東京教組(東京都公立学校教職員組合)

教職員のセーフティーネット“東京教組”

交通安全運動を前に考える

2016年04月08日 | 日記

いつものように、最寄り駅を降りて交差点をわたろうと信号待ちをしていたときのことである。いつもなら本線側の信号が赤になると、交差している道路側の信号が青になるのだが、車側の信号は青になったのに、歩行者側の信号がいつまでたっても赤のままだった。信号が故障したのかと思って、赤信号のままわたってしまってから、理由がわかった。信号のシステムが変わり、横断側の車両と歩行者の青信号が分離されたためだったのだ。つまり、本線側の信号が赤になると、まず、横断側の車両向け信号のみが青に変わり、その後、車両向けの信号が、本線・横断ともに赤になってから、横断する歩行者用の信号が青になる仕組みになっていた。いわゆる「歩車分離」という信号だ。厳密には、本線と同じ方向にわたる歩行者向け信号は、本線側の信号が青になってしばらく青のままだから、全面歩車分離ではない。

この変化の理由はよくわからないが、こうした信号にすれば、左折巻き込まれ事故が減ることは、十分予想がつく。以前勤務していた世田谷区では、母親の目の前で、自転車に乗った小学生が、左折してきたトラックに巻き込まれてなくなった。教育委員会と警察から学校に、交通安全の注意喚起を求める文書が届いたが、青で進んで事故に遭うことの理不尽さを、しっかり考えたとは思えない。

こうした左折巻き込まれ事故は、後を絶たない。今年の2月に町田市でも起きている。都内では、昨年3月に多摩市で小学校2年生の女の子が、その2週間後には、江東区の交差点で小学校五年生の男の子が死亡している。ことに2月には、足立区で小学校1年生の男の子が、このときは右折してきたトラックに引かれている。いずれのケースでも、歩行者は青信号をわたっているのだから、親はやりきれないだろう。

警視庁は、多摩市と江東区の事故現場の信号を「歩車分離式」にしたそうだが、歩車分離信号の割合は、全国では2.7%にすぎないという。事故があった交差点は、最優先に「歩車分離」をすべきではないだろうか。子どもたちに「交通安全」をいう前に、大人の責任として。