの木が切られていた

2007-01-12 22:06:45 | Weblog


 北上市に向かういつもの道路沿いにあったハルニレの木が道路工事のためか切られていました。
 なんだって切ってしまったんだ!ようやく去年の5月17日に「ハルニレ」を確認して今年の春の開花を楽しみにしていたのに、ざんねん!

 これが切り口のアップですが芯の部分がこんなに赤かったかな~っと、ちょっといぶかしく思うがやはり5月17日にブログに書いたのと同じ木でした。
 しかし誰をも責めることは出来ないのは分かりきったことではありますが。
 前にアップしたブログを見ましたら、私のブログにちょくちょくコメントを寄せて下さっているfagsu06さんの初めての書き込みに再開することが出来ました。しかし時間のたつのは早いものです。
 


一里塚の木

2007-01-10 19:04:42 | 巨木・古木


 一里塚の思い出、私が生まれて中学生まで居たのが東京の板橋区志村というところです。
 もう40年以上も前のことですから記憶も途切れ途切れになっていますのに、たまたまこの間盛岡に仕事があって旧街道を走っていましたところ北上市の成田というところで一里塚に大きなケヤキの木が空にそびえていたのを見たのがきっかけで、子供の頃に何故か印象に残っていた志村の一里塚(中仙道沿い)を思い出したのでした。
 さっそくネットで一里塚を調べていたら「志村の一里塚」があったのでリンクしてみました。なんだかとても懐かしく写真を眺めてしまいました。
 確かこの近くに大きなお店があって?そこの建物の梁だか柱にはあの新撰組の近藤勇が立ち回りをした時に出来た刀の傷がある、ということだけ鮮明に思い出されました。記憶って面白いものですね、急に忘れていた物がショートした電気の線みたいにつながって鮮明な映像が映し出されるような、そんな感じですか。

これは、旧奥州街道北上市成田の一里塚です。

現在奥州街道で残っている一里塚は20余ヶ所、
この一里塚は日本橋から129里(506.6キロ)盛岡までは10里(39.3キロ)
明治以来国道が他に出来たのでこの一里塚はそのまま残ったものだそうです。
してみると板橋区志村の一里塚は昔から中仙道沿いにあって
そのままのこっているのだからたいしたものなんですね。

ついでに旧4号線沿いにあった祠の前に植わっていた木を見てください
手前が相当古木になっているシデ、多分アカシデだと思いますが
そして奥がフジのツルです、シデとフジはたがいによりかかっているかのようでした
今度、葉っぱがついたり花が咲いた時に来てみよう。
それから一里塚になっている木はどんな木が多いのか知りたいものです、
エノキなんかも多いのじゃないかなと思ったりしていますがどうでしょうか。
「一里塚探検隊」なんてのも面白そうですね。

 


キツネはコンコンとなくのか

2007-01-08 18:36:23 | 俳句


 12月の句会での私の一句です、キツネという席題でしたがなかなか上手いのが出来なくて苦労しました、というかこんな所です。
 キツネがどんな声で鳴くかご存知でしょうか?私の家の周りには鶏が沢山いますのでそれを狙ってキツネやらタヌキ、イタチ、ノラネコ?イヌがやってきますが堂々と叫ぶのがキツネです。
 それがギャンギャンとなくんですね、なんだか不安な気持ちにさせる声なんです、だからそんな日は早仕舞いして鍋などつつきたいという気持ちになります。
 ところが、句会ではキツネの声の話しに花が咲きまして、長い事キツネの声を聞いている先輩から、「ギャンギャンとなくのはメスで、オスはコンコンとなく」とおしえられました。
 しかし私はまだコンコンという声は聞いたことがありません、経験不足でしょうか。
 それからほんとにキツネに化かされた人の話とか、キツネはどんな人をだますのか、実際にあった話など、「遠野物語」を聞いているようでした。どんとはれ!