イーハトーブ岩手の水ブログ

岩手の渓流や三陸の海、みちのく奥州の自然にまつわる出来事や話題を伝えます。更にFM岩手「水のラジオ」の情報も掲載。

東京の釣友と渓へ

2013年06月26日 | 川と森の話
更新が遅れました。
先週の頭に、久々に東京で暮らす釣友・大石氏と北上山系の渓へ行って来た。

なんと彼は、東京から車で岩手にやってきた。
日曜日の午後3時頃に東京を出発し、午後7時半頃に北上に着いた。
その夜は、北上の馴染みの店で、旬の魚介と山菜で痛飲し、
翌朝、僕の車でまずは遠野の小烏瀬川を目指した。

ところが・・・
川はかなりの渇水で、更に前日の日曜日に相当いじめられたらしく、
魚の出はイマイチ。
それでも彼は、久々の遠野の川で、約20年前に奥方とキャンプした思い出や
様々な出来事に思いをめぐらせたようだ。
その後、遠野でそばを昼飯に、笛吹峠を越えて鵜住居川に向かった。
鵜住居川は、いつもどおり透明な流れで、魚の気配はするのだが・・・
なかなかフライには出てくれない。
中流域のココゾ、という場所でさえ・・・ウンスンなのだ。困った。

それからイブニングPを探して、下流域に向かったが・・・
鵜住居川の下流域周辺は、仮設住宅団地が点在し、
とても釣りをするような環境ではない。
それならば・・・と、中流域に引き返し、岸辺でライズを探した。
すると、小さなライズを一つ、二つ発見!
そこから大石氏がコンスタントに山女魚を釣りあげた。

その日竿を納めた後は、一路大槌町浪板の民宿「さんずろ家」へ。
久々にもかかわらず、女将さんはいつもの笑顔で迎えてくれた。
その夜も、さんずろ家のお膳を肴に、またしても痛飲。
そして、業界のアレコレや仕事のアレコレ、※※なアレコレ・・・
語り尽くせない話を肴に杯を重ねた。

続きは後ほど。

奥羽山系の川も初夏の気配

2013年06月07日 | 川と森の話
春が遅かった今年は、北上山系の川でさえ10日から二週間も
自然界の様々な「はじまり」が遅かった。
ということは、秋田県との境にある奥羽山系の森や川は、
更に一段と遅かった。

写真は、五月時下旬の和賀川水系尻平川。
これでも通常よりやや水量が多い状況。
連休中などは、雪代水で大増水で、
その後も何度か仕事の途中に川を覗いたが、水位は下がらなかった。
そんな尻平川も田植えシーズンを過ぎた五月下旬になると、
ようやく釣りができるコンディションになった。
そこで、仕事があいた平日の2時間ばかり、川へ降りてみた。

散発のライズを狙い、中型の山女魚を4尾ほど釣り上げて竿を納めたが、
この川は水も透明で、本当に良い川だと実感した。
ただ・・・
この川は、蛇の多い川で、地元でも蛇嫌いの釣り師たちからは敬遠されている。
現にこの日も、車を止めようと方向変換した車の足元でシマヘビ。
トロ瀬でライズを待っていると・・・泳いでくる蛇が一匹・・・
岸に上がったその蛇を良く見ると・・・・なんと、マムシ!
そいつが草むらに隠れるまで、しばしそいつを凝視していた。
しかし、彼の文豪・開高健先生もよく言ったもの、
「毒蛇は急がない」。
まったくそのとおり。マムシは本当に動きが遅くてイライラした。
その後、竿を納めて車にもどる道すがら、
甲羅干しするヤマカガシを竿の先で促して、ようやく車にたどり着いた。

まぁ、川に釣りに行く、ということは、彼らの領分にお邪魔するわけだから
蛇だけじゃなく、クマや、スズメバチなどの危険な生き物にも出くわすこともある。
その時の備えだけは、怠らないように心掛けている。
皆さんも充分にお気をつけ下さい。
ご油断なく。

遠野からタイマグラへ

2013年06月05日 | 川と森の話
昨日の火曜日、久々にお休みを頂きまして・・・
遠野の小烏瀬川から立丸峠を越えて小国川、そしてタイマグラへ行ってきました。
そりゃまぁ、最高の一日でした!

朝6時に起き出して見ると・・・快晴で予想最高気温が27℃とか・・・
軽い朝食を済ませ、奥州市江刺発が6時半。
遠野・猿ヶ石川水系小烏瀬川到着が8時少し前。
早速川に立ってみれば・・・散発ながらライズあり。
最初に出た魚は、なかなかの手応えで、今日はいけるかも・・・と思ったら
手元に納まった魚を良く見ると、山女魚でも虹鱒でもない。
噂に聞いた「銀ザケ」!!(18~20cm程度)
これが立て続けに釣れた。
後で地元の釣具店「かつやま」のご主人に聞いたところ、
上流の養魚場から大量に銀ザケが逃げたとか・・・・
これを狙って、仲間のえさ釣り師が小烏瀬川に通っているらしい、ということでした。

その後上流で岩魚と山女魚の中型を6尾ほど納め、
立丸峠を越えて川井の小国川へ・・・
ところが、立丸峠の頂上付近で道路工事があり、時間帯通行止め!
10時の通行止め解除の15分前に頂上付近に到着してしまったので、
仕方なく折りたたみ椅子を出して、しばしの休憩。
そこに、同じく解除待ちの車から重装備に虫取り網を持った男性が出てきて、
何やら道路わきの林を双眼鏡で眺めている・・・
「何かの調査中ですか?」と声を掛けると、
「蝶の生息調査をしています」との答え。
聞けば、遠野から川井にかけての地域は、北海道の大雪山と同様に、
希少種の蝶が生息しているとか・・・
なんでも、絶滅危惧種も生息しているらしい。

工事の時間帯通行止めに出くわしたお陰で、
普段はなかなか出会えない人物と出会うことができた。
不思議な縁を感じた。

小国川でも、ゆるい流れで山女魚&岩魚に遊んでもらい、
その後は、タイマグラのキャンプ場で昼食をとり、
しばし新緑の森を満喫した。
遠くに見える早池峰山の残雪も少なくなり、
いよいよタイマグラにも夏がやっくる。

本当に久々に充実の釣り旅を堪能させていただきました。
当分はまた馬車馬のように働きますので、
どうぞご勘弁下さい。

陸前高田の本物の「奇跡」

2013年06月03日 | 被災地から
6月1日土曜日に陸前高田と大船渡の境にある通岡峠にある
娯楽施設クレヨンシティの敷地内で、土曜日恒例の気仙よ市に
事務局として行ってきました。
本来ならば、終了後に奥州市に帰るのですが・・・
翌日にTV番組の取材のため、陸前高田に入るため、大船渡で一泊。

翌日は、午前9時半からの取材だったので、
それまでに時間、陸前高田の被災現場の中でも、
あまりマスコミに取り上げられていない場所を改めて歩いてきました。

その中でも、あまりに見過ごされているモノについて書きます。
それが写真の「奇跡の一本ヒバ」(地元のじいさんがヒバだと教えてくれた)。
この樹は、気仙川の河口から約500mほどのところに立っています。
高田松原の浜辺の「奇跡の一本松」は、かなり有名になりましたが、
結局、枯死してしまいました。
それをレプリカにする復元作業も、地元の人々のブーイングで作り直しをし、
今週あたり、再度のお披露目になるようですが・・・

この「一本ヒバ」は、ご覧のとおり、いまだに生きています。
川を逆流した津波は、陸地を襲った津波よりも速いスピードで、
しかも巨大だったと聞きました。
その川辺にあって、強烈な津波に襲われながらも、
この樹は、今でも静かにここに立っています。

もしも、被災地・陸前高田を訪れる機会があれば、
物見遊山でニセモノの一本松を眺めるよりも、
いまだに復旧作業も手付かずのこの岸辺で、
「奇跡の一本ヒバ」に優しい言葉を掛けていただければ嬉しい。

さて、陸前高田のTV番組の取材ですが・・・
陸前高田の夏を彩る恒例の祭りである「うごく七夕」の準備が
地元では着々と進んでいます。
震災直後の一昨年と昨年は、被災を逃れた町内屋台に
被災した町内組が相乗りする形で実施されましたが、
今年、「森前組」という町内組がようやく一人立ちして
町内組「森前組」を組織して、山車(屋台)も自前でつくりはじめています。
その様子を「うごく七夕」祭り本番まで、
僕が制作する番組で追いかけているところなんです。
※まぁ、地元岩手のみの放送ですが・・・しかも土曜深夜(汗)・・・

これからも、あまり語られない現地の様子をご報告してまいります。
よろしくです。