イーハトーブ岩手の水ブログ

岩手の渓流や三陸の海、みちのく奥州の自然にまつわる出来事や話題を伝えます。更にFM岩手「水のラジオ」の情報も掲載。

3月25日は、釣友との節目

2012年03月26日 | 被災地から
先週末の24日~25日、東京で暮らす釣友・万渓巌こと大石哲也氏が
岩手に来てくれた。

思えば、昨年の震災から2週間後、ガソリン不足や物資の不足で
日本国中が大混乱する中、僕の家族や沿岸の仲間達のために
支援物資をワゴン車に積み込んで、高速道路を飛ばして来てくれた。
あの時は、福島の原発事故の情報も錯綜している中だった。

2011年3月25日早朝、奥州市江刺に到着した哲ちゃんは
ワゴン車で寒さに耐えながらガソリンスタンドの営業開始を待っていた。
GSで合流した僕達は、一路釜石・大槌を目指した。

FM岩手の釜石支局のメンバーが一時避難をしている場所で、
様々な支援を待っていた。
そして、大槌のさんずろ家の主と女将は、連絡も取れなかった。
だから僕達は、まずは食料と必要だろうと思われる物資を持って
釜石&大槌を目指した。
食料や飲料、長靴やら下着類、衛生用品からタオル、ティッシュなどなど
すべては哲ちゃんが東京から仕入れてくれた。
今も釜石支局で大活躍している「加湿器」も哲ちゃんが買ってくれたものだ。

あの日は、僕も初めて沿岸の被災地を訪れた日だった。
忘れもしない3月25日。あの時の被災地の匂いを今も覚えている。

24日の夜は、大槌・浪板のさんずろ家に泊り、
久々に女将とこれまでのアレコレを三人で語り合った。
美味い酒を飲める事に心から感謝しあった。

翌25日は、本来なら釜石or住田あたりで釣りをする予定だったが・・・・
どこの川に行っても、ノーライズ!
結果的に、東京の旦那に大槌、釜石、陸前高田の被災地の一年後を
視察していただく旅になった。

そして、一年前と同様に被災地から内陸に帰り、
北上で思い切り酒を痛飲し、去年と同じように二人とも酩酊した。
哲ちゃんはその夜の新幹線で帰り、僕は運転代行で熟睡していた。

そんなふうに僕達の3月25日は、これからも節目の日になってゆく。

宮古の映画人・櫛桁さん

2012年03月24日 | 被災地から
櫛桁一則さんは、岩手県沿岸唯一の映画館「シネマリーン宮古」の支配人。
被災時は、映画館内も相当なダメージを受けたようだが、
幸い映写機は倒れなかったとか・・・。
しかし、映画館を再開するきっかけがないまま2週間が過ぎた頃、
幼児を連れたお母さんから「ドラえもんは、上映しないんですか?」と
たずねられた。
なるほど、気が付けば子供たちは春休み。
震災直後とはいえ子供たちは、ドラえもんの最新映画を楽しみにしているはず。

という事で、3月26日の土曜日から映画館の営業を再開したという。
しかし・・・・
多くの被災地では、皆さん避難所暮らしをしていた。
そこで彼は、映画館に来てもらえないのなら、こちらから映画を届けよう、と
移動上映会を企画運営してきた。

これまで沿岸部の避難所や仮設住宅の集会所、小中学校など70数箇所で
延べ3000人以上の方々に映画を届けてきた。
そして今週末も来週末も・・・・彼は様々な場所に映画を届けている。

彼を紹介するFM岩手「三陸きぼう海岸」は、23日金曜日
午後2時45分からの放送でした。
事後報告でごめんなさい。

来週のきぼう海岸は、陸前高田市のヘア&エステティックサロンCOCORO」の
高橋久美さんのインタビューを紹介する。
彼女は、あの津波で11人の家族を亡くした。
そんな彼女の肉声を是非聴いて頂きたい。
放送は、30日(金)14時45分~

困った!気仙川 ノーライズ!!

2012年03月16日 | 渓流レポート
解禁から16日。晴天で気温7℃、水温6.5℃。微風。
水量も標準で、水の色はいつもっどり透明度抜群。
羽虫もあちこちで飛んでいるのに・・・・
気仙川は、いまだ冬期休眠中のご様子。
参りました!

今日は、午後3時に陸前高田で営業を再開した「ヘア・サロン COCORO」の
高橋久美さんを取材する予定で、午前10時に事務所を出て
まずは住田町の気仙川を目指した。
なにしろ、今週の火曜日頃から、空気の匂いが春の匂いを孕んできたし、
気温もぐんぐんと上がってきていた。
これならば、きっと・・・いやいや必ずライズが始まっているだろう。
と確信しての陸前高田の取材だった。

がしかし・・・・
中流部の確信ポイントのあちこちも、支流・矢作川のあの場所も、
まったく魚の気配が無い。

ある場所に至っては、
大き目の羽虫がジタバタしながら、川面を流下しているのに・・・・
一尾の魚も顔を出さない。
沢山の羽虫が、ジタバタしながら、ただただ流下していた。
ああ、もったいない。

明日は土曜日だが、夕方から打合せがあるので、
午前中の早い時間から川に出掛けようと考えている。
さて、明日の川は、僕に微笑んでくれるだろうか・・・・
明日は、   どっちだ。

※今日の陸前高田の取材については、後程記します。
 川の話と同時に語れるような内容ではないので。

詩人として記します。

2012年03月11日 | 被災地から
あの日の夜の焚き火
菅野芳彦

あの日の夜は、寒かった。
だから、真っ先に君は火を焚いた。
広場の横に瓦礫を集め、火を焚いた。
濡れた瓦礫は燃えにくく、燻りながら煙をまいた。
焚き火に集まった誰もが無口で、
目にしみる煙が、大きな炎に変わるのを震えながら待っていた。

焚き火が大きくなるにつれ、更に多くの人が集まった。
大きな炎は、濡れた瓦礫でさえも、いともた易く焼き尽くした。

やがて焚き火は分けられて、広場のあちらでも、こちらでも焚き火が起きた。
そして焚き火を囲む人の輪が、幾重も出来た。
すると誰かが語りだす。
「さぁ、これからどうすべぇ」
焚き火の向こうで老婆が呟く。
「まずは、この火で飯を炊くべぇ」

そして女達は飯を炊き、男達は飯場を整えた。
それから広場のみんなは、夜具を集め寝床をわりふり、
それぞれの明日に備えた。

しかし、真っ先に焚き火を起こした君は、
火を絶やすまいと一晩中火を焚いた。
濡れた瓦礫を燃やし続けた。
母も、父も、兄弟も広場には居なかったが、
君は、誰かと自分のために焚き火を焚いた。
氷点下の星空の下で、火を燃やし続けた。

やがて空が白む頃、
君は変わり果てた故郷を見た。
焚き火の陽炎の向こうに歪んだ海が揺れていた。
そして君は、焚き火を広場の仲間にゆだね、
母と父と兄弟を捜すため、瓦礫の荒野へ歩き出した。

あの日の夜、真っ先に広場の横で焚き火を起こした君は、
今どこにいるのだろう。
母に、父に、兄弟に会えたのだろうか。
それとも・・・・。

あの日から一年が過ぎた今、君を想う。
君のことだから、この町のどこかで、
また新しい火を起こしているのかもしれない。

あの日、君が焚いた火は、広場の横でいつの間にか消されたが、
あの夜、広場に集まった誰もが皆、
あの焚き火の暖かな炎を忘れはしないだろう。
君もきっとそうなんだろう。

あの日から一年。
まだ、たったの一年。


・・・・・・・・
2012年3月11日を迎えて

解禁から10日、いまだ川は冬眠中・・・

2012年03月10日 | 渓流レポート
昨日に引き続き、今日も釜石に行ってきた。
あの「日産 アッ阿部礼司 in 釜石」の公開録音イベントとは別に、
三陸きぼう海岸の追加取材もあって出掛けてきた。
もちろん、住田町経由で行ったので、川の様子も見てきた。

まずは、昨日・今日の気仙川だが・・・
水量は多少増えてきたものの、いまだにノーラーズ!
往路で午前11時に通過した時もノーライズで、
帰路、午後3時頃もノーラーズ!!

地元の釣り人に尋ねると、
「4・5日前には、午後2時過ぎにライズがあった」というが・・・・
ともかく魚の気配がない。
試しに、30分だけ#18のミッジをブラインドで流してみたが、
まったく素っ気無い!!!!

その後、釜石の甲子川&その支流も覗いたが・・・・
毎年解禁からライズする場所でも・・・ノーライズ!

それから海岸沿いに国道45号を南下して、
片岸川に行ったが・・・・あの津波で川の様子がすっかり変貌していた。
もちろん岸辺の風景も・・・・荒野そのものだ。

写真は、熊野川の変わり果てた橋とライズ・ポイントの川の風景。
すっかりここも荒れ果てた。
当然のようにノーライズ。

最後に大船渡の盛川を見たが・・・同様にノーライズ。

明日は、日曜日だが・・・・当然川には行くつもりはない。
追悼行事の末席に参加して、後はフライでも巻く事にしよう。

来週中頃から天気も良くなり、気温も上がるとという週間天気予報を
あてにして、来週末の気仙川&盛川に期待しようと思う。

「焚き火の時間」3.11放送ゲストは・・・

2012年03月09日 | ラジオの話
宮古市でタウン情報誌「みやこわがまち」の編集人・横田晃さん。
先週の出演に引き続き今週も出演。
というより、3.11放送のゲストとしてお招きし、
先週も出演頂いた・・・という方が正しいかも。

昨年5月にもゲスト出演頂いたが、やはり震災から1年を迎えるこの日、
震災直後の宮古の様子を出来る限り隅々まで写真に収め、
県内でもいち早く写真集として出版したのが「みやこわがまち」特集号だった。

そして今月、新たな写真が揃ったという事で、特別号が発刊された。
その特別号の紹介と、宮古市をはじめとする沿岸各市町村の
現状などについて横田さんから話を聞いた。
是非、「radiko復興支援プロジェクト」で聴いてほしい。
放送は、11日(日) 18:00~18:30

番組の中で、横田さんがシミジミ話していたが・・・・
「震災で実感したが・・・
 身の回りに常に4日分の食料や飲料、そして燃料が必要。」ということだ。
それは、僕も同感だ。
あの日の夜、たまたま家に木炭とガスカートリッジの買い置きがあったから
食事の煮炊きに困る事も無かったし、
キャンプ用のランタンやヘッドランプがあったから、
灯りに困る事も無かった。
これからはもっと、サバイバルについて考えていきたい。

今日は、川の様子を取材しながら、釜石に行ってきた。
釜石のシープラザで行なわれたFM岩手の特別番組「みんなのラジオ」の
公開生放送にも顔を出してきた。
久々に高橋ちえチャンにも会えたし、吉里吉里のシンガーソングライター
ノリシゲ君にも会えたのが嬉しかった。

今日3月9日の気仙川や甲子川などの様子は、
明日、報告します。

今週のNHKはずるい・・・

2012年03月08日 | 被災地から
今度の日曜日、3月11日に向けてテレビ局各局が様々な企画で
視聴率の獲得を目論んでいる事は重々承知だが・・・・
しかし、NHKは凄い・・・というよりずるい。

予算的にも人的もNHKにアドバンテージがあるのは承知しているが、
3月11日を前にNHKスペシャルでここまでやられると・・・・
異論を唱える隙間が無い。
参りました。降参です。

今日の大槌の仮設住民の番組は、出来る事なら僕も取り組もうとしていた
内容だったので、正直「ヤラレタな」という想いだった。
でも・・・・僕ならもっと・・・・などという負け惜しみも・・・・
しかし、本気で肝っ玉の据わった良い番組だった。
そして・・・泣けた。

先週の29日に大船渡市三陸町起喜来にようやく開業した
「浦浜サイコー商店会」の事務局長のカラムシザワさんを取材した。
昨日NHKで放送した気仙沼の商店街と同様に、
開業までには相当の苦労があった。
もちろん、釜石でも陸前高田でも山田でも田老でも野田でも・・・・
気仙沼の仮設商店街の開業と同じようなご苦労がある。

テレビほどの影響力は無いけれど、FM岩手のラジオ番組として
7月から被災地で再び立ち上がろうとしている方々を
取材してきた自分としては、
もっともっと沿岸の方々に近づいて等身大の話をお聴きしたいと思った。

なにせ僕達は、その昔から沿岸の人々と夢を語り合ってきたのだから。

3月10日は、昨年と同様に釜石の甲子川に居ようと思う。
11日は、もちろん海へ・・・・


今シーズン初釣行の気仙川・・・

2012年03月05日 | 被災地から
3月4日、朝7時半起床。その朝の気温、マイナス3℃。
沿岸南部の予想最高気温は、プラス4℃。
前日の土曜日も好天で、水温もたぶん上がっているだろうと予測して、
勇んで気仙川に、今シーズン初の釣行に出掛けた。

当日は、岩手県の「がまかつファン倶楽部」の釣り大会があると
岩釣協・副会長の村田文雄さんから聞いていたので、
参加者から川の様子を聞けると思い、昼に合流する事になっていた。

住田町の早春ポイントに到着したのは、午前9時半。
すでに一人のフライマンが、右岸で盛んに竿を振っていた。
ライズが始まっているのかと思い、スタイルもせずに岸辺で流れを見つめたが・・・・
ノーライズ!

それならば・・・・と世田米の町裏へ移動してみたが・・・ ノーライズ!!
そこで、まずは釣りスタイルを整えて、まずはブラインドでフライを流してみた。
ノーアタック!
時計を見ると午前10時少し過ぎ。

それから下流の大場所へ移動し、岸辺でライズを待つが・・・ ノーライズ!!!
またしてもブラインドで流すが・・・・ノーアタック!!
そんなことを3~4箇所で繰り返し、時計を見るとお昼少し前。
大会は12時に「うおまさ」で検量と聞いていたので、
一旦竿をたたみ、うおまさへ。

大会は、39名の餌釣りの腕達者が参加して行われたが、
3尾計量にも関わらず、3尾で計量したのは、なんとわずかに7名。
しかも優勝が3尾で180g弱とは・・・1尾60gの小物ばかり・・・
しかも、これだけの腕達者が揃いながら、ヒカリは「ゼロ」!
そのかわり、写真の岩魚やこれより小ぶりのアメマスが釣れていた。

どうやら気仙川は、やっぱりまだ冬眠中のようだ。
今日の雨で、県内の川はかなり増水したようなので、
これで少しは、川の気配も変わるだろう。
今週末に初釣果を期待しよう。

また、大会には気仙川漁協の佐藤組合長も立ち会っていたので、
「焚き火の時間」用にインタビューをさせていただいた。
また、大会参加者からも声を頂いたので、18日の日曜日放送分で
お伝えしたいと思っている。

渓流解禁はしたものの・・・

2012年03月02日 | 渓流レポート
1日に仙台からわざわざ気仙川に解禁の釣りを楽しみに来ている
安斉忍ちゃんと昼前に連絡がついた。
昨夜は、上流の鏡岩付近でキャンプして、2日の釣りに期待したが、
やはり川はまだ冬眠状態らしい。

只・・・僕と電話で話している最中に、ライズが2発あったという。
ということは・・・・、ようやく魚も水面を向き始めているのか・・・・
ライズを見つけたということなので、とりあえずそこで電話を切った。
彼女の様子が気になったが、盛岡でラジオ番組の収録があったので、
そのまま盛岡に向かった。

Fm岩手「焚き火の時間」も、今月で放送開始からまる1年を迎える。
4月からは2年目という事で、今は番組提供スポンサー獲得のために
まさに必死で営業に奔走している。
興味のある方は、是非コメント下さい。
なんとかこの番組を僕達に続けさせてほしい。

その後、夕方事務所にもどり、各方面から情報を集めようとしたが、
昨日の今日で、僕の知り合いはまだ誰も釣りに行っていないようだ。
どうも、4日に「がまかつ」の大会があるようで、
餌釣りの方々は、それに備えているらしい。

明日は、どうしても地元・奥州FMの番組収録があるので釣りにいけないが、
4日の日曜日は、がまかつの大会の様子も気になるので、
とにかく気仙川で僕自身の解禁を迎えたい。
さて、吉と出るか凶と出るか・・・・
その報告は、4日の夜に。

2012年岩手の渓流釣りシーズン解禁!

2012年03月01日 | 渓流レポート
実は、昨日2月29日、大船渡に番組取材に行った帰りに
盛川と気仙川の様子を見てきた。
残念ながら、どちらの川もノーライズだった。
まぁ、最高気温も3℃程度だったので、それは仕方のないことだが・・・

明けて今日、3月1日。解禁の朝、午前9時に電話が鳴った。
昨年の震災で被災した仙台の安斉忍ちゃんからだった。
「午前9時だというのに、気仙川に釣り人の数が少ない。」
平日とはいえ、晴天の解禁日なのに・・・・
しかも「ノーラーズ」だという。

「たぶんライズが始まるのは、10時~11時頃だろう」と
アドバイスしたところ、もう少し待ってみるという。
それからしばらくして、午前11時にこちらから電話してみた。
「気仙川は、どうしたんだろう?ノーラーズ・・・・」と嘆くことしきり。
「もう少し待ってみたら・・・」と言ったものの不安が募った。

午後1時半に再度電話したところ・・・
「駄目!全く駄目!!! 羽虫も飛んでいるのに・・・天気も良いのに・・・
 しかも気温10℃越えているのに・・・・餌釣りの人もぼやいてた・・・」
てなわけで、解禁の気仙川はまったくの不発だったらしい。

忍ちゃんは、今晩は気仙川のほとりでキャンプだそうだが、
さて明日は・・・・どっちだ?