ミカン科のキハダの葉っぱです、クルミやサンショウ、ニセアカシア、エンジュなどの葉っぱによく似ていますね、こんな葉っぱのことを「羽状複葉」と呼んでいます、葉っぱの付き方が羽のように複数ついているということです。このキハダの葉っぱはその中でも突端にひとつ葉っぱがついているので奇数がついて「奇数羽状複葉」と呼んでいます。ということは偶数も有るということになりますね。
これがキハダの実です、まだ青くて若いものです、
冬の間に撮影したものが下の写真です。
葉が落ちるとこの黒い実がとても目立つ樹木です、キハダの樹肌はコルク層が発達していて別名コルクの木とも呼ばれています、そして内樹皮は鮮黄色でそれとすぐ分かります、ちなみにこの内樹皮はベルベリンを含んでいて苦味があります、これが漢方で使われている黄膚=黄檗(おうばく)です。
健胃整腸剤の「陀羅尼輔」(だらにすけ)の主成分になっているそうです。
私はこの木から皮を剥いだことは有りませんが15年くらい以前だったでしょうか近くの山仕事をする人からこの皮をいただいたことがありました、そのとき少し試して見ましたがとても苦くてそのままほったらかしになって行方知れずになったままです。
「陀羅尼輔」のダラニとは梵語の経文のひとつで難解で長文のためこれを唱える僧が眠くなるので眠気を防ぐためこれを含みながらお経を唱えたというところからきているのだそうです。
私のところに有る「キハダ」の木の肌です、内側ほど黄色い色が綺麗で中のほうは少し褐色がかっています、好きな材料のひとつです。
ちなみにパルプ材としては色がつくので嫌われるそうです。