東京教組(東京都公立学校教職員組合)

教職員のセーフティーネット“東京教組”

ヒロシマ・フクシマ・カミノセキ

2012年09月04日 | インポート
 被曝67周年原水爆禁止世界大会広島大会に参加した東京教組の仲間からの報告です。
 ヒロシマ・ナガサキの悲惨な経験をした私たちは「核と人類は共存できない。」の故森瀧一郎先生の言葉を噛みしめ、核廃絶の運動を進めてきました。しかしながら、平和利用の名のもとに原子力発電所の建設を許してしまい、2011年3月11日の東日本大震災に伴う福島第一原発事故によって多くの放射線被爆者を生み出してしまいました。福島原発は、今なお事故収束の見通しもつかず、放射線量があまりにも高いため故郷を捨てざるを得ず、多くの人々が家や土地を奪われ、未だに避難生活を余儀なくされています。にもかかわらず、政府や電力会社は関西電力・大飯原子力発電所の再稼働を強行しました。その様な中で迎えた今年の原水禁大会でした。
 4日は、まだ日差しが高い中、核兵器廃絶2012年平和ヒロシマ大会の会場であるグリーンアリーナまで折り鶴行進を行いました。大会では、原水禁・連合・核禁会議三団体主催の会議ですので福島第一原発事故についてのスローガンがなく大変残念でしたが、被爆者代表や原水禁代表がノーモアフクシマを強調していたのが救いでした。
 5日は山口県原水禁の主催で上関原発現地ツアーに参加しました。バスに揺られて着いた室津港から船で40分の離島・祝島、そこから対岸4キロ先に見える長島、ここが上関原発の建設予定地です。建設予定地とされた田子の浦など周辺海域は良好な漁場で、祝島の島民は温暖な気候と豊かな自然に恵まれ、農業や漁業を主な糧に長年にわたり生活を営んできました。中国電力による「原発建設計画」が持ち上がって以降30年になりますが、島民の9割が建設に反対し、島ぐるみの原発建設反対運動が進められてきました。しかし、中国電力は建設準備工事を妨害したとして、損害賠償訴訟を起こしたりして反対運動を押しつぶそうと躍起になっています。現在、海域は一部埋め立てを強行されていますが、工事はストップしています。しかし中国電力は建設を諦めた訳ではありません。全国の人々の力で建設断念に追い込むことが問われています。
 6日の広島市主催の式典に参加しました。現在なお、高線量の地に住まわされている福島の子どもたちに思いを馳せたとき、野田総理の挨拶に比べ子ども代表の言葉の重みを感じる今年の式典でした。