下手の横好き日記

色々な趣味や興味に関する雑記を書いていきます。
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有栖川有栖『幽霊刑事』

2007-01-14 18:23:38 | 
今日も仕事だったのに、昨夜の3時半まで読んでしまいました・・・
結末が気になって、気がついたらって感じで。
おかげで今日はボロボロでした。ゴメンナサイ(泣)
まあ、今日は座って時間だけ計ってるような仕事だったので実害は無いけど。

さて、そんな『幽霊刑事(でか)』ですが、まずこのタイトルが・・・(^^;
なんかちょっと引いてしまうわけです。買うの躊躇う感じ(笑)
でも読み終わったら、これ以外のタイトルは付けられないと思いました。
何故か・・・それは物語があまりにも純粋な恋愛風味たっぷりだから、
変に凝ったタイトルを付けたら、赤面してしまいそうだから、かな。

主人公・神崎達也は、冒頭でいきなり幽霊として登場します。
恋人を残して理不尽に殺された無念さが、彼を幽霊にしたのです。
しかも犯人は捕まらずにのうのうと生きている!
しかし、幽霊の彼の姿は誰にも見えず、声は誰にも聞こえず、
現実世界のものに触れることも、動かすこともできない・・・
そんな絶望の彼に、唯一の希望が・・・

警察が舞台で、登場人物もほとんどが警察関係者なのですが、警察小説ではないです。
登場人物が警察官だというだけの、そして探偵役が幽霊なだけの、
「ファンタジー本格ミステリ恋愛小説」とでも言いましょうか。
ここで提出される謎は「真犯人は誰か」と「密室」ですね。
ちゃんと伏線も書かれていて、普通に推理できるのが有栖川氏の素晴らしさ!
その推理も非常にロジカルで「そうか!」と思わず膝を打ちたくなります。

でも、この作品の中心は「幽霊・神崎」の心の葛藤でしょう。
本当に見事に幽霊気分を味わえ、その悲しみを体験できるのです。
恋人への思い、自分の存在への不安、犯人への憎しみ・・・
これはもう、「映画化」して欲しいくらいの作品です。
きっといい映画になると思うな~・・・本当に、そう思う。
さすがに映画のタイトルが『幽霊刑事』じゃ駄目でしょうけど(^^;
映画なら、赤面タイトルでもOKでしょ。
『シルテイア~君を忘れない~』とか。(きゃー)

寝不足でテンションが高いのか、わけの分からないこと言ってますが(笑)