イーハトーヴ里山の樹木ウオッチング

岩手県の北上山地に住まいする私が四季を通してイーハトーヴの里山の樹木と自然と生活をウオッチング。

薬師岳つづき

2009-10-07 18:43:25 | 山歩き


 薬師岳と早池峰山の登山口から少し下がった河原坊あたりの紅葉を少し見てください。

大好きな「イタヤカエデ」の葉っぱ

ブナの黄葉

赤く紅葉していたのは「コミネカエデ」ですね、

 例外はつき物で断定は出来ませんがミネカエデは黄色くなり、コミネカエデは赤くなると思います。概ねとか一般的にはといったほうがいいのかもしれません。一般的には黄色くなるマンサクの葉っぱが赤く紅葉していたのを見たことがあります。

 「シウリザクラ」の実でいいと思いましたが美味しそうに熟していました、ウワミズザクラとイヌザクラによく似ていますが葉っぱとか樹皮とかを見て区別しています、またシウリザクラは平地では見たことがありませんのでそれも鑑定の一つの材料ではあります。

 ちょっと分かりづらかったのですが、たぶん「タチシオデ」だと思いました、やけに慎重ですが知ったかぶりはよく有りません、この仲間はサルトリイバラとかヤマガシュウというのがあって時期によっては区別しやすいのですが時期によっては間違いやすいと思います。

 春は山菜として喜ばれる「コシアブラ」レモンイエローというのでしょうか、透きとおって光が通るようです。これに似た「タカノツメ」は濃い黄色クロームイエローになります。

紅葉の中でひとり変わった主張をしていた樹は「ウリハダカエデ」です。
ムカシウリの肌でしょうか。

ずっと歩いていたいほど気持ちがよかったです。


薬師岳

2009-10-06 17:51:41 | 山歩き


薬師岳山頂1,644.9メートルから隣の早池峰山を望む

 薬師岳は北上高地の中部、早池峰山の南にあります。花巻市大迫と遠野市の境でもあります。
 また有名な話ですが早池峰山は蛇紋岩、これに対して薬師岳は花崗岩が基盤の岩になっているそうです、そのため植物の相も大きく違っているということです。

 頂上から遠野方面の空を見たら大きな雲が、近くにいた人がこの雲は天気が崩れる前触れだといっていました。確かにそうでした。観天望気という奴ですか、面白そうです。

小さな物ですが頂上付近に有りました、

これは「ヒカリゴケ」岩陰に怪しく?ひかっていました。

林床に綺麗な草の実を見つけました
ツバメオモトのようです

春花が咲いているところです。

ムシカリ・オオカメノキの実、はじめの頃は赤い色をしています。

この可愛いのもオオカメノキの冬芽
両方のとがった耳のようなのが葉っぱ、真ん中の丸いのが花の芽
面白いですね

つづく


五葉山

2009-10-02 18:06:52 | 山歩き


 「五葉山」岩手県の南西部、準平原地形の北上高地にあります。写真は1,341メートルの頂上付近です。ササやハイマツなどが背を低くしています、風が強いのでしょう。
 ところで赤坂峠登山口から上り始めるために車を走らせていましたところあっ!とビックリ道路にバンビが!それも2回も出現したのでした。前から五葉山近辺はニホンジカが沢山いるという話を聞いていましたのでなるほどでしたがこんなに簡単に見られるとは思いませんでした。

それではちょっと登山の途中の樹木など見て下さい。

沢山の実をつけた「ガマズミ」です、登山口近辺にありました。

地方名は「ゾーミ」ジャムや果実酒にするととても美味しいです。
昔は大根の漬物などの色付けにしたとか。

「カマツカ」の実
カマツカはバラ科の樹木で別名「ウシコロシ」

食べれる物ばかりですが「サルナシ」の実です
これも食べてもジャムでも果実酒でもいいです。
サルナシで造るお酒を「猿酒」(マシラザケ)といいます。
俳句の季語にまなっています。

夢一夜 さしつさされつ 猿酒  あきら

ハウチワカエデ

 この山の代名詞「シャクナゲ」です。五葉山はこのシャクナゲとツツジで大変有名なのですが、今は時期でないので残念ながらこんな感じです。

 ダケカンバと紅葉です。少し登るとこのダケカンバとヒノキアスナロが目立ちます。

ヒノキアスナロ

 ガイドブックには歩行距離8キロメートル、歩行時間3時間15分と有りましたが私たちは登り2時間30分くだり2時間弱でした、ゆっくりゆっくりそして寄り道、あっちに変わった草があればルーペを覗いたり写真を撮ったりですから標準ではないのが当たり前。でもこの間の「高下岳」とは比べ物にならないくらい歩きやすい山でした。今度は花盛りの時に登りたい。

下りでは太平洋が見えました。


高下岳のつづき

2009-09-05 18:18:58 | 山歩き


 高下岳は前に行った時より藪がひどくて参りました、それから虫も多くて立ち止まるととたんに襲ってくるという感じでした。

クマのフンでしょうか

 今の時期は花はほとんど終わっているし実が色づくには少し早いしで、あまり見所が無いのですが少し写真に撮りました。

オクモミジハグマの花

ツルシキミ(ミヤマツルシキミ)雄花の花が終わったところかな?
間違えていたら教えてください

ツクバネソウ

ヒメモチでしようか、これから赤く熟すようです。

 アカミノイヌツゲ、東北地方では背の低いハイイヌツゲが多いのですが高い山に来ると見ることが出来ます。たまたま赤い実が一つついていました。

ユキザサこれも一つだけ赤く熟しています。

いちばん派手に主張していたのが「オオカメノキ」=「ムシカリ」でした。
ガマズミの親戚ですね。

今年のブナの実の出来はどうなんでしょうか?

 ガイドブックには登り2時間とありましたが私たちは3時間半、下山に2時間半かかりました、けっこうしんどい山でした。帰りは沢内の川船から豊沢湖に出て鉛温泉でゆったりお湯に浸かりました、ドントハレ!


高下岳に登りました。

2009-09-04 17:53:06 | 山歩き


 夫婦で高下岳に登りました、和賀岳の東側にあって1322.8mの山です。
以前に「樹を観る会」で途中の900メートルあたりまで登ったところでした。けっこう急峻なのぼりがあって苦労した覚えがありましたが、こんかいは一応頂上を目指すつもりでのトライでした。

 この山にはいくつかの登り口があるようですが私たちは「高畑登山口」を選びました。すぐに急なのぼりになると目の前にブナの大木です。

道をふさいだブナの倒木です。

 「クロベ」黒檜/別名ネズコ、ヒノキ科、常緑の高木で樹皮は赤褐色で非常になめらかです、緑のなかでとても目立っています。素敵な樹木です。

 少し上のほうに登るとそろそろ「ダケカンバ」に出会います、確か少し前にこの山域でダケカンバの大木が発見されたそうです、それが何処にあるのかは分かりませんが、、、。

 カバ類はシラカバが良く知られていますが私はこのダケカンバが大好きです。昔からこの皮が火を起こすときに使われていると聞きます。確かにこのての樹皮はよくはがれて乾燥させなくても簡単に火がつきます。
 家具の世界ではこのカバノキ科カバノキ属はよく使われます、特に「ミズメ」別名「ヨグソミネバリ」「アズサ」はサロメチールの匂いがする樹ですがサクラの木肌によく似ていて素敵です。また「ウダイカンバ」ははじめからサクラの代用として使われています。

 林床では「エゾユズリハ」

「タムシバ」の花芽、ビロードのような上等な筆のような
コブシの仲間でニオイコブシとも呼ばれています。

続きは長くなるので次の機会に


ブナの森の固雪歩きinn 遠野のつづき

2007-03-21 13:19:40 | 山歩き


 猿が石川の源流部です、猿が石川といえば私の住んでいる江刺あたりでは一帯の農業用水としてかなりの田んぼを潤している川です。
 有名な早池峰山のとなりあたりを源流として遠野、東和、花巻を経て北上川に注いでいます。途中田瀬湖で農業用水として各地に供給されているので私の近くの田んぼにも流れてきているわけです。
 写真では今一よく分かりませんが、それは綺麗な水が流れていました。
 今の時期、雪が沢山積もっているからこそ雪の上を歩いて来れますが、雪が消えたあとは笹薮となってなかなか入って来られないという事です。

イモムシが木から這い出している?

 いやいや、ハリギリ(センノキ)の冬芽ですね、この栓の木は若い頃はタラノキによく似ていますが、タラノキとは違って大木になる樹木で、木目もきれいだということから好んで家具の材料にしている作家もいます。

ウリハダカエデの樹皮

白一色の山の中でひときは目立つ木の肌です、この地域には
このウリハダカエデがけっこう自生しているようでした、
秋になったら一斉に真っ赤に紅葉してきれいな事でしょう。
又違う季節にやって来たい山です。

 


遠野の皆さん有難うございました

2007-03-19 22:14:23 | 山歩き


 昨日の日曜日、遠野の冬を楽しむ「エコモデルツアー」に参加してきました。
 前にも何回かブログでお知らせしてきましたが今回が最後となりました、この間悪戦苦闘してカンジキを作りました、その時のカンジキを持って今回の「ブナの森の固雪歩き」と言う企画です。
 私は今一自分が作ったカンジキに信頼性がまだもてなかったので、沢内村の「えいじ」さんが作った本物を持って参加しました。案の定雪の中では十分な活躍をしてくれました。

 先頭を行くラッセル隊の二人、左の方は今回の講師先生(花巻の望月さん)
ラッセル隊というのはスノウシューを履いているので先ず先頭で雪を踏み固める役割をしてもらえる人たちのことです。

 枝に引っ掛かっていた枯れ葉、たぶん「ウリハダカエデ」かな?白とグレーの世界にちょっとした部分カラーと言った感じでした。

ブナの大木、登りにかかってから少し吹雪いてきました、
吹雪のブナ林も幻想的で素晴らしい!

寒風の中出番を待っている「オオカメノキ」=「ムシカリ」の花芽
又今年も去年と同じように花を咲かせるのでしょう。

つづく