史跡訪問の日々

幕末維新に関わった有名無名の人生を追って、全国各地の史跡を訪ね歩いています。

佐久 Ⅵ

2022年02月12日 | 長野県

(橘倉酒造)

 佐久市臼田の橘蔵(たちくら)酒造の歴史は江戸初期まで遡ることができるという。少なくとも三百年以上の歴史を持つという、我が国で最も古い酒屋の一つである。

 

蔵元売店「酒楽」

 

橘倉酒造

 

 お酒を販売する売店「酒楽」に隣接して二階建ての建物があるが、その二階に「不重来館」と名付けられた資料館が開設されている。勝海舟や渋沢栄一、中江兆民といった文化人、政治家の書が多数収集、展示されている。事前予約が必要とのことで、昨年の夏、一度事前に連絡を入れたのだが、やはりコロナ禍が完全に収束していないという理由で断られてしまった。残念ながら、今も不重来館は、閉鎖された状態が続いている。「酒楽」の店員さんによれば、コロナ以前は毎日のようにバスでお客さんが押し寄せるほどの繁盛だったようである。

 残念だが、今回は特に人気の高い「無尽蔵」と甘酒を購入して、橘倉酒造をあとにした。

 

(内山峡)

 内山峡は奇岩怪岩がそびえる景勝地である。

 青年時代の渋沢栄一は、家業の藍玉を売るために信州を訪れ、尾高惇忠と「巡信紀詩」を合作した。昭和十五年(1940)、「巡信紀詩」にある栄一の長詩「内山峡」に感動した地元有志により、石宮(阿夫利神社)の横の岩壁に詩が刻まれた。

 

内山峡

 

渋澤青淵先生内山峡之詩

 

 渋沢栄一の長詩「内山峡」の一節「勢衝青天攘臂躋」(勢は青天を衝いて臂(ひじ)を攘(まく)りて躋(のほ)り)から、今年の大河ドラマ「青天を衝け」のタイトルが生まれた。来客を見越して付近には臨時駐車場が整備されているが、残念なことに石宮や石碑の周辺は、崩落の危険があるため立入禁止となっている。

 内山峡を走る国道254号線(旧下仁田街道)は、佐久と下仁田を結んでいる。天気も良かったし、快適に峠を越え、下仁田に至ることができた。この辺りは野生のシカが棲息しているらしく、道路沿いには「シカ注意」の標識が多数出ているが、道路の真ん中に自動車にはねられたと思われるシカの死体が横たわっているのには驚いた。

 

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