巨石建造物というとピラミッドとかマチュピチュなどが有名ですが、ラオスにもあります。ラオスの中部、メコン川に面した町・タケーク(Takhek)周辺に巨石で築いた石垣があるんです。
国道をドライブしていると時々見える石垣。だいぶ崩壊しており、草木に埋もれるようになっておりますが、明らかに人工的なものであり、目を惹きます。近くに行ってみましょう。
他の巨石建造物でも語られることが多いですが、このまっすぐな断面、どうやって加工したんでしょう? 積んだ後に磨いて平らにしたんですかね? 雨で浸食されているところを見ると、比較的柔らかい石材なのだろうと思われますが、それにしても水準器で計ったようにきちんと仕上げるというのはかなりの技術です。
更に、積み上げた上下の石の間に隙間がないということは、上の石の下側も同様の加工がなされているはずです。ということは表面加工した巨石を持ち上げてひっくり返すように積み上げているわけで、重機など存在しない時代にどんな知恵を使ってこの仕事を成し遂げたのか。昔の人はすごい。こういうものを目の当たりにすると前時代文明の存在を信じたくなってしまいます。
たぶん1000年以上前の建造物で、一説にはタイからの攻撃を防ぐための防壁であったと言われております。もしかしたらメコン川の氾濫を恐れてこしらえた堤防だったのかもしれません。詳細がわかればもっと面白いのに、残念ながら本格的な学術調査が行われていないようなんです。こういう遺跡の類にはすべからくある程度の学術調査が行われているはず、と想像していたのですが、意外です。門外漢ではありますが、たぶん考古学上貴重なものであるはずです。それなのにこの石垣は、ある部分では国道建設のために分断され、あまつさえ民家に近いところでは洗濯物が干されていたりして、ふさわしい扱いを受けていないように思えます。
でも、そんな風にこだわらないラオスのヒトタチが、私は大好き。