淳一の「キース・リチャーズになりたいっ!!」

俺好き、映画好き、音楽好き、ゲーム好き。止まったら死ぬ回遊魚・淳一が、酸欠の日々を語りつくす。

「2カ月半ぶりに最低気温が0℃を超えた日、養老孟司の『超バカの壁』を読む」

2006年02月15日 | Weblog
 見る見るうちに雪が溶けてゆく。
 10℃である。何と10℃!
 75日ぶりに、最低気温が0℃を超えた。積雪量も111cmまで落ちたらしい。
 青空が見たい。抜けるような青空を。
 そしたらmixi仲間の女性が、春を告げる美しい写真を掲載してくれた。心が和む。そうかあ。関東地方はポカポカ陽気なんだよなあ。

 まだ外を散歩出来るような道路状況でもないし・・・。
 仕方ない。本でも読みますか。

 養老孟司の「超バカの壁」。
 「バカの壁」、「死の壁」に続く、新潮新書の第三弾。
 これも多分バカ売れするんだろうな。

 「バカの壁」は面白かった。
 話が通じない相手の間に横たわっているものとは一体何なのか? そこには大きな「壁」がある。つまり「バカの壁」が・・・。
 「聖戦」ジハードと言う名のもとに続く民族間の紛争や、国家間の戦争。そこには、ひたすら一方向のみを思考し続けるという、大きな「壁」が横たわっているのだと。
 養老孟司は言う。
 テロや戦争がなくならない理由は、一元論だからなのだと。
 自分の頭の中に「バカの壁」を築き、その向こう側にあるものなど全く思考しない。全て自分にだけ正義があり、他方には全くないというように。

 「超バカの壁」で興味を惹いたのは、「男女の問題」という章だ。
 男女の違いは、性染色体によって決まるのだけれど、受精したあと、それが男性か女性か、つまり性腺原基というらしいのだが、精巣になるか卵巣になるのかは、胎生期の七週目に決まるのだそうな。

 詳細はここでは省くけれど、男性だけにあるY染色体が、本来ならば「女性」であるべきなのに、余計な邪魔をする。ベースとなっている「女性」をわざわざ男性ホルモンがしゃしゃり出て、「男性」生殖器の形に変えてしまう。
 だから「出来損ない」は「男性」に多いのだと。
 それは勉強が出来るとかではなくて、偏った人、極端な人という意味での。
 うーむ。

 「超バカの壁」は、前々作の「バカの壁」に対する実践的な読者からの問い合わせに総括的に答えるという形式で、様々な問題について言及する。
 勿論、それはQ&Aという形ではないけれど。
 「テロ」、「男女」、「子ども」、「靖国」、「反日」などなどについてだ。

 「バカの壁」は、最終的には我々自身に降りかかる。
 誰もが、自分だけは「バカの壁」など無いと考えている。
 100パーセント正しいなんてないのだと、養老孟司は言う。せいぜい60パーセントぐらいが妥当だろうとも。

 そうは言っても・・・。
 中々そこから人間は自由になれない。
 そして今日も、ギクシャクとした人間関係の渦の中に、私たちは放り出されるのである。

 俺は間違ってなんかいない! 周りの奴らがバカなんだ!
 よくある話である。
 
 

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