Weekend Strummer

ウィークエンド・ストラマー。
世間知らずのオジサンが脈絡無く語る、ギター・アフリカ・自閉症。

巨石建造物・タケークの石垣

2012-08-18 12:00:03 | ラオス

巨石建造物というとピラミッドとかマチュピチュなどが有名ですが、ラオスにもあります。ラオスの中部、メコン川に面した町・タケーク(Takhek)周辺に巨石で築いた石垣があるんです。

国道をドライブしていると時々見える石垣。だいぶ崩壊しており、草木に埋もれるようになっておりますが、明らかに人工的なものであり、目を惹きます。近くに行ってみましょう。

他の巨石建造物でも語られることが多いですが、このまっすぐな断面、どうやって加工したんでしょう? 積んだ後に磨いて平らにしたんですかね? 雨で浸食されているところを見ると、比較的柔らかい石材なのだろうと思われますが、それにしても水準器で計ったようにきちんと仕上げるというのはかなりの技術です。

更に、積み上げた上下の石の間に隙間がないということは、上の石の下側も同様の加工がなされているはずです。ということは表面加工した巨石を持ち上げてひっくり返すように積み上げているわけで、重機など存在しない時代にどんな知恵を使ってこの仕事を成し遂げたのか。昔の人はすごい。こういうものを目の当たりにすると前時代文明の存在を信じたくなってしまいます。

たぶん1000年以上前の建造物で、一説にはタイからの攻撃を防ぐための防壁であったと言われております。もしかしたらメコン川の氾濫を恐れてこしらえた堤防だったのかもしれません。詳細がわかればもっと面白いのに、残念ながら本格的な学術調査が行われていないようなんです。こういう遺跡の類にはすべからくある程度の学術調査が行われているはず、と想像していたのですが、意外です。門外漢ではありますが、たぶん考古学上貴重なものであるはずです。それなのにこの石垣は、ある部分では国道建設のために分断され、あまつさえ民家に近いところでは洗濯物が干されていたりして、ふさわしい扱いを受けていないように思えます。

でも、そんな風にこだわらないラオスのヒトタチが、私は大好き。

 

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キャラクターとしての親

2012-08-12 20:37:00 | 映画の話

ツツイ・ヤスタカの短編小説「革命の二つの夜」では、子供の性別による親のキャラクターの変化が推理されています。

だいぶ前に読んだ作品なので細部は忘れてしまいましたが、生まれた子が男児であった場合、父親である主人公は息子に対抗すべく攻撃的で猛々しい性格となり、逆に女児の父親になった場合は優しく保護に努める性格となる、というようなストーリーだったと記憶しています。なるほど、そうかもしれない、と思わせる内容ではありましたが、現実では比較ができないことなので、実際に子の性別が親の性格にどのように影響するのか、わかりません。

ただ、映画や小説に脇役として登場する子役の性別は、その作品の雰囲気やストーリー展開に大きくかかわってくることも多いと思います。

例えば、西部劇の古典的名作「シェーン」では、主人公シェーンにあこがれるジョーイという男の子が重要な役割を演じていますが、もしもあの子が女児だったら、かなり印象の違う映画になっていたのではないかと思います。

母親とシェーンの淡い恋心を、少年ジョーイは傍観していただけですが、もしもこの役が少女という設定であったとしたら、何らかの形で二人の間に介入していたんじゃないか、と思うんです。もしかしたら嫉妬心とかで。

「刑事ジョン・ブック」や「DRIVE」など、この作品は何度もリメイクされておりますが、どの作品でも子役はやはり男児です。女児だとストーリーそのものが成り立ちにくくなってしまうのではないでしょうか?

また、俳優独自が持つイメージというのもあります。

アーノルド・シュワルツェネッガーが、その出演作で父親役を演じる場合、子は娘であることが多いように思えます(全出演作品を見ているわけではないので、あくまで私個人の印象ですが)。似たような肉体派キャラクターを持つシルベスター・スタローンは、逆に息子がいるイメージが強い。

前述のツツイの説によると、女児の父親であると設定することで、劇中のシュワルツェネッガーは強いだけでなく優しさも併せ持つキャラクターとなりますし、男児の父であることが多いスタローンは保護するタイプではなく、攻撃力に特化したキャラクターを強調できます。

ドラマ『大草原の小さな家』で父さん役を好演したマイケル・ランドンなんて、私生活でも子供は娘しかいないだろうな、絶対。ま、これは作品のイメージが強すぎてそう思い込んでいるだけですが。

かくいう私めは女児の父親であり、その娘は重度自閉症児であります。ですから私は、もんのすごく優しくて一生懸命保護に努める性格・・・かどうかはわからないー。

 

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原始のラオハイ

2012-08-04 03:09:30 | ラオス

もっぱら蒸留酒のみを楽しむ男であります。

ビール・日本酒・ワインなど、醸造酒一般はアルコール以外にいろんなものが入っているような気がして(実際入っているわけですが)、純粋に楽しめないんです。酔い方も、ガツンと来る蒸留酒の迅速かつダイナミックな酔い方でなく、穏やかに緩やかに徐々に緩慢にやって来る醸造酒の酔いは生酔い状態が続くようで、助走が長くて飽きてしまうんです。また、飲んだ翌日にあまり響かない蒸留酒の酔いに対して、醸造酒の二日酔いはかなりしつこく、たちが悪い。

というわけで、あまり醸造酒には馴染みのない私ですが、ラオスで飲んだラオハイはすごく印象深いお酒でありました。

ラオハイは甕(かめ)に入って売られています。甕ひとつ、300円くらいだったかと記憶しています。

粘土で密閉された蓋を崩さないように慎重に取り除くと、縁まで詰まっているのは砕いた稲籾(もみ)。製法を想像するに、生の稲モミを砕いて酵母を混ぜ、泥で蓋して空気を遮断。そのままじっくり寝かせて発酵させる、と。作者のこだわりまるでなし。ほとんど手をかけず、できるだけ大雑把に作りました、というような、まるで原始時代のお酒のようです。

露出した稲籾中央部分に水を注ぎます。この水に生米発酵過程で発生したアルコールが混ざり、飲料可能となるわけですね。

たっぷりと水を注いだら、籾の真ん中に割り箸などで穴を深く掘っていきます。甕の底近くまで深く。で、そこにチューブやストローなどを差し入れて、口で直接吸うんです。んもー、他に飲み方ないのかよ? と訊きたくなっちゃうかも知れませんが、ないんだよ。

かなり強いお酒です。強さは、どのくらい水を注ぎ入れるかで変わってくるのでしょうけれど。お味は、酒の甘みとともに雑多エキスの味が混ざり、強いけれどまろやか。もしくは、コクが豊富。というかコクばっかし。これこそ醸造酒の味。

全部飲み終わったら、また水を注ぎます。そうすると、その水が酒になってまた飲める。なんかもう、魔法の壷みたいです。アルコール含有量は徐々に減っていきますけどね。でも第2ラウンドに行く頃にはヘロヘロ状態になっているオジサンは、もう何もわからないー。

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