joy - a day of my life -

日々の体験や思ったことを綴ります(by 涼風)。

読まなくてもワクワク 買わなくてもワクワク

2004年12月09日 | 店舗を観察して
今日、神戸の三ノ宮のセンター街にあるジュンク堂で本を買いました。

時間帯が夕方だったので、レジにも人が並んでいます。元々いつも盛況な店なので、なおさらレジ前は混雑しています。

図書券と追加のお金を払うと、小銭のお釣りが来ました。わたしは本をかばんに入れながら、同時に小銭を財布に入れなければなりません。わたしはたった今書籍を買ったお客です。だから、お店の売り上げに貢献したはず。もっと丁寧に扱われてもいいはず、と単純に発想します。

しかし、ここのジュンク堂は、後にも人が並んでいるので、「早くどいてよ」という無言のプレッシャーを(こっちが勝手に)感じてしまいます。かばんを片手に持ち、それに本を入れながら、同時に小銭を財布に入れる。それをすばやくしなければ、という心の焦りにおそわれます。わたしがすべての動作を終える前に、店員さんはつぎのお客さんの対応に忙しいのか、わたしの前から消えていきました。


ジュンク堂はJR神戸線の多くの駅で店を出しています。少なくとも、神戸一帯では彼らは成功しているような雰囲気です。実際、店内は広くて白い明るさが行き届いていて、清潔な木目の本棚が並び、雰囲気はどの店もとてもいい。私の家から歩いて行ける舞子店などは、何メートルにも広がるガラス窓一面から明石海峡大橋と海を見渡すことができ、天気のいいときなどはリゾート気分の書店になります。

本の品揃えも、ちょうど注目を集めている本を外さずに、三ノ宮店のよう中心的な店などは硬いものから柔らかいものまでバランスよく揃えていながら、舞子店や明石店などの中規模店では装丁や内容が明るい雰囲気の本を目につくように配置している気がします。そのためか、なんだか癒されるような印象があります。きっと、消費者の目には届かない細かい目配りがもっとされているのでしょう。

それだけ神経を使って店作りをしているのに、なぜか僕とここの店員さんとは相性がよくないことがある。アルバイト店員が多いからなのか、たまにとても不愉快な思いをしたこともあります。

また、女性の店員さんがおおいのだけど、彼女たち正社員風の人たちは、すこし疲れた顔をしながら、本をどう置くかに必死で、あまりお客さんとのコミュニケーションにはそれほど気を使っているようには見えない。もちろん、失礼な態度を彼女たちが取っているわけではないし、質問するとちゃんと丁寧に答えてくれるのだけど。

ジュンク堂のHPでは、現社員の方が、「本屋の仕事というのは結構孤独なもので、接客をしながらもお客様の心に触れることは稀です」とおっしゃっています。店員さんの立場ではそう感じられるのかもしれません。

でも、喫茶店ではレジ前しか店員さんと接触しない店が増えているけど、本屋さんでは、とくに大きな本屋さんでは、地味な本を探しに来ることもあるので、お客は店員さんが頼りなのだ。そんなとき、ないかもしれない本を質問するのだから、こちらは心細い。表面上はクールに装っていても、店員さんに対してびくびくしながら質問しているのです。

だから、むりやりな笑顔を作るのはしんどいだろうけど、お客さんの不安な気持ちをほどいてくれる対応をしてくれると、とてもうれしい。とくに、本屋は街の中にあり、街というのはお互いが知らない顔同士の人であふれかえっているのだから、よけいに心細くなっているので、人にやさしくして欲しいという気もちもあります。まあ、こちらの一方的なわがままなんですけどね。

でも、お店の内装には神経をとても使っているように見えるのに、なぜか店員さんの対応には会社として全然気を使っていない感じがして、そのアンバランスさが目立つ感じがします。これは、苦情ではなく、どうしても目についてしまうこと、という感じです。

実際、神戸近辺のジュンク堂のお店の雰囲気はいいと思う。東京駅にある八重洲ブックセンターや新宿のアルタ近くの紀伊国屋のような超有名店とかよりもよっぽどいいと思うのだけど。


東京にいたときに僕が好きだった本屋さんは、恵比寿駅のアトレにある有隣堂でした。 べつに品揃えがいいわけじゃないけど、なんだかお店の雰囲気がウキウキさせるようなおしゃれな感じがして、近くに来ると(そこでは本を買わないのに)よく立ち読みしました。

多くの芸術ファンの要望で閉店が取りやめになったことで有名な青山ブックセンターも、たしかに楽しいお店ですね。でも、置いてあるファッション雑誌にしても、普通の書籍にしても、ぼくにはちょっとあまりにも洗練されすぎている印象もあったかな。趣味がよすぎるというか。でも、残ってくれたのはうれしいです。


本屋さんの店員さんは、概してぶっきらぼうな感じがする。そこが変わってくれると、もっと楽しい場所になるのだけど。


涼風