Weekend Strummer

ウィークエンド・ストラマー。
世間知らずのオジサンが脈絡無く語る、ギター・アフリカ・自閉症。

ケニヤ山に登るぜ。

2015-02-10 01:39:40 | ケニヤ

先月末にケニヤでの任期が満了して日本に帰国しました。
久しぶりの日本の冬。今年が特別寒いのか、それとも加齢のせいで低温に敏感になったのか、とにかく寒さに驚いております。

 さて、ケニヤ山の話。

 豚肉を焼いて食べる通称「ブタチョマ」はとてもおいしくて、ケニヤでの私のお気に入りでありました。エンブの「ポーク・チョマ・センター」では新鮮な豚肉を炭火で焼いてくれます。250グラムあたり100シリングという、わかりやすいお値段。山羊のニャマチョマに比べて素直なおいしさがあって、肉質も柔らかい。
強い酒が良く合う食べ物なのに、どういうわけかお店に酒類は置いていない。だけど持ち込み自由なので、ブタチョマをつまみに、私は好物のバーボンをストレートでやる。
昨年12月、日本人の若い友人たちとブタチョマ食べてバーボン飲んで楽しくおしゃべりしていた時、彼らが総勢12人でケニヤ山の第3峰(レナナ・ピーク、4985m)に登る計画をしている、ということを知り、過去2回の登頂経験(24歳の時と30歳の時。いずれも若く、気力・体力ともに今の100倍くらいあった頃のハナシ)を持つオジサンが自分の体験談を面白おかしく話していたら、いつの間にかノセられて一緒に行く羽目になってしまった、というのが前回までのあらすじです。

一緒に登ることになった、とは言っても、御年54歳のシオシオのパーのオジサンが、親子ほどの年齢差がある若者たちと同じ行動を取れるはずがありません。でも、若い人が多い分、もし高山病でズッコケても助けてもらえるかもしれません。なんか甘えるようで悪いけど、もともとオジサンをおだててノセたのはキミタチなんだかんな。責任とれよな。

まな板の上でカットされるブタチョマ。全体的に茶色い画像であります。

さて、ケニヤ山に登るには数多くのルートがあります。今回選んだのは北西側から登る「シリモン・ルート」。アプローチには長く緩い傾斜が続き、しかし最後は急登、という、ジジイに優しいとは言えないルートであります。
レナナ・ピークに登頂後はより緩やかに下る「チョゴリア・ルート」を選択し、東側に抜ける予定です。

12月30日、早朝。老若男女のワジャパニ(日本人)は、マタトゥを2台借り切って登山口まで移動します。エンブとシリモン・ルートはケニヤ山を間に挟んで、ほぼ反対側に位置しています。途中、登山道具を借りたり、食料を調達したりして、ゲートに着くまでおよそ半日かかりました。

マタトゥの中で、若い友人が「道中お腹が空くんじゃないかと思ってオニギリ作ってきました」と、差し入れ。
「おー、気が利くじゃん。具はなに?」
ウガリです」
…こういうボケにいちいちひるんでいちゃ、若いヒトタチとはつきあえません。一口食べて大げさにリアクションを決めよう、とパクリとやったら中身は「ゆかり」(しそフリカケ)。加老で単に耳が遠くなって聞き間違えていただけ、と気づいた時の衝撃。

 

午後1時頃、ようやくシリモン・ゲートに到着(標高2650m)。ケニヤ山周辺は国立公園になっており、外国からの観光客は高額な入山料を支払わなくてはなりません。しかし我々はケニヤ在留邦人。労働許可証を持っているので、ケニヤ人と同じ額で入山できます。だからすごく安く済むんです。


シリモン・ゲート。ここでお昼を食べて一泊目のオールド・モーゼズ・キャンプまで、およそ3時間の行程を歩きます。


空は青く、傾斜は緩やか。ご覧のように普通自動車でも走れそうな道ですが、わざわざ歩いて登ることで高地順応を狙います。
歩いていると、道端に「ここが赤道」なんていう看板があったりして、そしてみんなで記念撮影したりして。穏やかな午後のハイキングですが、実はオジサンはすでに少々息苦しい。

そして3時間後、ようやく着いたオールド・モーゼズ(標高3300m)。あー、くたびれた。
ここではソーラーパネルで発電・蓄電して、夜もLEDランプで照明可能。なんとトイレは水洗です(!)。しかもスマホでインターネットにもアクセス可能。山小屋も便利になったもんです。正直言って、ちょっと興ざめ。

小屋の裏にあったベンチに腰かけて周囲の景色を眺めます。背後の山はテーブル・マウンテン(仮称)。日が傾いてかなり寒くなってきています。防寒のため、ジーンズの下にパンストを着用しているのは外から見ているだけでは絶対にわからない(それなのに、ウケを狙って白状してしまう私)。
翌朝から、本格的な山道を登り始めることになります。

(この項、さらに続く)

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