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Weekend Strummer

ウィークエンド・ストラマー。
世間知らずのオジサンが脈絡無く語る、ギター・アフリカ・自閉症。

ワンタンメンなら大盛二杯

2023-02-28 18:57:00 | ラオス

ラオスに来ております。
最近、ラオスでの食事は麺料理ばかりです。カオニャオを軸とした伝統的ラオス料理もおいしいのですが、やはり麺類は食べやすい。つるつるっと抵抗なく食道を伝って胃袋に納まってくれます。独りの気楽な食事は簡単な麺類に限る。

ビエンチャンでのお気に入りは鶏肉添えのカオピャック。いくら食べても飽きがこない。
ですが、お気に入りのカオピャック屋さんは日曜日はお休みなんです。休日のランチ、何を食べよう?
すきっ腹を抱えて人気(ひとけ)のまばらな休日のビエンチャンをさまよっていたら麺屋さんを見つけました。お客が一人もいなくて、だけど麺をゆでる寸胴鍋からは盛んに湯気が立っています。営業中であることは確かです。
初めてのお店だけど、麵が食べられるならなんでもいいや。入ってみよう。
奥から出てきた店員さんに大盛り一杯を注文します。
なにが出てくるかわからないのに、なんで大盛りを頼むのか…。

ほどなくしてテーブルに運ばれてきたどんぶりに入っていたのは中華麺でした。ミーと呼ばれる縮れ麺です。小さめのチャーシューが、そのサイズを補うかのように何枚も麵上に置かれております。

レンゲでスープをすくってヒトクチ。うむ、おいしい。癖のない白湯スープです。
箸で麺を持ち上げるとプーンと小麦粉の良い香りがしました。

おお、好好! (ハオハオと読んでください)
こりゃあうまそうだ。

すすりこんだ麺は少々硬めで私好みです。素直においしい麺です。
他にお客はいないし、サーブしてくれた店員さんはすぐに店の奥に引っ込んじゃったし、店内には私しかいないので、周りを気にせず日本式にズズッと盛大に音を立てて麺をすすりこみます。食べ進めていると、麺の下からワンタンが4つほど出てきました。

おお! キミはワンタンメンだったのか!

ワンタンは麺の下に仕込むべし。というワンタンメンの極意をきちんと守っています。
この店、あなどれぬ。
シコシコのワンタンを噛むと肉汁がジュワッと染み出てきます。脂の味との対比でスープの新鮮味が増します。

ああ、おいしい。いつまでも食べていたい。

お勘定の頃合いを見計らって出てきた店員さんに、スマンがもう一杯作ってください、とお願いする私でした。

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いとしいとしのカオピャック・パー

2022-12-24 19:40:56 | ラオス

カオピャックは米粉で作られたうどんです。ごく一般的なファストフードなので、ラオス国内どこでも食べられますが、地方によって少々特色があります。
米粉で作られたカオピャックは小麦粉製のうどんよりも腰が強く、咀嚼回数が少しだけ増えます。ほんの数回のちがいなのですが、そのぶん口中で唾液が多く分泌されるため、しっかりと出汁を取ったスープじゃないと麺に負けてしまいます。
以前ご紹介したビエンチャンのカオピャック・センは鶏のスープがベースとなっていました。
今回登場するのはカオピャック・パー。魚の出汁が使われたサバナケットのカオピャックです。魚はラオス語でパーっていうんです。
サバナケットでカオピャックといえばスープはパーです(なんのこっちゃ)。
短期間の滞在中、いろんなところで食べた中でイチバンはここ!と決めたお店は「エムノイ・カオピャックパー」。


看板もないのでごく普通の民家みたいなエムノイ・カオピャックパー


店先に設えられた小さなキッチン。
小さめのスプーンですくった魚のミンチが10個ほどスープ鍋に入れられます。つみれです。つみれに火が通る頃、打ち粉まみれの生カオピャックが投入され、一緒に煮ること数十秒。つみれと麺がどんぶりに取られ、別の鍋で調理された魚の切り身が載せられ、スープがかけられ、その上にカリカリに揚げられたオニオンがネギと香草のみじん切りと一緒にパラパラと振りかけられ、なんかいろんなラレラレが集合するような形で出来上がります。
テーブルに運ばれてきたカオピャック・パー。湯気がやさしく顔にかかります。

お好みでラー油をかけたりライムを絞ったりして、いよいよ実食。いただきまーす。
つみれのシコシコの歯応えが何とも言えません。きっと自家製だと思います。日本のおでんなどに入ったつみれよりも小振りで、そして程よく硬い歯応えなんです。凝縮したぶん真面目さが強調されているような気がします。余計な添加物が入っていない純粋な優等生タイプのつみれ。
そして魚の出汁が程よく利いたスープ。決して味が強いわけではなく、むしろ優しい味なのですが、同系統の味であるつみれとタッグを組むことで、腰の強いカオピャックをうまく懐柔しています。

あああ、おいしい。ずっと食べていたい。

つみれのヒトカケもカオピャックの一本も残さず平らげた後、どんぶりを両手で持ってグーっとスープを飲み干したいのを堪えて、ラオス流に則ってレンゲで気忙しくスープをすくう私でありました。

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バーシーとしめ縄

2022-10-30 16:26:56 | ラオス

以前拙文を投稿しましたが、ラオスにはバーシーという風習があります。
各種お祝い事や、転勤などの理由で親しい人とお別れする際など、相手の幸運や無事を願う気持ちを込めて、束にした数本の木綿糸を相手の手首に巻いて結ぶんです。
バーシーを巻く時、単に手首に糸を巻くのではなく、相手の手に何かしら持たせることが習わしになっております。

この画像ではミカンと卵を持った手の手首に糸を結んでいます。
その理由についてラオスの人からちゃんと説明を受けたわけではないのですが、私が想像するに、バーシーは、相手が手に入れたものや、それを招き込んだ幸運がその人から逃げないように木綿糸を結んで封じ込めるためのものではないだろうか、と。

この考え方はモザンビークで目撃したしめ縄状の風習に似ているような気がします。
モザビではマンゴーやヤシなどの実が、強風に吹かれて登熟前に落果しませんように、という思いを込めて幹に縄(というか切れにくい強い草)を巻きます。
日本では神聖な場所と俗世間を隔てるためにしめ縄を巻きます。その理由は神聖なものを粗末に扱うなどの間違いを犯すことによってもたらされるかもしれない祟りなどを恐れてのことだと思いますが、言い方を変えれば「祟りを封じ込めるためのもの」とも言えるかもしれません。

アフリカのモザンビークとアジアのラオス、そして日本。距離的に遠く離れた場所で、いずれも目に見えない「願い」を形にする風習として行われる、「結ぶ」という行為。
不思議な共通点を発見して、ちょっと嬉しく感じています。

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サバナケットのマーケット

2022-09-13 17:55:19 | ラオス

ラオスの南部の町・サバナケットの中央市場に行きました。
大きな市場です。面積を比較しますと、東京ドームとほぼ同じ大きさ。
サバナケット県はラオス国内でも最も人口の多い県で、しかも国境を越えてタイやベトナムに通じる国道も通っているため、商業活動が盛んで市場がデカいんです。

ブラブラしていましたら、カブトムシが売られているのを見つけました。


ラオス語でメンカーンと言います。大き目の洗面器に千匹くらい入っているのでセンメンカーンですね(ってウソです、そんなにいません)。
大量のメンカーンはガサゴソと音を立てて盛んに蠢いており、全然落ち着きがない。もうジャンボリー状態。自然界ではこんなに大量のカブトムシが一堂に会すことなどないでしょうから、コーフンするのも無理はない。

値段を訊いてみますと「10匹で25000キープ」とのこと。200円くらいです。1匹20円。日本のペットショップで売られるカブトムシの価格と比べると桁違いの安さです。
オスもメスも同じ値段で、それもそのはず、これは食用として流通しているんです。
甲虫イモムシも、ラオスでは昆虫はたいてい素揚げにして塩を振って食べます。
甲虫の場合、飛行時に翼となる背中の硬い部分はむしり取り、内臓が詰まった柔らかい腹の部分を食べるんです。脚の部分もいろいろ口中で引っかかりそうなので食べない方がいいでしょう。胸は筋肉がいっぱいあるのでおいしいかもしれませんが角が硬そうです。
私は食べたことが無いので、想像ですけど。


別の洗面器に入れられた2羽の鳥も気になるところです。売っているヒトに、何ていう鳥?と尋ねてみても「知らない」としか答えてくれません。

趾(あしゆび)を見ると2羽とも「三趾外対趾足(さんしがいたいしそく)」というタイプで、これはカッコウやキツツキやフクロウに見られる趾の形状なんだそうです。
フクロウは独特の猫面をしておりますし、カッコウには托卵する習性があります。托卵先にいる他の雛を皆殺しにすることで有名ですから、同じ種類の2羽が一緒にいるのは不自然ですよね。
ということは、こいつらはキツツキの一種かな? 
森に住む少数部族のヒトが樹に開けられた巣穴を見つけ、親鳥の不在時によじ登って急襲して雛を捕獲したのではないかと思われます。成長に少々差がある2羽が一緒にいるということは、複数の巣穴から採集されたのかもしれません。で、里の人に売って現金化した、と。
なーんて勝手に脳内でドラマ化してみました。

市場の奥に進んでみましょう。
こんなものが売られていました。

これ、水牛の皮です。ラオス語でナムケン。表面にまぶしてあるのはおがくずかな? これも食用であります。

細く切られた皮を一本ずつ新聞紙1枚(A4コピー紙でも可)にくるんで火を点けます。新聞紙が燃えて、水牛の皮の表面が焦げます。体毛も焼けてしまいます。火が消えたら、その辺の石を拾って皮をゴンゴン叩きます。焦げた部分がはげ落ちて、中から白く柔らかい部分が露出します。それを食うんです。
スルメみたいな硬さ。しゃぶったり噛みしめたりしながら米焼酎・ラオラーオを飲む、というのがラオスの田舎のオジサンたちの飲み方です。

さらに奥に進むと…。おっと、市場の外に出ちゃいました。
通りに沿っていろんな食べ物屋さんが並んでいます。蒸し器の中に変わったものを見つけました。

卵の殻を一部割って中身を取り出し、だし汁と混ぜて再び殻に戻し入れて蒸したもの。カイピンというそうです。
ひとつください。

殻を剥くと、こんな感じ。アッツアツなんでティッシュペーパーにくるんで持ってます。
ネギのみじん切りが混ざっているのは殻付きでも見える部分だけでした。

オケツの部分には粗挽き胡椒が混ざってました。
いろんな味がしておいしかった。基本、茶碗蒸しの味ですけど。

えーと、オレ、市場に何しに来たんだっけ?

 

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ラオス再訪

2022-08-23 11:22:10 | ラオス

仕事でラオスに来ています。
11年ぶりに訪問するビエンチャンは大きく様変わりしており、久しぶりの再会時にどこか話が噛み合わない古い友人のような雰囲気がありました。最初のぎこちなさを乗り越えれば、昔のような仲良しになれる予感もありますが。



ビエンチャンからラオス中国新幹線(仮称)でルアンナムターに移動。昔は飛行機で移動しましたが、話のタネに乗ってみました。今年開通したばかりの新幹線は新しくて快適でありました。



でも、次回の訪問時(もしあるとすればですが)には、やっぱり飛行機で行きたいな。
新幹線は飛行機より時間がかかりますし、さらに駅はルアンナムターの街までクルマで1時間以上かかってしまうような不便な位置にあるんです。

ルアンナムターでは古い顔なじみから手放しの歓待を受けました。ぎこちなさ一切なしの親戚づきあいみたいな再会でした。開口一番「白髪フエタネー」なんて言われたりして、その辺りはもうちょっと遠慮気味に話してくれたほうが嬉しい。

昔よく通っていた農場の顔ぶれもほとんど替わってなくて、昼時になって大きなテーブルを囲んでみんなで食事をするのも昔のまま。
いくつか準備してくれたおかずの中に見慣れない料理が載っている皿がありました。何かの肉をネギなどの薬味と一緒にたたいて粗みじんにしたような料理。


コレナニ? と訊いてみたら
「うめーから食ってみ」
食ってみたら確かにうめー。でも、なんか小骨が口に残るのが気になる。なんだろ、と思って手のひらに出して見たら、



ケロリンの大腿骨でした。そうだった…。ラオスではこういうものを日常的に食うんだった。

カタコトの日本語が話せる副農場長のノイさんは、11年前はかわいいお姉ちゃんでしたが、今は少々年季が入ってかわいいおばちゃんになってました。

「オイシイでしょー。ワタシ、コレスキ」

カエルのたたきをカオニャオ(もち米を炊いたもの)になすりつけて口に運ぶノイさん。

「デモコレ、チョットいもうとがハイッテルネー」

ちょっと聞き流せない、聞きようによってはかわいくも薄気味悪くも受け取れる発言です。

なに変なこと言ってんだよ。家庭的な味って言いたいの?

「チガウ。いもうとのアジガスル」

・・・んー?

「あ、マチガエタ。アジノモト、ダッタ」

んもー!
でも面白いからいいけど。

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