日本人に近眼が多いのは、縦書きであった文章を横書きにして読むようになったせいだというような説があります。
冗談なのかもしれませんが、文字自体に近眼を多くする原因はあります。
図で見るように同じ意味の単語に対して、漢字が一番表示幅が少なくてすんでいます。
つまり文字を読むとき狭い範囲に眼を集中させて読むことになります。
また、形が複雑なので読み取るのに集中力がよぶんに必要でもあります。
したがってどうしても眼を疲れさせ、眼を悪くしやすいことになります。
漢字は元来が一文字一単語ですが、英語などは幾つかの文字が集まって一単語となっています。
英語の単語を覚えるときは文字の綴りと読み方を結びつけるのですが、読むときに一文字づつたどっていったのではとても大変です。
綴りでは文字がくっついていて、一文字づつ見ていったのでは文字が細かいこともあり、非常に集中力が要求されます。
英語の文字表記の仕方は単語としては凝集力があり、ばらばらの文字の集まりではなく一つの形としてまとまっています。
したがって文字の習い始めはともかく、習熟してくれば当然一目で単語が分かるようになっています。
アメリカの速読法では、先ず第一歩が単語のつかみ読みとなっていて、文字を一つづつ見ていくのではなく、パッと一瞥で単語を読み取ることが出来るようにしています。
別に速読でなくとも、単語の文字を一つづつたどるのではなく、一目で把握することが出来なければ文章の意味の理解はおぼつきません。
文字綴りの表記が一文字づつ等間隔に並べられているのではなく、まとまりよく並んでいるので読みやすくなっているのです。
もし一文字づつ順に見ていって読むというやり方をしていけば、漢字の読み取り以上に目を細かく使わなければならず、たちまちのうちに眼が疲れてしまいます。
日本語の場合は漢字かな交じり文なのですが、漢字の部分は一文字語だけでなく、二文字単語、三文字、四文字以上の単語がありますか。
二文字以上の単語については、一文字づつの逐次読みをしていてはスムーズな読みは出来ません。
二文字以上の漢字単語については、逐次読みでなく一目で読めるような訓練をしておかないと、読みの能力が出来ないだけでなく眼を悪くするようになります。
速読ではなくとも、漢字熟語の一瞥読みが出来るようになっておく必要があるのです。