妻は多系統萎縮症と言う難病である。発症は20年も以前にあった思われる。
難病と認定されたのは約6年前だ。
昨年末、肺炎で緊急入院する。風邪を引くと一段とわるくなる。1週間も寝込むと前の状態に戻らない。歩けていたのが歩けなくなる。立つことも難しくなる。
それが肺炎で1ヶ月も入院すると「寝たきり」になる。リハビリしても元には戻らないのです。
川崎市民病院は2ヶ月で退院しなければならない。
次は療養型病院だ。そこは確実に死へ向かうための病院だ。
私は妻を自宅で介護することにした。退院の前に医師は家族、特にご主人の命を縮めますよと言われた。
退院して4ヶ月。今ではミキサー食が普通食になり、飲み込みが悪いためトロミを混ぜるもなくなり、排尿の管も外せて、酸素吸入も24時間から1時間ぐらいになり、痰、食べ物が気管に入るを吸引はゼロである。
左半身麻痺で左手はコンクリートのように固まり、リハビリを行うと「イタイイタイ」と泣き叫ぶ。
体全体も固まり、寝たきり状態だったのが改善されて、健全な時の70%ぐらい回復した。
左手でカップを持ち右手で箸を持ち自分で食事している。
おかきでもばりばり食べる。
今は介助で立つことから、歩行器で歩けるかに挑戦している。
絶対良くならない。どんどん悪くなると断定した医師も複雑な表情で診察してくださる。
要するに寝たきりから脱出しつつある。
それは私がボイストレーナーとして長年苦労してきたからか。