Weekend Strummer

ウィークエンド・ストラマー。
世間知らずのオジサンが脈絡無く語る、ギター・アフリカ・自閉症。

ジャイアント馬場を救出せよ!

2011-02-23 14:33:04 | その他
高校の同級生の一人がプロレスラー・ジャイアント馬場の大ファンでありました。
「大ファン」と言う呼称は充分ではないかも知れません。むしろ「信者」と呼ぶにふさわしかった。なにしろその同級生・ヨシダは、ジャイアント馬場を「馬場先生」と呼んで尊敬していたのです。
我々同級生が日々の何気ない会話の中で「ジャイアント馬場」という単語を発するたび、「馬場先生を呼び捨てにするなー!」と、本気で怒る変なヤツでした。

ある日、彼が顔を腫らして登校したことがありました。左目の周りが青くあざになっており、これは誰が見てもケンカのキズ。血気盛んな男子校でありましたから、みんなで彼を取り巻いて質問攻めにしました。
相手はいったい誰なんだ? と語気荒く問いただす我々に対してヨシダはボソッと、

「ブッチャー・・・」

え? ブッチャーって・・・?

よくよく訊いてみると、彼の話は以下のようでした。
前日、後楽園にプロレス観戦に行ったヨシダは、メイン・イベントのジャイアント馬場対アブドーラ・ザ・ブッチャーに大興奮します。
二人のレスラーが場外乱闘でもつれ合ったとき、ブッチャーの凶器攻撃に額を血で染める「馬場先生のおいたわしいお姿」を至近距離で目撃したヨシダは、我を忘れて憎きブッチャーの背中を蹴りつけたんだそうです。
背後からいきなりヨシダのコーフン・キックを食らったブッチャーはクル!と振り返り、怒りに燃える鉄拳右ストレートを彼の顔面に見舞った、と。

ヨシダを取り巻いて話を聞いていた同級生一同が一気に興奮し、口々に勝手なことをわめきだす。

エーッ、お前、あのブッチャーに殴られたのー? ウッソー! スゲーじゃん! ギャハハー、ヨシダのやつ、ブッチャーに殴られてやんのー! おーい、みんな来てみろよー!
ね、痛い? ねー、まだ痛い?

「・・・すっげー痛い」

ギャハハハ! 痛いんだって痛いんだってー! そりゃ痛いよなー、だってブッチャーに殴られたんだもん! いーなー、チクショーあいつー! ブッチャーに殴られたんだぜー! ギャハハハハ、腹いてー! おいヨシダー、ちょっとこっち来いよ! そのキズよく見せろよ! おー、これがブッチャーが殴った跡かー。やっぱプロは一味違うよなー。おい、誰かカメラ持ってない? みんなで記念撮影しようぜ!

もう朝から大騒ぎ。
その後「どうせ殴られるんだったら誰がいいか」という激論大会となり、ブッチャーならまだいいけどタイガー・ジェット・シンはヤバそうだとか、どうせブッチャーから攻撃されるなら頭突きを体験したいとかの意見が飛び交う。
そんな話題なのに誰かが突然「ファラ・フォーセットに殴られたい」と発言するや、あ、俺もー俺もー、と話がそっち方面にいきなり飛んでしまい、いつの間にかヨシダそっちのけ。
わけがわからない高二の心理。

その後ヨシダは「馬場を救おうとしてブッチャーに殴られたオトコ」として卒業するまでクラス1の有名人になったのでした。
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北朝鮮レストラン

2011-02-20 15:02:07 | ラオス

同じ社会主義国である北朝鮮とラオスは友好国関係にあるようです。
例えば、ラオス国銀行券(お札)はすべて北朝鮮で印刷しているそうですし、ちょっと大掛かりな式典などで披露されるマス・ゲームは、北朝鮮から専門家を招いて指導を仰ぐそうです。

そんなラオスの首都・ビエンチャンに一軒だけ「北朝鮮レストラン」があります。
店内はどうなっているのか、そしてどういうものが食べられるのか、以前から少々興味があったのですが、諸事情を考慮して遠慮しておりました(まさか友好関係にある国で、食事中に突然拉致! なんてことはないでしょうけど、でもヨノナカ何がどうなるかわかんないですもんね)。
今回、妻から「そろそろ行っとくか?」と提案され、成り行きで行くことになりました。
・・・私の警戒心ってその程度なんです。


その名もピョンヤン・レストランです。

店内は思った以上に明るく、奥に小規模なステージとカラオケセットが設えてあります。迎えてくれたのはきれいなウェイトレスさん。
このお店、4~5人いるウェイトレスが全員美人なんです。
以前この店に来たことがあるヒトに聞いたところでは、ショータイムがあって、この美女たちがステージで民族舞踊を披露してくれるんだとか。
オジサンは期待してニヤニヤしちゃう。

お飲み物は? と訊かれ、半分試すような気持ちで、ジンロある? と尋ねてみました。そしたら「ある」って。
でも「ジンロあるけど、北朝鮮の焼酎もある」というので、注文したら出てきたのがコレ。



霊通酒・リョントンスルであります。漢字表記はオカルト的な名前でありますが、口に含むと味はジンロに似て甘く楽しいお酒。アルコール含有率25%。
ちょっと薬品っぽいノド越しがあるけど、ま、酔っちまえば気にならない。

その後も「チヂミ(日式)」というボンヤリした味のお好み焼きを食べたり、豚の三枚肉を焼いてもらって食べたり、ごく普通の食事でありました。
残念ながらいくら待っても民族舞踊のショータイムは始まらず、〆めに「冷麺300g」というのをもらって食べて帰路に着きました。

まぁまぁのお味で、ハライッパイ食べてもお一人様千円強、というリーズナブルなお値段。

また行こう。

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You're still Sweet Sixteen

2011-02-13 17:39:04 | 自閉症
最近の日本では小学生でもダイエット(痩身の意味の)を意識しているそうですが、我が家の愛娘・16歳は「食べる量に気をつけてスリムな体形を保とう」なんて絶対考えません。
オシャレ心が皆無ですし、それに食べることが大好きなんです。
毎朝起こす時なんかすごく簡単です。たったひと言「ゴハンだよ」と言うだけでスイッチが入ってガバ!と飛び起き、食卓にダッシュ。
その食欲があまりにアカラサマで、思わず笑ってしまいます。

何でも食べる元気な子ですが、特に芋類が好きなイモ姉ちゃんです。で、消化が進むと当然ながら放屁します。ところかまわぬブー姉ちゃん。
自宅での放屁は別に問題はないのですが、外出時、特に周りに他人がいるときにやられると、ちょっと慌ててしまう。本人はニコニコ顔ですが、一緒にいる私は周囲に対して作り笑顔で取り繕ったりなんかして。
で、両親が咎めないので、他人がいるところでも「放屁してもいいのだ」と理解してしまっている娘。だから屁こき放題。
だからと言って「他人がいるところではオナラしちゃ駄目だよ」などという教育を試みると、「他人がいるところでは」という条件部分を理解しきれずに一途にオナラを出さずに我慢する方向に行ってしまうと思われ、そうなると健康面で問題が生じるので、止めません。

どうせコクなら笑ってコケ! 
そうすりゃ周りも笑って許してくれるかも知れない。

と、我々両親は開き直っています。
たまに自分でコイた屁も娘のせいにしてないかって?
いや、それはないっスよ、さすがに。落語じゃないんですから。
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You're My Sweet Sixteen

2011-02-10 00:28:21 | 自閉症
我が愛娘はお年頃。16歳の女の子です。
普通でしたらオシャレにも気を使い、どんどんきれいになってゆく頃でありましょう。
しかし我が家の16歳は自分を良く見せよう、なんて気持ちはほとんどありません。思うがままに生きる「巨大幼児」。

オシャレする気持ちがないので、お気に入りの服もありません。毎日、親が選んだ服を文句一つ言わずに身に付けてくれます。
で、基本的にパンツ・ルックばかりです。
スカート姿が見てみたくて着させたこともありましたが、全然似合わない。やはりスカート着用には必要な姿勢というか、それなりの着こなし方というか、そういうものがあるのだと思います。それはつまり、どうすればその服が似合って見えるかという工夫であり、女らしさを培う一種の訓練でもありましょう。
そういう訓練をしていないウチの娘は、スカート着用時にも男らしく(?)外股でズンガズンガと歩く。
こやつにスカートなんて金輪際、絶対に、似合わない。ちぇっ。

「ヒトは女に生まれるのではない。女になるのだ」と言ったのはボーヴォワールですが、なるほど、と実感している父親であります(ちょっと意味が違うかもしれないけど)。
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キャンディの幽霊屋敷

2011-02-05 00:06:55 | オカルト
キャンディのシャーマンのおかげで幽霊屋敷から霊がいなくなった話、続編です。

シャーマンがくれた油でランプを灯すことで、霊の気配が消えました。
こういうのはお礼参りが肝心。きちんとお礼しとこう。
妻と二人で例のシャーマンを訪ね、頭を下げました。

頂いた油で三週間、灯を点しました。おかげさまで気持ちよく生活できるようになりました。

と言ったところ、件のシャーマンは怪訝そうな顔で我々の顔を見比べ、

「旦那さんの家? いーえ、私が感じたのはあなたが住んでいる家にいる霊のことよ・・・」

と、妻を指差したのです。

うっそーん! キャンディにもいるのー?

顔を見合わせて驚く我々にシャーマンは新たな油をもう一瓶渡し、

「もう三週間、今度はあなた(妻)の家で同じようにランプに灯を点しなさい。前にも言ったようになるべく家の中心に近いところにランプを置くこと。いいわね」

キャンディに借りた家は丘の中腹に位置していて眺めが良く、もともとはオーナーがゲストハウスとして経営していた大きな家です。宿泊客が使うことを想定して作られたダイニングは広々としていて明るく、陰湿なイメージは全然ありません。
しかしながら、ゲストハウスとして開店して以来我々が借りることになるまでの1年半の間、実は宿泊客がまったくおらず、誰も泊まったことがない、という事実がちょっと気になるところでありました。

帰りの車中で妻が言うには、

 * 実は最近妙な気配を感じている。
 * 例えば他の部屋に入る時、ドアを開けた途端に目には見えない何者かが出てきて、その気配がスルリとすぐそばを通り過ぎるのを感じたりする。
 * 視界の隅に黒い人影が見えることさえある。
 * 先日は、娘のブランコがひとりでに揺れているのを目撃した。

キャンディの家の庭には私が娘のためにこしらえたブランコがあり、ある日の夕方、それがまるで誰かが乗って漕いでいるかのように揺れていたと言うのです。もちろん無人のまま。
(この話をすると決まって、風で揺れたんだろう、と疑うヒトがいるのですが、通常ブランコの板は地面に水平で風の抵抗をほとんど受けないので、強い風が吹いてもヒトが乗っているようには揺れません)

うわ、それ、やばいでしょー!
お昼のワイドショーなんかで紹介される心霊体験のエピソードそのものじゃん。
あんた、そんな怖い体験しといて、なんで今まで黙ってたの?

「心配かけるといけないと思って」

・・・俺、立場ないじゃーん・・・。

その後、キャンディの家でも三週間に渡って毎日、農場の家と同様にランプを点しました。
霊は静かに出て行ってくれたようで、ブランコがひとりでに揺れることは二度とありませんでした。

時々考えるんですが、キャンディの家にいたというその霊、ひょっとしたら農場の家から私が連れてきた霊だったのかも知れませんよね・・・。
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