1で述べたパクリ師の先生格に当たる、故早野寿郎氏は人の方法をパクルで有名であった。
特にNHKの朝ドラの若い俳優の特訓では「何を教えていいか」悩んでいたらしい。
丁度そのころ私と出会う。
劇団俳小の演出家で、長であった早野氏は、私に養成所の生徒の特訓を依頼した。しかも2回で、謝礼も相場の半額であった。
その2回を熱心に見学した早野氏は、継続指導を希望する私をにべもなく拒絶した。
その数ヶ月後、NHKテレビで朝ドラの主役に宮崎美子さんが選ばれ、早野氏の特訓風景画流れた。仰天した。全て私が俳小で教えたものをやっていた。
後日、先輩にその話をすると。「早野はパクリで有名よ。あなた馬鹿よ」と言われた。
なるほど俳優座養成所の前身のアカデミーの生徒であった早野氏は肉体訓練のほとんど全てはサボり、近くのマージャン屋に入り浸りであったらしい。
だからNHKの特訓を頼まれてもやるべき方法がない。そこで私方法を盗むことに決めたようだ。
パクッて後は捨てる。これが早野氏の神髄であったようだ。
彼の死後、その弟子格の佐奈田さんが選ばれた。この佐奈田氏も教えるべき高級な方法を知らない。そこで私の方法を少し手直しして教えた。
それは検査薬を治療薬に摩り替えて、何度も使えるようにした。しかしパクリ師の悲しい宿命で、初期の方法しか知らず、レベルの低いものを繰り返し、バリエーションを交えて教えた。それでもNHKの朝ドラの先生として、多くのプロダクションが稽古場を提供して指導に当たらせた。
NHKの責任は重大だ。多くの若者をだますことを作り出したのだ。
NHKはこのパクリを防止できる方法があった。佐奈田氏に「これはあなたのオリジナルですか」と強くきくべきであった。そのいろはを忘れたNHK朝ドラ班の無知は恥ずべきだ。
結局、災いを残しただけだ。
佐奈田氏がどのようにして私の方法をパクッたかは、3でお伝しよう。