日テレのドラマ「明日、ママがいない」が話題になっているようなので、録画してあったのを観てみた。
いわく「あんな児童養護施設はない、非現実的だ」。いわく「赤ちゃんポストに捨てられた子どもをポストと呼ぶなんて、どういうつもりだ」。いわく「こどもはペットじゃない」。
なるほど現実的じゃないかな思えるところはあった。
中心となる4人の女の子が、あまりにかわいく、小綺麗で、はきはきと話すことができ、自分の感情を出せる子たちだったことだ。
全国の小学校低学年から任意に選ばれた4人が、あんなビジュアルになることはまずないと思うのだが、そこは誰もつっこんでいないようだ。養子縁組のコーディネーターに木村文乃ちゃんというのもない。鈴木砂羽さんが「ほか弁」屋さんにいたら、クリプレのボーカル三浦くんじゃなくても毎日行くでしょ。砂羽さんも、きっと今後重要な役どころになってくるにちがいない。
たとえば、映画「桐島、部活辞めるってよ」には、橋本愛、山本美月、清水くるみ、松岡茉優といった女子高校生が登場する。「明日ママ」オツボネ役の大後寿々花ちゃんは吹奏楽部でサックスを吹いていた。そんなクラスあるわけないよね。
彼女たちが話し、笑い、悩み、泣き、喧嘩する様子は、でもリアルだった。
ストーリーや設定のリアリティも、それと同程度に非現実的で、同程度にリアルにつくられているのが、映画やドラマだから、設定そのものを批判するとなると映画やドラマは成り立たない。
あのドラマに描かれた施設が、現実そのままの姿だと思う人はそんなにはいないだろう。
一方、あくまでも架空の施設ではあるながら、その様子も、そこでされている会話にも一面の真理はあると自分には思えた。
架空の設定、あり得ないような登場人物を設定しながら、そこにリアルな人間の姿を感じさせるという意味で、テレビドラマとしては秀逸な作品だと感じた。
「番組の影響で、施設の子がいじめられたらどうする」という声もある。
あるかもしれないね。でも、それは番組のせいではない。
その子の問題だから、われわれ教員と親御さんとが、がっちり指導すべきだ。
そういうことする子は、この番組とは関係なく問題をおこす子であるとも考えられるし。
「ポストというあだながひどい」と批判する人は、ストーリーを読み間違えていることもわかった。
これも読解力をつけてあげられなかった学校教育の責任だろう。
施設を運営する三上博史のセリフが「ひどい」っていうのもあったけど、うそでしょ。
三上博史めちゃめちゃいい人じゃん。なんで読み取れない人がいるのだろう。
そのへんの謎をとくために、続けて観てみようと思う。