史跡訪問の日々

幕末維新に関わった有名無名の人生を追って、全国各地の史跡を訪ね歩いています。

土浦 Ⅲ

2020年01月11日 | 茨城県

(浄真寺)

 土浦への出張の機会を得たので、約束の時間一時間前の特急で先乗りし、浄真寺を訪ねた。土浦駅から合同庁舎行きのバスに乗って真鍋橋バス停で降りれば、浄真寺は目の前である(土浦市立田町3-28)。

 

 

浄真寺 

 

 浄真寺の墓地は想像以上に広かった。ここで片岡家の墓を探し当てるのは、なかなか容易ではない。十分ほど墓地を歩いて出会うことができた。

 片岡家の墓に高野長英が合葬されている。片岡家の墓の礎石に大きく「神崎屋」と刻まれているが、長英の後見人神崎屋源造家の墓である。佐藤昌介著「高野長英」(岩波新書)によれば、神崎屋源造は、水沢から江戸に出てきた長英が身を寄せた先で、日本橋堀留町で薬種屋を営んでいた。長英が長崎へ遊学した際にも経済的に支援をし、さらに長英が処刑されると遺体を引き取り、密かにこの地に埋葬したといわれる。

 高野長英という人は、相当な自信家で自我の強い人だったようだが、同時に蘭学・蘭語の水準は当代随一でもあった。神崎屋源造が惜しまず経済的支援をしたのも、長英の抜群の学識に惚れ込んだからであろう。

 

 

先祖代々之墓(片岡家の墓)

 

 傍らの墓誌の一番右に「高野長英之霊」とある。

 

 

片岡家先祖代々精霊

高野長英之霊

 

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