モロ師岡さんのお芝居を観にシアターサンモールに出かけた。
「雷ストレンジャーズ」というプロジェクトによる「ブラウニングバージョン」という作品は、典型的なまじめ系の現代演劇で、残念ながら楽しめなかった。
けっして作品の出来がわるいとか、お芝居が下手とかではない。ふだん、楽しい系、ハチャメチャ系しか見てない自分にリテラシーがないのが一番の原因だ。
ただ、いかにも演劇ですよ、というようなこんなお芝居を今もやってるんだなとは思った。
お芝居としてあまりに型にはまりすぎてないかと。
内田樹先生の対談本に、「いまロックは伝統芸能になってる」というお話があって、なるほどと思った。
~ あのさ、「これがロックンロールだぜ」っていう型があるんだよ。1956年に始まって、59年には完成を見て、ジャンルとしてはその時に終わったわけだから、21世紀にロックやってる人って、ある意味で伝統芸能、無形文化財の保持者なんだよ。歌舞伎役者と同じで、ロッカーならこういう立ち居振る舞いをせねばならないという決まりがあるの。 (内田樹・名越康文・橋口いくよ『本当の仕事の作法』メディアファクトリー) ~
このお芝居なんか、まさに型そのものかなって。
クラシック音楽も同じような意味で伝統芸能になっているのは言うまでもない。
吹奏楽は、最初から伝統芸能ぽい雰囲気はただよっているけど、ジャンルとして今後どうなっていくのだろう。