淳一の「キース・リチャーズになりたいっ!!」

俺好き、映画好き、音楽好き、ゲーム好き。止まったら死ぬ回遊魚・淳一が、酸欠の日々を語りつくす。

ゴジラ生誕70周年記念映画、山崎貴監督による「ゴジラ−1.0」。時代設定も含めこれはこれで面白く楽しめた。119

2023年11月10日 | Weblog
 自慢じゃないけど、映画「ゴジラ」シリーズは、これまで第一作となる白黒映画「ゴジラ」から(その第一作とアンギラスが登場した第二作目「ゴジラの逆襲」を観たのは残念ながらテレビだったけど・・・)すべての作品を観ている。ただし、アニメで制作された「三部作」映画は除いてだ。ハリウッドで作られた「ゴジラ」シリーズも含め、とにかくゴジラ全作品をこれまで観続けてきたという自負がある。
 その中でやはり突出して良かったのは、庵野秀明が深く関わった「シン・ゴジラ」(2016)だろう。それまでのある意味「予定調和」な展開だった物語設定を全部ぶっ壊し、観客に対して意表を突く大胆な「新・ゴジラ」を提示した、画期的な作品だったと思う。



 そうなると、新たなゴジラ像とこれまでとは異なる次なるステージを我々観る側に見せつけてくれないと納得しないのは当然で、実はこの新作「ゴジラ−1.0」が制作されるというニュースを初めて聞いた時、一抹の不安が頭を過ったのもまた事実だった。
 「シンゴジラ」を超えるようなゴジラ像を生み出すことなんて果たして可能なんだろうかと・・・。
 そんな複雑な感情を抱きながらも遂に観てきました、ゴジラ生誕70周年記念映画、山崎貴監督による「ゴジラ−1.0」を。

 映画館は結構混んでいた。それも中高年が多かった。
 まずはそのストーリー設定が意表を突く。
 舞台が戦後の混乱期なのだ。
 主人公は「特攻隊」で死ぬ覚悟を決めていたにも関わらず、気の弱さから果たせなかった帰還兵(神木隆之介)の敷島という男性だ。
 彼は後ろめたさを抱えながら終戦間もない混乱の東京へと辿り着くのだが、ふとしたことで出会った女性(浜辺美波)と幼子との共同生活を強いられることになる。
 そんなある日、戦時中に遭遇して九死に一生を得たことがあった謎の怪獣が、何故か巨大化して東京の街に出現したことを知る・・・。



 そう来たか。
 観ながら思わず唸ってしまった。
 これまでも「ゴジラ」シリーズを手掛けてきた山崎貴監督、さすがに心得ていて、VFXのハイクオリティをも含め、嘗め回すようにしながら下からゴジラを掬い挙げて撮ったり、あるいは暴れ回るゴジラの全貌を頭上高く鳥瞰して撮ったりと、様々な工夫を凝らしている。
 ゴジラの狂暴性と重量感、そして人間たちの描き方、どれをとっても上手い演出だ。 
 なので「シン・ゴジラ」と比較して語るべき映画などではなく、最新作の「ゴジラ−1.0」、これはこれで正しい方法論だったと思う。
 面白かった。






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