史跡訪問の日々

幕末維新に関わった有名無名の人生を追って、全国各地の史跡を訪ね歩いています。

熊谷 Ⅶ

2021年11月20日 | 埼玉県

(元素楼)

 

行啓記念碑(元素楼跡)

 

 深谷市玉井に行啓記念碑が建てられている。明治二年(1869)、蚕糸業の先駆者である鯨井勘衛は屋敷内に三階建ての大蚕室「元素楼」を建て、清涼育と呼ばれる養蚕技術の指導を行った。元素楼には昭憲皇后と英照皇太后が訪れた。それを記念した碑である。

 

(集福寺)

 集福寺は、もともと臨済宗寺院として創建されたが、永正年間(1504~1520)に曹洞宗寺院に改められたという。広い境内を持つ寺で、いかにも禅の道場といった風情が感じられる。

 

集福寺

 

 集福寺は江戸時代中期から地域周辺の土木事業などを進めた慈善家吉田市右衛門家の菩提寺として知られる。当院には江戸時代から明治時代にかけて、吉田家を訪問した多くの著名人が訪れた。清水卯三郎や五代友厚も吉田家及び集福寺を訪れている。

 

(愛染堂)

 

愛染堂

 

 愛染堂には、尾高惇忠が揮毫した奉納額(熊谷市指定有形民俗文化財)がある。しかし奉納額は公開されておらず、無駄足になってしまった。今年二月には大河ドラマを記念して公開されていたそうだが、残念ながら実見することはできなかった。

 

共進成業唯頼冥護

尾高惇忠書

 

(長島記念館)

 小八林の長島記念館は、旧埼玉銀行(現・りそな銀行)頭取・会長を務め、埼玉県経済の発展に尽くした長島恭助の生家を利用して平成六年(1994)に開設された美術館である。入館料は三百円。

 入って右側には土蔵を改装した美術品展示室があり、長島恭助が収集した川合玉堂や横山大観らの絵画、渋沢栄一、高山彦九郎の書簡、掛軸、日記、刀剣、美術工芸品などが展示されている。

 

長島邸母屋

 

長島邸内

 

 母屋には懐かしい昭和のおもちゃや民芸品などが並べられている。

 ほかに客はおらず、心行くまで展示を楽しむことができた。受付の御婦人はとても親切で、各種パンフレットのほか、

「自分で漬けたので」

と梅干まで頂戴してしまった。

 

長島記念館

 

「温良恭謙譲」

渋沢栄一書

 

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