『やんちゃジジイ・ゆうちゃん』のイカすセカンドライフ

我儘で『やんちゃ』な爺さんの目標は、
周りに笑顔を振りまいて、楽しくセカンドライフを生きる事。

「技術は人のために」

2011年08月21日 | Weblog

技術系の仕事をやるようになってから、本田宗一郎の著書や、
彼のドキュメンタリー番組とかに物凄く興味があり、
今朝もテレビ朝日の「サンデーフロントライン」という番組でやっていた、
「技術は人のために」をしっかり観てしまった。

本田宗一郎は技術に自分の考えがしっかりして揺るがない、
いわゆる頑固な独裁的経営者だったが、決して金の為だけに仕事をするのではない
その精神の根幹に、「技術は人のために」が常にあった処に惹かれ、尊敬している。

僕が20代に車に目覚めて、整備の学校で車の構造について勉強したのだけれど、
僕は、技術の世界に進むのなら開発や設計といったクリエイティブな仕事がしたいと
思っていたところに、トヨタや日産より先に厳しい排気ガス規制をクリアする
CVCCエンジンを作り上げたホンダの技術に感心し、
その当時、富士スピードウェイでやっていた耐久レースの『富士ロングディスタンスシリーズ』に、
そのCVCCエンジンを搭載したシビックで参戦していた大和シビックが
雨の中でのレースになると、圧倒的な強さを発揮することを見て、
こんな車を作り上げる会社で働きたいと、本田技研工業の研究所の入社試験を受けた。

まぁ、結果はこちらの甘い考えをしっかり見透かされていたかのように、
何とか面接にこぎつけたけれど、見事に不合格の通知が来た。
それ以来、本田宗一郎の「技術は人のために」という精神とはどんなことなのか?
それがついこの間まで僕の中で、理解できて居ないことがわかった。

要は、こんなものがあったら喜ぶだろうとか、世の中の役に立つだとか
最初から金儲けのために開発するのではなく、人のための技術を磨くこと。
そしてその技術を世の中が受け入れた時に、利益が生まれるって言うのかな?
最初から金儲けのために仕事をしても、駄目なんだって・・・・
 
今の、仕事をやっていて若い技術者の仕事のやり方に
『夢が無いなぁ』
って感じる一番の理由は、そんなことから来ているのかも知れない。

そういう意味では、僕は『夢』じゃ無いけれど、誰もやらない仕事を
一人でやることが多かったのが、結果として良かった気がする。

そして本田総一郎の言葉で、一番共感を持っている言葉。
『俺が解らないことをやっているのがうれしい』

往々にして、僕の会社では上司が指示を出しすぎる。
仕事の進め方に関しては、指示を出すのはいいと思うが、
技術的な部分まで口出しをして、自分の思っているとおりにやらせる。
僕に言わせれば、それじゃいつまで経っても新しいものは出来ない。
新しい事にチャレンジさせないから、新製品なんて名ばかりで、
20年も前の設計のものをコピーして同じものを作り続けている。

そういった古い人間たちが、実際に『伝統ある』、『実績ある』、『安定した』
などと言って自分のやってきたことを肯定しているような状態だから当たり前のこと。
そういう人はよほど自分の居場所を確保したいんだな・・・
って、僕にはそんな風にしか見えない。

幸い?なことに、電気設計の世界ではそれは出来なくなってきている。
PCの世界で解るように、電気部品の世界では2,3年で部品が進化して
5年も前のものは、一世代前のものになってしまうのが常識。
つまり、開発スピードは2年で3年ごとにモデルチェンジしないと
世の中の動きについて行けなくなる。ここ数年はそれが顕著になっている。

そういう意味で本田さんの
『俺が解らないことをやっているのがうれしい』
という言葉は、素晴らしいなって思う。
ジジイに解らない技術を使って居る・・・・
それが進歩しているという事だからね。

コメント
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