年末に武道館での第九コンサートを聴きに東京に行った時に見聞きしたものをアップします。
東京駅丸の内南口から歩いて5分くらいです。(東京都千代田区丸の内2-6-2)
1894(明治27)年、開国間もない日本政府が招聘した英国人建築家ジョサイア・コンドルによって設計された、三菱が東京・丸の内に建設した初めての洋風事務所建築です。
老朽化により、1968(昭和43)年に解体されましたが、2010年4月にコンドルの設計に則って同じ所に復元され、「三菱一号館美術館」として公開されました。
建物の裏側から見たところ。裏の高層ビルとの間が庭園になっていて、バラなどいろいろの植栽が植えられ、憩いの場所になっています。
美術館では「カンディンスキーと青騎士展」が開催されていました。(2011年2月6日まで)
館内には「歴史資料室」もあり、「ジョサイア・コンドルの岩崎邸建築展」が開催されていました。。(2011年2月6日まで。こちらは入場無料)
コンドルが携わった建物の中で、最大のパトロンであった岩崎家のために設計した西洋館の数々の写真や設計図が展示されていて、たまたまいい時に訪れてよかったと思いました。(例えば、湯島の旧岩崎邸はこんな所)
建物の一部はカフェ「Café 1894」になっていたので、ここでお茶を飲みました。
元は銀行だったところです。
京都の文化博物館(旧日本銀行京都支店)と似た感じですが、広さはこちらの方が狭いようでした。
高い天井を支えている柱の柱頭部分はアカンサス風の彫刻で飾られていて、ゴージャスな雰囲気です。
メニューのお値段は少々お高目でしたが、場所代だと思ってガマン。
とにかく、東京駅から皇居に向かう間の土地は、元は大名屋敷だった所が、明治以後陸軍の演習地になり、岩崎彌太郎が安く払い下げて、三菱一号館、二号館、三号館と建てていき、続いて一帯がレンガの洋館の並ぶ日本の最先端の街になり、そして、今は丸ビルなどの高層ビル街になっているのでした。そのへんの三菱一号館をめぐる歴史も「歴史資料室」でわかりやすく展示されていました。
しかし、岩崎彌太郎は「龍馬伝」でも見たようにチョー貧しい生活から身を興して、こんな洋館事務所や大邸宅を次々と建てていった才覚はやはりすごいと言わざるを得ません。
ついでに、東京駅近辺をぶらぶらして見つけた建物を少し。
三菱一号館の隣の高層ビルも入口部分には昔の建物の遺構が使われています。
東京駅すぐ前の中央郵便局は改築工事中。保存運動のおかげで、建物前面だけは残されていますが、後方部分は高いビルになっています。
前にも見たことがある東京銀行協会の建物。
2008年に見た東京中央郵便局と東京銀行協会はこちら。