東京教組(東京都公立学校教職員組合)

教職員のセーフティーネット“東京教組”

自分をえらんで生まれてきたよ

2014年03月13日 | インポート

Photo 「ことば」を発し始めた子どもに感動して書きとめる習慣は、どの親にもあると思う。
 その発想力、想像力の豊かさと言葉の鋭さに驚愕してしまう。親バカと思いつつ、わが子を天才だと思ってしまう。それが、いつごろから書きとめなくなるのだろうか?10歳ごろが境目のような気がする。
 さて、りお君は、それは天才的な詩人である。大人に見えないものが彼には見え、忘れてしまったものを記憶している。それは彼が生まれる前までたどることができて、自分はパパとママを選んで生まれてきたと確信をもって語る。

人間は死んでも、
体がなくなっても、
心は残るように、
できている。(9歳)

     「自分をえらんで生まれてきたよ」
     (いんやく りお、サンマーク出版)

 この確信にみちた「ことば」は、重篤な心臓病の彼が実感しているからだとしか言いようがない。

すごい秘密に、気づいたよ。
時間があるから、ものはある。
時間があるから、光はある。
ものは、ぜんぶ、時間で、できている。
ものが時間でできているのには、二つの理由がある。
一つめの理由。
ものは、時間がたつと、人がつくったり、形や場所が変わったりする。
だから、時間が、ものをつくっている。
二つめの理由。
それは、ものが、時間の粒で、できているから。
時間は、目に見えない、小さな粒でできている。
ものも、目に見えない、小さな粒でできている。
うんと小さくすると、みんな同じ。
時間の粒も、ものの粒も、光の粒も、みんな同じ。
だから、ものは時間で、できているんだ。
みんな同じ粒でできているっていうのが、すごいことなんだ。
みんな同じ粒でできているっていうのが、いいことなんだよ。
粒と粒が集まると、のりみたいに、くっつく。
心も、肉も、みんな、粒が集まってできている。
神さまも粒。地球も粒。星も粒。
みんな同じ、目に見えない小さな粒で、できている。
骨も、肺も、髪の毛も、みんな、小さな粒でできている。
小さな粒がないと、ぼくたちは、生きていけない。
だから、自分の体に、いじわるしちゃ、だめ。
人を傷つけるのも、だめ。

戦争は、
みんなの小さな粒を、奪うことになるから、
だめ。
小さな粒を、盗んじやいけない。
人のいのちや、
体を、盗むのはいけない。
殺すということは
小さな粒を、盗むこと。
だから、だめなんだ。
だから、人生では。
いいことをつくらなきやいけない。
あわてても同じ。
あせっても同じ。
落ちついて、
人生は、ゆっくりがいい。(7歳)

 7歳の子どもは、これだけの理性と倫理を持っていますよと、りお君は警告しているのかもしれない。子どもの権利条約の意見表明権を大人たちが理解し、認めれば世界は変わる。

アメリカの大統領がニュースで、
「われわれは平和のために戦争をする」って
いっていたけれど、ぼくはちょっと変だと思うな。
戦争したら、平和じゃなくなるでしょ。
ぼく、大統領に会って、どういうことか、聞いてみたいな。(8歳)

 この問いに、オバマ大統領や安倍首相は、答える義務があるだろう。
 (扇流し・ウメ)