Weekend Strummer

ウィークエンド・ストラマー。
世間知らずのオジサンが脈絡無く語る、ギター・アフリカ・自閉症。

ケニヤ山に登るぜ 2

2015-02-27 10:58:24 | ケニヤ

ケニヤ山行記録、続編です。

 二日目。今日はシップトンズ・キャンプまで9時間の行程。尾根を二つ登り、二つ目の谷を詰めて行く。つまり、登って下りて登って下りて川沿いに緩やかに登って行く、という、言葉にするとややこしいルートです。上り下りを総合して考えると、オールド・モーゼズから標高差にして約900m上がる計算になります。
若い頃はスキップで登れた山なのに、今じゃステッキ突いて登る年齢になりました。当然、シュラフ(寝袋)や食料、着替えなどの重くかさばる荷物はポーターに担いでもらいます。自分で持つのはカメラと水筒、アメやチョコなどの行動食、それに雨具(カッパ)くらい。荷物は軽いけど、9時間の道のりを歩き通せるかどうか、少々不安な出発の朝であります。

朝日の中をわっせわっせと登ります。傾斜は緩やか。空気はさわやか。
すでに森林限界を超えており、高木はありません。そのため見晴らしはとてもよろしい。はるか彼方にピークが見えているけど、まだだいぶ遠い。あそこにたどり着くのは明日のココロ。

標高が高いので高木はありませんが、そこここにフシギな形の植物があります。トウモロコシの芯みたいなこの植物、パーティの男性陣がごく自然に「ジャイアント・チンコ」と命名してしまう。そしてみんなで大笑いしてしまう。単純すぎるオトコたち。
じゅうぶん大人になったなずなのに、いくつになっても下ネタが好きなのは何故なんだろう?

歩いているとヒビだらけの岩が出現。こんな風にひび割れているのは、周囲にはこの岩だけでした。珍しくてちょっと不思議。だってどの岩も同じ火山活動時にできて、同じ環境で同じ歴史を経験してきたはずです。それなのにこの岩だけこんな風にひび割れてしまう、ということがあるでしょうか? この岩だけ組成が違うというのも考えにくいですし。
見た目はファンタスティック・フォ-の岩石男のようです。ムッシュムラムラー!

そのヒビ岩、後ろから簡単に登れるようです。長髪を金髪に染めた若手メンバーが映画・ライオンキングの名シーンを再現。
確かに長い金髪はライオンのたてがみに似てはいますが、劇中であのポーズをキメたのは、実はサルだったことに後で気が付きました


こちらは開花するジャイアント・チンコ(たぶん)。しつこい? しつこかったら謝る。スマン。

谷に下ります。下りは楽ですが、次に登らなくちゃいけない坂が目の前に見えているのが心理的につらい。ウンザリ。

 

若い頃は帽子が無くても平気で野外活動をしていました。四十を過ぎたころから、直射日光下にいた後に頭痛を覚えるようになり、以降、日除けが必要になりました。しかし、私は帽子が嫌いなんです。日除け目的に帽子をかぶるくらいなら、日傘を使いたいと思うほど。
そんな私の頭部を覆うのは商品名「たーぼう」。日本のホームセンターのドカチン・コーナーで買いました。ターバンと帽子を合わせたものと思われます。これだったらハチマキみたいで着用可能。そしてタオル地が汗をよく吸収し、なかなか快適です。ゼブラ模様もアフリカにマッチしているように思われます。

しかし、そのシルエットはカニにしか見えない…。

 

二つ目の尾根も登り切り、ここから背後に見える谷を奥にずーっと詰めて行きます。谷の行き止まりがピークです(一番左にちょこっと見えているのが目的地のレナナ・ピーク)。

谷を詰める途中でランチ・タイム。ポーターたちがコールスローみたいなサラダとソーセージの薄切りを用意してくれました。食パンにはさんでサンドウィッチを作リ、パクつきます。

食後もぞろぞろ並んで歩き、谷を詰めていきます。標高差はあまりないので楽だけど、景色が変わりばえせず、ちょっと厭きてしまう。
前方にいやな雲が出てきました。急ごう急ごう。雨が降り出す前に小屋まで行こう。

幸いにも雨にも降られず、到着しましたシップトンズ・キャンプ。オールド・モーゼズを出発してから到着するまでちょうど9時間。予定通りでありました。
標高4200m。さすがにちょっと息苦しい。

メンバーの中で一人、高地順応がうまくいかなくて頭痛が治らず、食欲不振、そして嘔吐する者が出ました。ベッドに横にならせて様子を見ていましたが、容態は改善されず、結局夜の9時になって下山させることが決定。

高山病にかかってしまうのは体質や体調にもよるそうです。そしてかかってしまったら特効薬はありません。高度を下げるしかないんです。放置すれば命にかかわる場合もあります。

頭痛に顔をしかめ、ガイドとポーターに付き添われ、彼は真っ暗闇の中を再び歩き出す。歩けなくなった時に備えて、ポーターたちは担架を担いでエスコートします。オールド・モーゼズに帰着できるのは夜明け前ではなかろうか…。

私の場合、今回は高山病の予防薬を服用しておりました。
高山では空気が薄くなってしまうので血中のヘモグロビンが減少してしまい、それが原因で頭痛などの高山病症状が出るんだそうです。私が服用した薬は、身体を興奮状態にして血管を広げ、血液を流れやすくすることでヘモグロビンの流通を改善する機能があるんですって。おかげで頭痛も吐き気も経験せずに済みました。

(この項さらに続く)

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