Weekend Strummer

ウィークエンド・ストラマー。
世間知らずのオジサンが脈絡無く語る、ギター・アフリカ・自閉症。

生後三年親孝行。

2009-08-31 09:10:17 | 自閉症

「子は生後三年間の可愛らしさを親に見せることにより、一生分の親孝行を終える」と、アベ・ジョージの小説中の人物が言っていた、と、サワキ・コータローのエッセイに書いてありました。
先代の三遊亭金馬の落語では「七つ八つは憎まれ盛り、可愛い盛り二つ三つ四つ」という都都逸が紹介されていたのを覚えています。

どうも子供はある程度成長してしまうと、可愛くなくなってしまうらしい。

自己紹介の欄にありますように、私の娘は重度の自閉症という知的障害を被っており、今までも、そしてこれからも自立はほとんど不可能な困ったちゃんであります。
彼女は現在15歳ですが、まだ満足に言葉も話せません(例えば、父親である私を「ダディ」と呼ばせようとしても、どうしても「ダんディ」になってしまいます。あえて訂正しないダンディな私です)。
知的に極めて幼いせいか、生後15年を経た現在でも、彼女は幼児の可愛さを維持しています。そして、ありがたいことにこの可愛さが今後も続いてくれるんです。
永遠の幼児。
褪せることなく持続する「子の可愛さ」。
親としては、かなり得していると思えるのですが、こういう気分、知的障害児を持った親じゃないとわかんないだろうなぁ。

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ビエンチャンの短足犬、その2。

2009-08-25 00:57:04 | ラオス

先週ご紹介した短足犬の話
より高い場所にオシッコのにおいを付けられるオス犬が、より多くのメス犬と交わる可能性が高くなるとすると、足の長い=身体の大きい犬が増える傾向が強くなるはずである、しかしビエンチャンには短足犬が多く、不思議に思える、という内容でした。

自分が男性であるせいかオス犬の行動に注目して考えておりましたが、もしかしたら短足はオス犬ではなく、メス犬の特徴かも知れない、と思い至りました。
足の短いメスはオスにとって「交尾しやすい相手」なのではないか、と思うんです。身体の大きい足長のメス犬と交尾するためには、オス犬も足長である必要があります。オス犬が短足だと性器の位置が合いにくく、交尾もしにくいのではないかと。
ところがメス犬が短足であれば、オスが小型犬でも受け入れ可能です。
一般家庭から出る残飯を食べて生きているのでしょう、ビエンチャンでは割と自然な形で犬が生きているような気がします。自然に出来たコミュニティの中、好きな犬同士が好きなように交尾をする過程で、交尾しやすい短足雌犬は多くのオス犬から愛され、自分の遺伝子をより多く残すことが出来る。その結果、短足犬が増えるのではないか。
オスの足長アピールとは別のメスの短足戦略。なんちゅうか、「質より量戦略」とでも言いましょうか。ま、それはそれで正しい気がしますけど。

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カブトムシ

2009-08-21 17:58:15 | ラオス

ルアンナムターの農林業研究所。女性所員のノイさんと話をしていたら、蛍光灯にカブトムシがとまっているのを見つけました。立てかけてあった箒でつついて落として捕まえました。

小学生の頃、甲虫類は夏休み中のマスコットでした。中でもカブトムシとクワガタムシは別格で、高度成長期で開発が進む生活圏内にはなかなか見つからず、林で見かけた、というだけでガキンチョ仲間からうらやましがられるほどでした。そのせいでしょうか、オジサンになった今でもカブトムシを見ると少々コーフンしちゃいます。

そんな思いを呼び起こし、
子供の頃、大好きだったんだよねー、カブトムシ。
と言うと、ノイさんは、
「あたしも大好き! 油で揚げるとおいしいんだよねー!」
え・・・? いや、食べはしないんだけど・・・。
「うっそー! 食べないの? だったらあたしにちょうだい」
というわけで、持って行かれちゃいました。せっかく捕まえたのに。

でもどんな味なんだろう、カブトムシのフライ。
ちょっと興味あるなー。

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ビエンチャンの短足犬

2009-08-20 02:56:46 | ラオス

ビエンチャン周辺で不思議に思えることの一つに、短足犬が多いことが挙げられます。身体は普通の犬なのに、足だけ短いんです。ダックスフントのような極端な胴長短足ではなく、例えば「シェパードそっくりなんだけど足だけ短い」というような、ちょっと目につくアンバランス。そんな犬を頻繁に見かけます。
犬にとって、特に小便をかけて回ることで自分のテリトリーを確保するオス犬にとって、足の長さはとても重要です。高いところに小便をかけて自分の匂いを付けることができれば、それだけ自分が足の長い、つまり大型犬であることが主張できるわけです。以前飼っていた犬は散歩中、電柱などに小便をする時、付近に落ちている石などを踏み台にしてました。犬のシークレット・シューズですね。
オス犬はその身体の大きさに比例してテリトリーが増え、多くのメスと交尾する機会が増える、ト。この仮説が正しいとすると、足の長い=身体が大きい犬が増えてゆく傾向が強くなるはずです。ところがビエンチャンでは短足犬が目に付く。
前述のダックスフントは穴熊猟のために人工的な交配をくり返して出来た種類だそうで、あれほど極端な短足はきっと自然には派生しないのではないかと思います。
それなのにビエンチャンでは雑種犬にもその傾向が見られるので、きっと人為的な育種ではないだろうと思えるんです。
うーん、どうしてでしょう? しばらく前から考えているんですが、わからない。
謎はいまだに謎なのだぞっと。

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ルアンナムターの名物、その2。

2009-08-10 00:21:23 | ラオス

前回、揚げモツをルアンナムター名物として紹介しましたが、こちらを最初に書くべきでした。カオソイ。
カオソイは、米粉で作ったうどんに肉味噌をのせたもので、ルアンナムターが発祥の地と言われています。スープはあっさりしておりますが、そのぶん肉味噌がこってり・ピリ辛。
一年中いつでも食べられますが、冬の朝に食べるカオソイが格別です。
乾季のルアンナムター、特に1月と2月はかなり気温が低くなります。この寒さが肉味噌の発酵スピードを抑えるのでしょう、冬のカオソイには時間をかけて熟成した旨味があります。
冬の朝、ポケットに手を入れ、白い息を吐きながらカオソイ屋まで歩きます。普段寒さを経験しない熱帯暮らしの身には白い吐息が珍しく、なんだか新鮮。
発祥の地でありますから、カオソイ屋はいたるところにあり、どこでもそこそこの味が楽しめますが、やはり味の優劣はある。私が町一番と見込んでいるお店は表通り、電話局の向かいにあります。
通りに面したかまどには薪が無造作に突っ込んであり、火が赤々と熾(お)きています。寸胴鍋からは湯気がやさしげに湧き、その前に立って店を切り盛りするおかみさんの笑顔も同様にやさしげです。
カオソイはファースト・フード。きしめんのように平たい麺をザザッと湯に通し、熱いスープをかけ、肉味噌をのせて刻みネギを散らせば出来上がりですから、着席して待つ間もなく、すぐに出てきます。
これにお好みでレタスやミントの葉をちぎって入れ、ライムを搾り、酢漬けのニンニクを二片ばかり投入し、よく混ぜます。肉味噌がどんぶり全体になじみ、鼻から湯気を吸い込むと一気に食欲が増すような気がします。
まずはレンゲでスープをヒトクチ。味噌の味が懐かしい。
辛味の強い青唐辛子を直接かじり、その辛味が口中全体に広がる前に麺をすする。こうすると口の中で辛味と旨みがブレンドされて、おいしさが引き立つんです。歯で唐辛子をかじり取るので辛さにも幅が生じ、時にものすごく辛くなってしまうこともありますが、そういう失敗も楽しいものです。
本日最初の食事は一杯のカオソイ。
あまり時間もかけず、すぐに食べ終わってしまう、お手軽な食事です。額に浮いた汗を拭き、ルアンナムターでの一日が始まります。

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