イーハトーヴ里山の樹木ウオッチング

岩手県の北上山地に住まいする私が四季を通してイーハトーヴの里山の樹木と自然と生活をウオッチング。

野原を歩いたらこんなものを拾いました

2006-11-24 11:14:24 | Weblog

 

 このキクラゲのような物は何でしょうか?近くを見渡せばすでに葉を落とした「ヌルデ」の樹がありました、「そうするとこれがあの伍倍子という奴か!」と思いついて持ち帰りパチリ!
 五倍子とはヌルデの葉にできる虫えい、つまり虫が寄生して出来たものだそうです、虫の名前は「ヌルデノミミフシ」です。

 これがヌルデノ葉っぱです、葉軸に翼が有るのが大きな特徴です。それから五倍子のことを(フシ)と呼んでいる所からヌルデ=フシノキ、だそうです。
 この木は「ウルシ」の仲間で紅葉もウルシ同様赤くてよく目立ちます。
 2005年9月10日の書き込みを見てください

 ウルシの仲間には、本家のウルシ、ヤマウルシ、ツタウルシ、それから関東以西にしか自生していないと言われる、ハゼノキとヤマハゼがあります。

 上の写真は、漆掻きをした痕跡が見られるウルシの木です、私の家に近くにはこんな樹がちょっとした林や沢沿いに何本か見受けられます。
 全体像が分かる写真が無いのですが、ヤマウルシとは明らかに違うのが分かります。

これがウルシの冬芽です。

 私が何時ものぞいている「このきなんの樹」というHPの掲示板で宮城の人が私にはウルシのように見えた木の写真を投稿して、皆さんに答えを求めていました。
 回答する(そのHPにアクセスしている)人たちは案外関東以西の人が多く、「ハゼノキではないか」という意見が大勢を占めていました、私はつい気になって「サトウルシ=ウルシではないでしょうか」と投稿してしまいました、その結果、皆さんを撹乱してしまい様々な意見が掲示板上に書き込まれ、私も楽しくなって冬芽の写真とか樹肌の写真などを投稿していました。
 結果的には、宮城の人が貼り付けた冬芽の写真や中国地方の人が貼り付けた写真、またHPの管理人(樹木の本など書いている人)の意見など比較検討してハゼノキということになりました。
 私も納得したのですが、面白かったのが、私みたいに北の人間にとっては「ハゼノキ」は見た事がないし、西の人は「ウルシ」をあまり見た事がないので日本各地からの情報をあわせると面白いことになるのだなーという事でした。
 それから常識になっている植生地域は「概ね」そうゆう事だということで、西の物がどんどん北に上がってくる事もあり、無いはずの物が植栽されて逃げ出して野生化することもあり、決め付けは駄目だなという事を確認した次第でした。
 「ハゼノキ」を見た事が無い!という私の感覚も案外決め付けで見てはいるが確認していないのかもしれないのかも、、、、。


北上川珊瑚橋際のツキの木

2006-11-22 18:31:57 | Weblog

 

 北上川にかかる珊瑚橋の際、上流30mほどの川縁にあるツキの木。
 きたかみ巨木の会の調査によれば、樹齢350年、樹周4,45m樹高25mとある。

 私にはいま一、ツキだかケヤキだか、立ち木を見ただけでは分からない、というのが正直なところです。ツキとケヤキについては少し前に書いているのでこちらを見てください。

かつてこの付近は堤防も無く、川岸には多くの立ち木が見られたと伝えられている。このツキの木はその中でたった一本だけ残ったといわれているそうです。


(珊瑚橋)

明治41年にかけられた木の橋は、いまの珊瑚橋とこの木の間にあったそうで、それ以前は渡し舟が行き来していたという事です。

八重樫良暉さんの執筆している「いわて樹木百景」には「かって北上川を行き来するひらた舟を目の前にして、川岸の繁栄を見つめてきたものであろう」と有ります。
末永く生きて残ってもらいたいものです。

かすかに残った葉っぱです、ケヤキの特徴そのものですねー。

 


初雪

2006-11-15 18:41:26 | Weblog


 今日というか昨晩というか夜のうちに雪が降りました、今年の初雪です。
 昨年もだいたい同じころ初雪となりました、すぐ融けて、と思ったら降りつづいたのでした。今年はどんなもんだろうか、まだまだ雪の対策が出来てないんだけど。

左の長い屋根が鶏小屋で上の奥の方にちょっと見えるのが家具製作の「大和久工房」です、真ん中に伸びている木がハリギリ(センノキ)です。

家の裏のコナラを中心にした林ですがまだまだ紅葉した葉っぱが落ちないで多く残っています、こんな形で大雪が降ると木の上に雪が沢山積もって枝が耐えられなくなってボキボキ折れてしまいます、随分前になりますがそんな事がありました。

家の近くのちょっとした峯境からはるか北上川を越えて奥羽山系を望む。

ブナの苗

キャベツと白菜も雪の中、撮影者も映っています、初雪はやはりなんといっても大イベント、エンターテイメントなんですね、調子に乗ってバシャバシャシヤッターをきってしまいました。
昨年の12月3日のブログ、同じような事を言っています良かったら観てください。


ノブドウがとても綺麗でした

2006-11-13 18:30:37 | Weblog


 時雨れて、大風が吹いてようやく付いていた葉っぱがほとんど散ってしまいまいした、そんな時期が一番綺麗に見えるノブドウです。
 前の年のノブドウ2005年8月25日はこちらを見てください
   〃  ノブドウ2005年9月4日はこちら 
   〃  ノブドウ2005年9月15日
   〃  ノブドウ2005年9月21日

 朝仕事に鶏小屋のあるところに行くと桑の木に絡みついたノブドウが朝日を浴びて輝いていました、宝石のようです。

 

 

ツルの下には沢山のノブドウの実が落ちていました、
そのうち知らず知らずのうちにすべてが落ちてしまうのですね。
季節は確実に冬に向かっています。


風がふいて葉っぱがだいぶ落ちてしまった

2006-11-10 20:14:25 | Weblog


 この間の低気圧で大風が吹いて木々の葉っぱがだいぶ落ちてしまいました。残った葉っぱが青空にきらきらしてとても美しい、お天気がいいと気持ちがゆったりしますね。
 そんななかでも残った葉っぱでとても綺麗に黄色く黄葉した奴を紹介しましょう。

 ウコギ科のタカノツメです、ウコギ科にはウコギのほかにタラノキやハリギリ(センノキ)それから山菜としてタラノメに負けない人気があるコシアブラがあります。
 タカノツメ=鷹の爪の名前の由来は葉が落ちて冬芽だけになった枝先を見ると一目瞭然です、それこそ鷹のあの鋭い爪のように見えるので名前が付いたようです。

 葉っぱの付き方は見ての通り「三出複葉」です、よく似たものでご存知コシアブラは「五出掌状複葉」なので見分けが付きます、難しく書いてしまいましたが3枚の葉っぱか5枚の葉っぱかの違いといってよい(ちょっと乱暴かな)といえます。

分かりずらいですが上の写真がコシアブラです、そろそろ散ってしまいそうですが、薄い黄色が日に透けて綺麗なんですが写真があまり良くないですね。
タカノツメとコシアブラ、大体同じような環境に生えていますので今度見比べて見て下さい。


欅と槻

2006-11-08 18:31:26 | Weblog


 欅は日本の代表的な広葉樹、山野に自生するほか街路樹や公園樹としても広く植えられています、材料としても寺社建築や家具木工などの材料としても広く使われています。
 私は、欅材はあまりにも値段が高いのでほとんど使いません、業者の間では投機の対象にもなっているようなところもあり、そんな事からも好きではありません、でも大変素晴らしい木材ということは確かです。

 上の写真は岩手と秋田を結ぶ「和賀仙人」の山道に入るあたりに堂々と枝を広げている欅です。(昨年の春に撮ったものです)
 さて本題に入りますが、「ホン欅とニセ欅がある」という話を聞いたことがあるでしょうか、ニセなんて嫌な呼び方ですがそういう人が結構います、よくよく聞いてみるとニセ欅とは槻欅(ツキケヤキ)の事だそうです。
 山と渓谷社の「日本の樹木」を見てみますと、槻(ツキ)は欅の別名というふうにあります、別名の事には何も触れていないので詳しい事は分からないのですが、私が尊敬している 八重樫 良暉 さんが執筆している「いわて樹木百景」には次のようにあります。

 植物学的にはケヤキの変種として扱われているが、材を見ない事には見分けがはっきりしない、藩政末期の盛岡藩の山林奉行であった栗谷川仁右衛門著「山林雑記」(一八四二年)によると、「ツキは弓の木ともいう、材の色は黄色で、ケヤキの材は赤である。
 春ツキは青く、ケヤキは赤く芽吹く。立ち木で見分けるのは難しいが、夏の炎天に見分けようがある。夏の日照りにケヤキの葉は両端が上に反り上がって、中央にくぼみを生じる。ツキの葉は平らで両端が反り上がらないので、これで見分ける」という。
 またある材木屋は、立ち木の容姿を見て、枝がほうき状に斜め上方にすんなりと伸びているのがツキで、枝がやや横に水平に伸び、枝の付け根がやや膨らんで立ち木の容姿がなんとなく無骨に見えるのがケヤキであるという。
 近寄って樹肌を見ると、ケヤキは白っぽくささくれ模様があり、がさがさしている。枝の皮をはいで折り曲げると強靭でしなやかであるともいう。
 このように昔からその区別に苦労したようである。ツキは別名青ケヤキとも称されるが、ツキの語源は強気の略とか、又ケヤキは特に際立って目立つ木という意味からきているそうである。

 という事ですが、立ち木では区別がなかなか難しいという事なんでしょうね、確かに欅の材料には赤いのと黄色いのが有ります、そしてその値段も大きく違うようです、なんにしてもケヤキとツキの樹の違いを確かめたくなってきました、上の写真のケヤキも実は違うのかもしれませんから。
 北上市を流れている北上川の川岸に目通り直径140センチもあるツキの木があると同書にありますので確かめにいってきます。

ケヤキ(?)の葉の紅葉

写真の渓谷は家の近くの「龍宮一」というところなんですが、昔「風の又三郎」
という映画を撮った時に使われたという話を聞きました。
こんな所にというほど何気なくいい風景があります。


青森県の弘前にいってきました

2006-11-06 19:37:36 | 


弘前といえばリンゴと岩木山でしょう!

 暖かい気候だったので少しかすんだ岩木山でした、一面のリンゴ畑は観光林檎園です、私の住んでいる江刺もリンゴでは結構有名ですが弘前はなんか規模が違うように感じました。
 何しに行ったかといいますと、鶏の仲間が年に一度何はともあれ集まっていろんな話をしようという会に行ってきたのです。
 といっても私のような小規模な「自然卵養鶏」を生業にしている人たちの集まりなのです、それも東北の仲間だけですからこじんまりとしたものです。
 ところがいざ交流会ともなれば、鶏と同じく放し飼い状態、一年の間ためていた話しがドット右から左から収拾がつかない状態?
 今回は「津軽と南部の確執」が一部の人の間でテーマになっていました、今の県境で人は区切られないという話なんです、面白かった。岩手県でも伊達と南部の話を聞きますが同じようなものでしょうか、他所から来た私には良くわからない事でしたが。

弘前城の桜並木

 岩木山と林檎園の次は弘前城の桜並木です、さくらの紅葉もとても良いものです。春の花の時期とは違った華やかさがありました。

サクラの葉っぱ

こちらはシダレザクラの黄葉

観光案内ではないですが弘前城の天守閣です

 何処に行っても木が気になって、ついついカメラに収めてしまいます、こうゆうのをキチガイというのでしょうか。


今年の秋はよい天気が続きます

2006-11-03 20:39:22 | 生活


 今年の秋はほんとによい天気に恵まれています、薪の準備も着々と進んでいるし、畑もぬかるまないし、、、しかしこんな時には後が怖い、といつも今の幸せを疑ってしまうものです。

リンドウ

 野生のリンドウです、ゆっくり歩いたおかげでこんなに可愛いリンドウを見つけることが出来ました、田舎に住んでも結構車に乗る機会のほうが多くて、足元のこんな自然を見落としているのですね。急ぐ事はないのだからゆっくりゆっくり。

何の葉っぱだか?

霜が下りたあとのノブドウは縮こまったようです。

これは柿の実の皮です、こうやって干したものは漬物に
こんなことができるのもカラッとした良いお天気だから出来ます。

さて、初雪はいつ頃になるのでしょうか?


マツブサの紅葉

2006-11-02 18:27:18 | Weblog


 車を走らせながら道道「ツリーウオッチング」、あまりに天気がよいので、、、そんな時には歩くようなスピードで、でも良くないですね。
 木漏れ日の中変わった紅葉を見つけました、「マツブサ」です、残念ながら実はついていませんでしたが確かにマツブサです、松脂のような匂いがするので「松房」だそうです、別名はウシブドウ、うしがたべるからなのかなー、、、。

アップです、結構綺麗です。
以前にマツブサをアップしているので見てください

これが青い実です、秋になると青黒くなって美味しそうになります。
ところがほとんどの人は食べません、確かに美味しいというものではありませんが
焼酎漬(果実酒)けにすると良い色が出て香りもよく私は好きです。
今年は実がついているのに出会いません、残念!