下手の横好き日記

色々な趣味や興味に関する雑記を書いていきます。
ミステリ・競馬・ピアノ・スポーツなどがメイン記事です。

法月綸太郎『密閉教室』

2007-01-10 23:59:09 | 
名前だけは知っていたものの、その著書を読んだことはありませんでした。
綾辻氏と同じ、京都大学のサークルから輩出された作家ですね。
今回、とりあえず一読と思い、例によってデビュー作から取り掛かってみました。

ある朝、中から密閉された教室で、カッターで喉をかき切った男子高校生の死体が発見されます。
遺書は発見されたものの、教室から何故か机と椅子がことごとく無くなっていていた!
果たしてこれは自殺なのか、他殺なのか!?
推理小説マニアの同級生・工藤、警察の森、担任の大神の虚々実々の駆け引きが、
様々な事情を抱えたクラスメート達とも複雑に絡み合って、事件は思わぬ方向へ・・・

タイトルどおり「密室」が作品の中で大きな位置を占めているかといえば・・・そうではないのです。
登場人物たちは一部の大人を除いては、クラスメートである高校生達。
彼らにとっては「密室」も「机と椅子の消失」も「コピーの遺書」も、現実とはさほど関係ない。
彼らの関心は専ら「なぜ級友は死んだのか」なのですから。
当然ですよね。友達が死んだとして、「なぜ」より「どうやって」を重要視する人はいないでしょう。
その意味で、これは謎解き小説というより、友人の死に心乱れる高校生達を描いた青春小説なのです。

ではこの作品は、爽やかで、まっすぐなミステリなのでしょうか? とんでもない!
1プラス1の答えは2ではなく、3にも0.9にもなるのが本当の人間の世界ですよね。
だからこそ人の心を読みきることはできないのですが、この登場人物たちもしかり。
主人公の工藤を筆頭に、一筋縄ではいかないまさにポーカーゲームが始まるのです。

ばら撒かれ過ぎた伏線。読み進め、拾い集めるうちに両手一杯になって、こぼれ落ちて・・・
いったいどれが勝負を決めるカードなのか分からなくなってました。
(最初は、伏線の無防備さに辟易してたのですが、これも作者の罠だったのか^^;)
伏線に溺れる・・・何だか不思議な体験だったです。
クライマックスを読んでいるときの高揚感は、「わくわく」を通り越して「ばくばく」でした。

最後のカードが開かれたとき。
やっぱりこれは初めて幻想の喪失を味わう青春の物語なんだ、と思いました。
面白かった♪

昼歩く

2007-01-10 23:53:29 | 雑記
屋外を「夜歩く」ことは、もちろんあんまり無いんですが、
(あっても繁華街^^;)
「昼歩く」こともほとんど無いのですね。
会社までは車だし、駐車場から建物までもそんなに距離は無いし。
つまり、屋外を歩いているという実感に欠ける生活をしているわけです。
健康そうじゃないというか、不健康ですね(^^;

まれに、会議等で本部に行ったとき、近くの駐車場がいっぱいだと、
歩いて10分ほどの駐車場に向かうことがあります。
で、10分歩いて本部の建物に向かい、帰りも10分歩いて車に乗る。
この往復20分が、屋外を「昼歩く」最近の唯一の実感かもしれません。

このとき、私がするのは空を見ること。
曇りだと嫌なんですけど。雨だと傘差してるから無理なんですけど。
晴れてる空を見ながら歩いていると、何か生き返った気がします。
いつもは、こんな空があることに関心を寄せずに暮らしているんだな~なんて、
反省しながら、そして、空を見てホッとできる感性が残ってるんだなと安心しながら。

昨日もそんな風にして、歩いていたんです。
で、ふと。ちょっとした冒険がしたくなりました。知らない道を歩くこと。
車でも、歩きでも、常に同じ道しか通らない人間なんですよ、私。
なので、昨日は通りを1本変えて歩いてみました。
そしたら、風景が全然違うじゃないの!(当然ですけど)
ああ、こんなところに小さな公園があったんだな、とか。
こんなところに焼肉屋が、とか(笑)
ちょっと迷いそうになったのですが(^^;←方向音痴
青空ともあいまって、結構楽しい「昼歩き」でした♪