Weekend Strummer

ウィークエンド・ストラマー。
世間知らずのオジサンが脈絡無く語る、ギター・アフリカ・自閉症。

相模原障害者施設殺傷事件

2020-03-15 12:54:56 | 自閉症

親バカを自覚しております。そのうえで以前にも書いたことを繰り返させていただきますが、我が娘はすごく可愛い存在です。私が娘に対して感じる可愛さは、彼女が重度の知的障害者であることと無関係ではありません。

「自分の子が障害者として生まれるほどの不幸はないであろう」という考えは、きっと世の中の多くの人たちの心中にも普通にあるものだと思います。かつて、私自身もそう考えておりました。
ですが、これは間違っております。
少なくとも我が家は毎日がとても楽しく、幸せに過ごしております。日々、幸せを実感しており、不幸を自覚することはありません。改めて身辺に悩みのタネを探しても、せいぜいが我が身の老化と肥満くらいで、深刻なものは何もない。
そしてこの幸福感の大部分が娘の笑顔からもたらされていることを、私は確信しております。

2016年7月、津久井やまゆり園で多くの知的障害者が死傷される事件がありました。犯人は「意思疎通のできない知的障害者は生きているだけで社会の迷惑となっている」という非常に極端な考えから犯行に及んだのです。
裁判では検察側による求刑を前に、刺殺された被害者・美帆さんの母君による意見陳述の機会が設けられました。
その陳述内容は美帆さんの生前のエピソードに始まり、事件発生後のご遺族の様子が語られ、最後の部分は犯人への糾弾の言葉が連ねてありました。

乗り物や音楽が大好きだった美帆さんの生活は、同様の障害を持つ私の愛娘のそれと酷似しており、特に「周囲を癒すひまわりのよう」と形容される笑顔は、まさに私の娘が日常的に見せる表情そのものです。ご家族の中の美帆さんの存在が愛娘と重なって他人事とは思えず、その後の陳述は全て我が事の様に聞きました。
美帆さんを大切に思う気持ちが胸に痛いほどで、陳述の終わり近くに犯人に対して述べられた「あなたが憎くてたまらない。八つ裂きにしてやりたい」という非常に強い文言にでさえ、私には犯人への憎しみよりも美帆さんへの強い愛情が増幅されて伝わってきました。
親が子を思う気持ちは健常者同士の親子間よりも知的障害者の子に対する思いの方が、より純粋で強い気がします。なんて書くと手前味噌になりますが。

判決公判は明日、行われます。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする