東京教組(東京都公立学校教職員組合)

教職員のセーフティーネット“東京教組”

第63回関東ブロック母と女性教職員の会平和の誓い新たに 

2016年11月07日 | 日記

8月7~8日、9年ぶりに東京で関ブロ母女の会が開催されました。「子どもたちに平和で平等な未来を! ~生かそう憲法・子どもの権利条約を~」をテーマに、一日目は分科会、二日目は全体会が行われました。分科会は、【こどもと人権】【幼児と小学生】【中・高校生】【インクルーシブな教育】【平和・環境】【自立と共生の教育】の6つに分かれ、様々な体験や実践の報告、提案があり活発な話し合いが行われていました。

記念講演では、「東京大空襲を伝えていくこと」と題し、山本唯人さん(東京大空襲・戦災資料センター主任研究員)と竹内静代さん(東京大空襲を体験者)のお話をお聞きしました。 山本さんのお話から、空襲が歴史的にどのように推移し、東京大空襲へと至ったのか、その後の朝鮮戦争やベトナム戦争、アフガニスタンやイラクへの空爆につながっていったのかが分かり、東京大空襲は一つの点ではないことがはっきりしました。東京大空襲を考える視点として、山本さんは次の3つを挙げていました。①多くの列強諸国が被害国であると同時に加害国であること。②被害の実態を明らかにすると同時に、加害責任について問う必要があること。③被害国にも加害国にもならないためにはどうすべきか考えること。そして体験の継承をどのように作り上げていくべきかについても話されました。戦争の体験世代が減少していくことで、東京大空襲を含む先の戦争は、直接的な「記憶」から間接的な資料や文字によってしか知りえない「歴史」になっていくこと。そうした中で、私たちは過去の体験とどのように「出会い直す」ことができるかが重要であること。体験者の声や実物の資料、芸術作品、新し
い研究などに触れてリアリティをもって過去を想像し、体験を引き継いでいくことが求められているとのことでした。
 東京大空襲を体験された竹内さんのお話で印象的だったのは、焼け落ちた自宅に戻り、大切にしていた英語の辞書が灰になって風に飛んでしまったときの喪失感は忘れられないというものでした。戦後2時間半かけて学校へ通ったが、明日が分からず生きていた戦時中より、何もなくなってしまったけれど、明日も学校に来ていいんだということが嬉しくて仕方がなかったそうです。戦時中の教育の重さ、教育の力の大きさについても語られ、「71年間、明日のある生活をしてきた。明日のことを考えられる世の中であってほしい。そういう世の中をつくっていきたい。あと29年続けば戦争のない100年になる。」という言葉に、明日をつくる子どもたちとしっかり向き合っていかなければいけないと思いました。危険な安保法制が進んでいこうとしている今、改めて平和の大切さを考える2日間となりました。


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