東京教組(東京都公立学校教職員組合)

教職員のセーフティーネット“東京教組”

「みんなの学校」が教えてくれたこと

2016年04月04日 | 日記

 昨年のブログで「みんなの学校」というドキュメンタリー映画を紹介した。
 制作した真鍋監督は、「いろんな子どもたちが一緒に学ぶことが自然だと感じるようになった。教育の多様性を知ってほしい」と語る。
 全校生徒220人のうち約30人は「発達障害」などがあるが、特別支援教室ではなく、各学年とも一つの教室で一緒に学ぶ大阪市立大空小学校のありのままが記録されている。その中で、児童、教職員、地域のみんなが変わっていく姿を一年間記録したドキュメンタリーだ。
 学校の理念は「すべての子どもの学習権を保障する学校をつくる」であり、不登校はゼロ。唯一のルールとして“自分がされていやなことは人にしない 言わない”という「たったひとつの約束」。なにより、子どもたちと教職員の笑顔がいい!

 その大阪市立大空小学校の木村泰子前校長が、「みんなの学校」が教えてくれたこと(小学館)という本を出した。  
 子ども、地域、教職員、保護者がみんなでつくるみんなの学校はどのような理念と実践によってできたかを明らかにしてくれる。管理職の教科書にもなるだろう。校長に是非読んでほしい本だ。
 映画「みんなの学校」は文化庁芸術祭大賞も受賞し、これを見た下村前文科大臣が「校長のリーダーシップを、是非全国の管理職を目指す人たちに伝授してください」と言われたそうだが、著者は、校長の仕事は、みんながつくるみんなの学校は実践した事実(子どもと教員の学び)をつくることだと言う。
 「教える専門家」から「学びの専門家」に。という理念は、私たち教職員が常に心がけなければならない。
 この学校は、どんな子も排除せず共に学ぶ。
 排除は、学びを棄てることと考え、支援が必要な子、問題を起こす子から教職員(大人)が学び、変わることで子どもも変わると考え実践してきた。
 映画も是非見てほしいが、その背景にある木村さんの45年間の失敗を積み重ねてきた教育実践にも本書で是非ふれてほしい。


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