仲秋の夜、老母不予となる。
「腎臓が ぺらぺらといふ ぺらぺらの うす断面を くすしゆびさす」
「肺にみづ 心臓肥大 弁すでに 石灰化して みゆとつげらる」
「さまざまに 不具合ありと あがははは 上皇陛下に おなじよはひぞ」
「すみやかに いとおほきなる 病院へ てづからいれぬ しあはせたりや」
「よのなかに さらぬわかれの なくもがなと なべてのひとの こにはかはらず」
「病室に母置き 去りて 秋の月」
またの日
「しぬるまで ひといくるより ほかなしと なべてのことを おもひしりぬる」
「いつかゆく よみぢとぞおもふ ひととして おもむかざるは たれもなければ」
またの日
「てはつくす されどかぎりは あることと つれなきこゑに くすしかたれり」
「のどふかく くださしいれて めをとぢて いとくるしげに いきづくははは」
「かたはらに をるも詮なし はやかへれ しらせをまてと いふにしたがふ」
「たらちねの ははしにたりと つげくるを ただにきくべき スマートフォンか」
「かけをりし マナーモードを とりはづす ゆゆしきしらせ きかむがために」
「やそとせに むとせあまれる おいびとの いのちのほむら きえむとするか」
「よよの集 哀傷の部に あつめたる うたのこころを ありありとしる」
「まくらべに スマートフォンの 着信音 最大にして ねぶらむとする」
「かくしつつ ねぶりにおちて そのままに めざめざりせば こころやすきか」
「しらせなし ことなかるべし ひとのこは ひとへにいのる ほかてだてなし」
業平も 茂吉もかくや おもひけむ するするうたは くちつきていづ(右往左翁)
「腎臓が ぺらぺらといふ ぺらぺらの うす断面を くすしゆびさす」
「肺にみづ 心臓肥大 弁すでに 石灰化して みゆとつげらる」
「さまざまに 不具合ありと あがははは 上皇陛下に おなじよはひぞ」
「すみやかに いとおほきなる 病院へ てづからいれぬ しあはせたりや」
「よのなかに さらぬわかれの なくもがなと なべてのひとの こにはかはらず」
「病室に母置き 去りて 秋の月」
またの日
「しぬるまで ひといくるより ほかなしと なべてのことを おもひしりぬる」
「いつかゆく よみぢとぞおもふ ひととして おもむかざるは たれもなければ」
またの日
「てはつくす されどかぎりは あることと つれなきこゑに くすしかたれり」
「のどふかく くださしいれて めをとぢて いとくるしげに いきづくははは」
「かたはらに をるも詮なし はやかへれ しらせをまてと いふにしたがふ」
「たらちねの ははしにたりと つげくるを ただにきくべき スマートフォンか」
「かけをりし マナーモードを とりはづす ゆゆしきしらせ きかむがために」
「やそとせに むとせあまれる おいびとの いのちのほむら きえむとするか」
「よよの集 哀傷の部に あつめたる うたのこころを ありありとしる」
「まくらべに スマートフォンの 着信音 最大にして ねぶらむとする」
「かくしつつ ねぶりにおちて そのままに めざめざりせば こころやすきか」
「しらせなし ことなかるべし ひとのこは ひとへにいのる ほかてだてなし」
業平も 茂吉もかくや おもひけむ するするうたは くちつきていづ(右往左翁)
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