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水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

普通の主婦だった私が

2013年05月21日 | おすすめの本・CD

 『普通の主婦だった私が50歳で東大に合格した夢をかなえる勉強法』がおもしろかった。
 「普通の主婦」というには、ちょっと条件が整いすぎの方かなと思ったけど、それでも50歳にして東大を普通に受験して合格するのはすごい。
 この方は、高校三年のとき京大を受けて不合格になり、一浪後、そして二浪後と東大を受験されたが不合格になって早稲田大学に進学している。
 それから数十年経って合格したのだから、若い時より学力があがったということになる。
 今の高校三年生の学力が三十年前と比べてどうだろうという疑問はあるが、人間の可能性を考えるうえで、夢がふくらむ。
 十代の頃、どうがんばっても100メートルを10秒台では走れなかったけど、50歳で再チャレンジしたら達成した … 、ということはおこらない。
 でも知力の面では、10代の脳にかなわないということはないのだ。
 ある意味当然かもしれないな。
 自分のことをふりかえっても、中身はほとんど成長してないとはいえ、経験だけはいろいろ積み重ねたから、何をしたら失敗するかの予想はけっこうできる。
 勉強の仕方も今なら大分わかってきたし、何にお金と時間をかけるべきかもわかる。
 齢を重ねれば、ビジュアルの老化はしかたないにしても、中身は今のところ思ってたほど劣化してないかもしれない。あ、暗記はだめか。やっぱこの方えらい。
 安政氏は言う。


 ~ 失敗を恐れて挑戦をやめてしまうのはとてももったいないことです。挑戦しないかぎり、成功はありません。
「自分にできるだろうか」
「本当は向いていないのではないか」
 そんな不安におそわれたとしても、まずははじめてみることです。私の好きな言葉に、「成功はプラス1、失敗はプラスマイナス0」というものがあります。
 失敗してもマイナスにはなりません。もしあなたが何かに興味を持ったのなら失敗を恐れず、挑戦してみましょう。(安政真弓『普通の主婦だった私が50歳で東大に合格した夢をかなえる勉強法』朝日新聞出版) ~


 ひょっとしたら、失敗もプラスになるんじゃないかな。
 今まで数々の失敗をしてきたのはまちがいないが(みなさまもそうですよね)、今になってみると、それらが人生の大きなマイナスになっているとは、ちょっと思えないので。
 よほどのことでなければ、長く生きてさえいればプラスにかえられるんじゃないかとこの頃思う。


 ~ 若いときほど、「ここで失敗したらすべてが終わる」という気持ちになりがちです。私自身も、18歳のときに京大の文学部と早稲田大学の第一文学部に、19歳と20歳のときに東大の文科三類に落ちたときには、この世の終わりのような気持ちになったものです。
 でも、その後入学した早稲田大学では混声合唱団に入り、生涯の友といえる友人たちとめぐり合い、「この世の終わり」どころか「この世の春」ともいえる楽しいキャンパス・ライフを送ることができました。主婦として、母親として、塾講師として過ごした時間にも、後悔はありません。
 若い方であれば、一度や二度試験に落ちたくらいで、どうってことはありません。挽回のチャンスは何度でもめぐってきますし、いくらでもやり直しが利くのです。 ~


 ほんとになあ。若い頃ってなんでせっぱつまってしまうのだろう。
 ちょっとしたことで、思い悩んでしまうのだろう。
 その一方で、何の努力もしないで、いつか希望はかなうと思ってみたり。


 ~ そして社会人の方であれば、仕事の実績や家事や子育ての経験など、すでにこれまでの人生で培ってきたものがあるはずです。新たに何かに挑戦し、たとえ、それが上手くいかなかったとしても、そのことによって、これまで積み重ねてきた人生の価値はいささかも損なわれることはありません。 … 一番もったいないのは、「ダメかもしれない」と思ったまま何もせずに、時間を空費すること。
 「プラス1」を目指し、まずは何かをはじめてみませんか? ~


 受験勉強をはじめて、どうしても行き詰まったとき、少しお酒をのんで寝てしまってすっきりしたという記述があった。大人になって受験勉強すると、そういうストレス解消法もある。
 そんなのも含め、勉強の具体的方法もたくさん載っていた。
 とくに目新しいものがあるわけではないが、なんていうか「生活している人」のフィルターを通って残った、現実的なものばかり書いてあると思える。
 勉強法の本には、あまりにマニアックな技法が書いてあるものも目にするけど、これほどバランスよくいろんな所に目が行き届いているのもめずらしい。
 軽い気持ちで読み始めたけど、とちゅうから赤線ひきまくりになり、学年だより数回分のネタを思いついてメモした。なんとコスパの高い本だろう。さらに同時に受験された次男とのくだりは、泣いた。
 ええ本ですわ。

コメント (2)
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