イーハトーヴ里山の樹木ウオッチング

岩手県の北上山地に住まいする私が四季を通してイーハトーヴの里山の樹木と自然と生活をウオッチング。

葛嵐(くずあらし)

2007-08-31 19:35:36 | 俳句


 

 すべて覆い尽くしそうな葛、結構嫌われ者なんですね、確かにそうなんです。
 この間の俳句会の兼題が「葛嵐」だったのでちょっと考えてみました。
 葛嵐だなんてとても響きのいい季語ですね、秋の季語ですが、葛の葉っぱが風におののいている様が特徴的にとらえられています。

雲走りこころざわつく葛嵐

 近頃スランプです、私の句はおいといてメンバーの一人が大変良い句を詠んでいました、人の句だから勝手に載せるわけには行かないので失礼しますが参加したかたがた皆さんに選ばれていました。

 これは葛の花です、とても綺麗な花ですね、

『葛の花踏みしだかれて色あたらしこの山道を行きし人あり』

民俗学者折口信夫が民族採訪旅行に出かけたときの歌だそうです、

 葛は古来から人の生活と深くかかわってきたようです、その茎は繊維として葛布を織り着物とされたし、つるは縄や網の役目をしていた、それからよく知られているところではその根っこをくず粉にして利用してきました。また葛の葉や茎は牛や馬の良い餌にもなっていたそうです、今では見向きもされていませんが、、、。



『恋しくば尋ねきてみよ和泉なる信太の森のうらみ葛の葉』

 裏が見える葛の葉と恨み葛の葉をかけたものですね
 風が吹くとざわざわゆれて白い葉の裏を見せる葛の葉っぱ、これが恨み葛の葉の正体です。
 「葛の葉子別れ」という題で神楽などで演じられていますが大阪の葛の葉稲荷神社の伝説が芸能化され各地に伝わったものだそうです。
 若者に助けられた狐がクズノハという若い女性に化け、若者の妻になる。そして一人の子をもうける。ある日、夫が植えた菊の香りにうっとりとして狐の姿を現してしまう。正体を知られたクズノハは子供を残して信太の森(葛がたくさん生い茂り、狐が多いことで知られている)に帰ってゆく。そのとき、障子にこの歌をしたためていくのです。
 「花と香りと女のくらし」山本玲子著より引用しました。

 葛を見る目も少しは違ったものになるでしょうか?

 


ねふたき(ネムノキ)でお香のその後

2007-08-28 16:49:42 | 生活


 3回目の「ねふてき」でお香の講座に参加してきました。写真は昔使われていたお香の道具です、香炉というか香箱ですか。上の箱に草木灰が入っていてそこでお香を焚きますそして格子状のふたをします、桝目からお香が煙るといったすんぽうです。
 下の引き出しには道具類が入っています、なかなか手の込んだものですね。

 今回は、お香時計を実際に試して見ました、私が作った木の箱に草木灰をたっぷり入れ、灰を均して、その上に木の型を置いて溝を掘りそこにお香を入れ少しつついて固めたところです。

これがお香の型です。

 いよいよお香に火をつけました、作ったお香のキメが少し荒いのかなかなか火がつきませんでした、苦労しましたが参加した人の知恵でコヨリを作りうまく点火する事が出来ました。南無阿弥陀仏

 会場になっている旧大沼家侍住宅はねむの木のお香でむせるほどでした。ちょっとオーバーかな!

 上の写真はアンティークの木で出来た薬研(ヤゲン)です。使い込まれ木の艶が出ていてとても素敵です。

 お香を作るときネムノキの葉っぱを粉にするのが結構大変なんですね、たくさん作った当時は臼などで搗いたそうですが、今回はすり鉢とすりこ木でやりました。上のヤゲンも試してみましたが、これも結構いいです、普通ヤゲンというと鉄製のものを思い浮かべますが、さすが東北は木の文化ですね。
 ということでこの薬研を再現してみようと思います。

乞うご期待!


稲の花が咲いた

2007-08-25 11:23:51 | 米作り


 久しぶりに私の(借りてる)田んぼを見てください、一度きっちり草をとったつもりでしたが草はいたって元気に生えています、でも稗とかセンダン草のような大きく伸びて稲を邪魔する種類は何とか除去できたのでまずは安心かな?

 稲の花が咲いていました、他の田よりも少し遅い開花ではあります。
この花が咲くときに悪い天気だと結実が悪く、不稔障害などになりやすくなります。平たく言うと実の入りが悪くなる、収穫量が減るということですね。

朝の田んぼに白い糸がたくさん

 ナガコガネグモでしょうか?このクモ族が田んぼに糸を張ってくれると安心なのです、と言うのも稲が熟してきて穂の中でお米が出来始めるとカメムシとかお米を食害する虫がやってきて、せっかく出来てきたお米をだめにしてしまうのですがこのクモ達がその虫たちをやっつけてくれるというわけです。田んぼの神様クモ様といったところです。
 その他にも田んぼには様々な生き物がいますがそのうちに紹介します。

 田植え時にこの田んぼを紹介したときポポーの花が咲いていましたがもう実がついています。アケビの実によく似ていますが植物の種類としても、味もぜんぜん違うものです。

ポポーの実、美味しそう


池の魚

2007-08-22 17:30:09 | 生活


 日本列島は猛暑に見舞われています、我が岩手県でもこの間まで我慢がならない暑さでしたがお盆を過ぎた頃からぐっとすごしやすくなってきました、少しほっとしているところです。
 写真は「ヘクソカズラ」の花です、確かにツルも葉っぱも臭い!でも綺麗。

 私の庭というか裏山には2段の池があります、結構広いのです、そこには40cmくらいの鯉が十数匹います、それからフナが数え切れないほどいます、そろそろ食ってみようかなと思って何で捕まえようかと思案しました。
 昔子供のころ使った四っ手網を思い出して、釣具やさんなどで探してみました、無いもんですね、しばらく探しましたがとうとう網の専門店で見つけることが出来ました。

 これがそうです、フレームのところは竹で出来ています、今様のものはエンビパイプだそうです、とにかく子供のようになって池に沈めてみました。

 パンの切れ端の餌を与えて引き上げましたが一網打尽となったのはフナばかりでした。まずは鯉を取って料理したいと思っていたのですが、鯉は用心深いのか網に入ってくれません、残念!そのうちと思って何回か網を引き上げていますが相変わらずフナばかりです。
 それからこの池には、カワセミや、ゴイサギ、カモがやってきます、奴らに取られない前に、、、でも大きな鯉は取られる事は無いと思いますが。


キササゲという樹木

2007-08-19 14:25:44 | Weblog


 今頃キササゲの花が咲きました、、いつもより遅いような気がします、昨年の冬に切ってしまった木なのですが今年ヒコバエがぐんぐん伸びて1m50cmほどに成長したものでした。
 まさか花が咲くとは思っていませんでしたので嬉しくなってしまいました、切っておいてそれはないだろう、、、、、。

キササゲ=木大角豆
以前にアップしたキササゲの記事を見てください。

 ノウゼンカズラ科、落葉高木、中国原産で古くから栽培されている樹木だそうです。
 ノウゼンカズラといえば下のような夏に怪しく乱れ咲くといった感じですが、同じ科にはもう一種桐の木があります、それぞれ色は違いますが花はよく似ていますね。

ノウゼンカズラ
高い木に絡みついて花を咲かせる蔓です。

 これはキササゲの葉っぱです、同じ科のキリの葉っぱを見てください

 どうですか、よく似ていますでしょう、キササゲのほうは葉脈が少し赤いようです。以前2007年6月1日にアップしたキリの木の花も見てください。

 最後に、キササゲというからにはササゲがつく木ですからその様子を見てください30センチ以上はあるでしょう。

このキササゲとキリの木は切っても切っても伸びてくる樹木です、
再生力が強い。

 


今年のお盆は剣舞

2007-08-17 17:10:36 | 民俗芸能


 しかし昨日まではとにかく暑くて参りましたが今日は雨、午後からは冷たい空気が入り込んだようで涼しくなりました。

 今年のお盆は剣舞づけといってよい日々をすごしました、

9日は地元の自徳寺で法事に出演

11日も地元の自徳寺で合同法要に出演

15日には江刺の街中岩谷堂にて盂蘭盆祭りに出演
その日の夜自徳寺にて盆踊りに出演

昨日の16日は一関の中ノ目というところのお寺で盆踊り

 前にも何回かお知らせしていますが、私が住んでいる「兄和田」という集落で昔から伝わっている念仏剣舞で「兄和田念仏剣舞」といいます。以前の記事を見てください。

 もう一つ見てください、今年の5月のお祭りのときです。

 しかし、とても暑い夏にとても暑い踊りをして毎日くたくたになりました、でもとてもすがすがしい気持ちになって夏を走り抜けたという感じです。

 

 


桑の葉っぱは面白い

2007-08-13 10:47:21 | 葉っぱ


 クワといえば、お蚕さんの餌で有名ですね、そのほか「クワの葉茶」として葉っぱを煎じてお茶にする、桑の実はおやつとしてもいいです、それからネムノキやカツラの葉っぱと同じようにお香の材料にする、私としては桑の木を家具や木工品にするので身近というか大切な樹種のひとつになっています。
 こう考えてみると桑の木は身近に有って人に役立つ木なんですね。

 今回はその桑の葉っぱの面白いところを見てもらいます。
あ、その前に、クワといっても代表選手を見てみると今回見てもらう「ヤマグワ」と「マグワ」が有ります、葉っぱだけで違いを云々するのは難しいですが、ヤマグワの葉の先端が尖っているのに比べマグワは丸い、マグワの葉はテカリが有り少し厚ぼったい、こんなところでしょうか、そのほかにも実や花などで違いが分かるようです。

これはオーソドックスタイプです

これもクワの木の葉、3裂しています、
同じ木で単葉と三裂葉が有るというのはほかの樹種にもあるようですが

これもクワの葉、5~6裂しています

嘗状葉、つまり手のひらのような葉っぱにも見えます

これらもクワの葉っぱ

終わりに変わったデザインのやつを観てください
これらの葉っぱは全部同じ固体、つまり一本の木についていたものです
不思議の現象ですね。


シナの木

2007-08-09 18:03:21 | Weblog


 こうやって観ると何の木だかわかりませんが『シナの木』なのです、こちらでは「マダノキ」とか「マンダノキ」と呼んでいます。山に入ると「マンダ沢」なんていう地名があったりします。
 以前にも書いたと思いますが、このシナの木は昔の山の生活には大変役に立ってきた樹木なのです。
 たとえば、その木の皮を使ってハバキを作ったり、縄にしてさまざまな生活民具に利用されたりしました、その材では障子の桟などを作りました。またラワンベニヤでない表面が白くて綺麗な「シナベニヤ」はこのシナの木を表面に使っています。

 ちょっと映りが悪いのですが、葉っぱの下にヘラと実がついています、花の時期もいいですが、今の時期もとてもいいです。
 この実を数珠にしたという話も聞いたことが有ります、だからお寺には一本ぐらい植えてあるらしいです。

特徴的な葉っぱです


原木市場

2007-08-07 14:56:27 | 巨木・古木


 先日急ぎで盛岡に行く用事が有って4号線を避けていつもの山沿いの道を車で走りました。毎度のことですが、途中煙山というところの原木市場を覗き何時もの様にため息をついてきました。

ケヤキですね

これもケヤキです、1m50はありました有るところには有るもんです

 このケヤキは岩手と秋田を結ぶ仙人峠の入り口あたりにドカンと居座っている生きているケヤキの大木です。このケヤキが切り倒されることは今のところないとは思いますが、原木市場に有ったケヤキがどんな所に有ってどんな風に切り倒されてここまで連れて来られたのか、、、、。

ケヤキの若葉

 この木は『セン』と名札がついていました、栓=セン=ハリギリですね、こんなに太くなると幹のほうにはほとんど棘が見られませんね。

これが2~3歳の幼木、タラノメに似ていますね、食べられます。
ハリが痛そうです。

葉っぱはカエデによく似ていますが良く見るとだいぶ違います

 これはタモと書いてありました、タモというと『ヤチダモ』や『アオダモ』がありますがこの様子だとヤチダモであろうと思います、家具などの世界ではタモといえばあれだなという風に木目とか色とか加工のよさはどうかなど材料としての見方で納得します。ちなみに材料のタモは木へんにほとけと書きます。

これは道路沿いのお庭にそびえているヤチダモの大木です

その他にも沢山有りましたが、これは『エンジュ』です
建築の世界では床の間の柱などに使われています
外の白と中の黒がとても綺麗な材料です。

ため息をつきながらシヤッターを切っていました
どんなため息だったか?


家の周りの実のなる樹木

2007-08-05 22:32:32 | Weblog


 暑い夏がつづきそうですが、涼しくて美味しいものが沢山取れる秋の前触れのような実のなる果実が成り始めています。

ハシバミの実です、まだまだですね。

アケビまだまだ青い

カリンに間違えられるマルメロ、今のうちは表面に毛が生えていま

たわわに成ったといっていいサルナシ、植えたものです

ブルーベリーはそろそろ黒くなって食べられそうです

マタタビの実、虫えい果です

サルトリイバラの実、お花の材料となる

春先黄色い花が垂れ下がるキブシの実です

ウルシにも青い実がなっていました、これは食べれません。
まだまだ、実がなる樹木は沢山有りますが、この辺でとりあえず、、、