この時代の筆者個人に音楽の趣味は可なり偏りがあった。簡単にいうと70年代は、聴くためのロックと演奏するためのロックには随分開きがあった。というのは前者に関して言えば、聴くためのロックはやはりクラシック出身者だったために、その影響を受けた、或いはテイストを持ったバンドに関して深く魅かれるもので、やはりその中心はプログレであったことは間違いない。70年同様、未だ、リアルタイムとそうでない音楽が混在していたが、かなりこの2~3年で、リアルタイムの比重が高くなってきたことも事実である。一方で演奏する音楽というのは、どちらかというと今までの自分にキャラにはなかった音楽だ。簡単にいってしまえばカッコよさである。クラシックのカッコよさっていうのは勝手にシンフォニーだとかと思っているし、だけど所謂ハードロックのカッコよさというのは、今まで演奏してきたのがピアノ中心という環境には無かったものである。あとあと振り返ると60年代とは違うし、また前年からも大きく違いが出て来た一年だったのだと思う。
1. IV/レッド・ツェッペリン 8381
2. フーズ・ネクスト/ザ・フー 8317
3. スティッキー・フィンガーズ/ローリング・ストーンズ 7995
4. 展覧会の絵/エマーソン、レイク&パーマー 7926
5. こわれもの/イエス 7811
やはりこの年はツェッペリンの「IV」。御存じのようにこのアルバムのタイトルはメンバー4人のシンボルマークが付けられたもので正式な言語でのタイトルはないが、「フォーシンボル」などと通称で呼ばれること多い。続いてフー、ストーンズが続く。この3枚は、どちらかと言うと演奏していてカッコ良いと憧れる音楽である。しかし、どれも、中々ド素人バンドには音にならないし、大体、ミック・ジャガー、ロバート・プラント、ロジャー・ダルトリ―なんて真似してできる相手ではない。で、勿論、4位のELP、5位のイエスも同じである。しかし、筆者はそれから後3~4年すると、このプログレって言われている音楽、特にイエスに関しては、下手の横付きで随分演奏にもチャレンジしたものだが、このアルバムと「危機」は大変多かったと思う。そういう意味では、この4位、5位というのは確かによく出来ている作品であるが、この年において筆者でなければこんなに高得点で上位にはランキングされないのじゃないかと思っている。