ロック歌手の忌野清志郎さんが、音楽評論家であり作詞家、翻訳家の湯川れい子さんにあてた手紙を湯川さんがツィッターで公開した。
これが、今の日本と私たちの気持ちをとらえていてなかなかいい。
地震の後には戦争がやってくる。
軍隊を持ちたい政治家が、
TVででかい事を言い始めてる。国民をバカにして戦争にかり立てる。
自分は安全なところで偉そうにしてるだけ。阪神大震災から5年。
俺は大阪の水浸しになった部屋で目が覚めた。
TVをつけると、5カ所ほどから火の手がのぼっていた。「これはすぐに消えるだろう」と思ってまた眠った。
6時間後に目が覚めると、神戸の街は火の海と化していた。
この国は何をやってるんだ。
復興資金は大手ゼネコンに流れ、神戸の土建屋は自己破産を申請する。これが日本だ。
私の国だ。とっくの昔に死んだ有名だった映画スターの兄ですと言って、返り咲いた政治家。
弟はドラムを叩くシーンで、僕はロックン・ロールじゃありません、と自白している。
政治家は反米主義に拍車がかかり、もう後もどりできゃしない。
そのうち、リズム&ブルースもロックも禁止されるだろう。
政治家はみんな防衛庁が大好きらしい。人を助けるとか、世界を平和にするとか言って、実は軍隊を動かして世界を征服したい。
俺はまるで共産党員みたいだな。
普通にロックをやってきただけなんだけど。そうだよ、売れない音楽をずっとやってきたんだ。
何を学ぼうと思ったわけじゃない。
好きな音楽をやっているだけだ。それを、何かに利用しようなんて思わない。
せこい奴らとはちがう。民衆をだまして、民衆を利用して、いったい何になりたいんだ。
予算はどーなってるんだ。
予算をどう使うかっていうのは、いったい誰が決めてるんだ。
10万円のために人を殺す奴もいれば、10兆円とか100兆円とかを動かしてる奴もいるんだ。一体この国は何なんだ。
俺が生まれて育ったこの国のことだ。
君が生まれて育ったこの国のことだよ。
どーだろう……、この国の憲法第九条は、まるでジョン・レノンの考え方みたいじゃないか?
戦争を放棄して、世界の平和のためにがんばるって言ってるんだぜ。
俺達はジョン・レノンみたいじゃないか。戦争はやめよう。
平和に生きよう。
そして、みんな平等に暮らそう。
きっと幸せになれるよ。
(シラン)