60歳からの視覚能力

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立体視がうまくいかない場合

2006-12-07 22:51:56 | 視角能力

 上の左右の円が寄り眼で重なるように見た場合どのように見えるでしょうか。
 頭の中で考えた場合は真ん中の四角の上に円が重なり、四角は見えなくなり、黒い円の中に白抜きで123という文字が見られると予想するかもしれません。
 実際にやって見ると結果は下のようになり、四角は見えなくなるのではなく、二つに見えるようになります。
 普通は左右二つの円を寄り眼で融合させて見る図では、真ん中のに何も描かれていないので、寄り目をしたとき左右の円が重なったものが真ん中に見え、合計三つの円が見えるので、真ん中の部分が二つに見えるようになるということに気がつかないのです。
 この場合のように真ん中に図形を描いておけば、寄り眼をしたとき左右に二つに分かれて見えるということが分かるのです。

 真ん中は左右の円が重なった形になり、白抜きの文字は2の部分で重なり、両側に1と3が見えるので、123となって見えます。
 このとき真ん中に見える円は手前に浮き出て見えるのですが、よく見ると2義地番前に見え、1と3は2より奥に見えます。
 そのため、どうかすると1あるいは3のどちらかがよく見えないというようなことがありますが、黒い円が一つで浮き出て見えるなら、立体視はできています。

 立体視がうまく出来ず、二つの円がなかなかうまく真ん中で重ならないという人がいます。
 一つの原因は顔をまっすぐ図のほうに向けていない場合です。
 ものを見るとき顔を左右どちらかに傾けて見る癖のある場合は、円のどちらかが上に上がってどうしても二つの円が重なりません。
 両眼が水平になるよう顔をまっすぐに向ければ出来るようになることがあります。
 また顔を真ん中にまっすぐ向けて見ない場合も、なかなかうまくいきません。
 顔を左右どちらかにそむける癖があると、真ん中で左右の円を融合させるのはかなり難しくなるからです。

 先ず鼻をまっすぐ真ん中の四角に向け、先に右の目で左の円を見てそのまま左の眼で右の円を見ると左右から円が真ん中によってきて、融合します。
 あるいはまっすぐ両目で真ん中の四角を見て、鼻と四角の間に指を立て指先に眼を移すと指の先に左右の円が重なって見えます。
 このとき四角形は二つに分かれて下の図のように見えるようになります。
 真ん中に二つの円が融合して見えるとき、真ん中に浮き上がって見える円はちょうど額の真ん中にもう一つの眼があって、その眼で見ているような感じです。
 この真ん中の眼で見るような感覚で見ているときは、真ん中の123という文字は安定して見えます。
 
 真ん中の眼で浮き上がった真ん中の円を見ているときこの円に向かって指を指すと、指は一本で、真ん中に見えます。
 このとき右目を閉じれば指は左の円を指し、左目を閉じれば右の円を指しているように見えます。
 この見え方は利き目がどちらでもおなじで、利き目だからといって指が真ん中を指しているようにははみえないのです。