私が勤務するムエア灌漑事業地の中心にある街がワングル。ここはケニヤ一番のコメどころです。そしてケニヤ国内でコメは年々消費量を伸ばしており、そのおかげでコメ景気に沸くワングルでは商店や住宅が増加の一途。どんどん発達しております。一説によると「ケニヤ国内で一番貧困率が低い場所」なんだそうです。
先日、ワングルの裏通りを歩いていましたら、新しく開店した食堂を見つけました。その名も「ピザ・カフェ」。
すげえ! こんな田舎町にピザ屋が開店するなんて! 人口54万人のエンブの街にもないのに!
ピザなんて久しく食べておりません。サクサクもっちりの生地の歯応えと、とろけるアツアツ・チーズの香りを想像したら、もう食べたくてたまらない。それこそダイブするかのように店内に飛び込みました。
ピザ食わして、ピザピザ!
大好物なんだから2~3枚いっぺんに焼いてくれてもいいぞ!
しかし店員の態度はこちらのハイ・テンションに反比例するかのように極めて冷ややか。
「…ピザって何?」
壁に書かれたメニューを見ると、ウガリやらチャパティやらカランガ(シチュー)など、普通のローカル・レストランと変わらないメニュー。どうも「ピザ」は店の名前だけのようです。
どこからか仕入れたあやふやな情報で「外国のハイカラな食堂にはピザという名前がついているのがあるらしい」と知った店主がピザのなんたるやも知らぬまま、店の名前にしてしまったのでしょう。店主同様、ケニヤ人の客の中にも「ピザ」なんて食べたことのある者はおりますまい。
かわいそうなのは私。生来の食いしん坊がすでに食べる気満々になっておりましたのに、実はお目当てのブツは看板だけだった。
日々ガッカリすることが多いケニヤでの生活ですが、今回のは特に大きいショックでありました…。
怪しからんことに別館まで出来てました。もう騙されませんよーだ。ベッカンコー。