イーハトーブ岩手の水ブログ

岩手の渓流や三陸の海、みちのく奥州の自然にまつわる出来事や話題を伝えます。更にFM岩手「水のラジオ」の情報も掲載。

かつやま杯カレイ釣り大会2006

2006年06月27日 | 釣り師の独り言
僕の住む奥州市江刺区には、釣具店が一軒だけある。
それが「かつやま釣具店」。ここの主人は温厚な愛妻家として知られ、地元の釣りファンの支持も高い。江刺区らしからず、店内の品揃えもシッカリしている。
餌釣り、海釣り用品は特に充実している。
(残念ながら当地はフライ人口が少ないので、フライ用品は・・・そこそこ)
彼の奥方は、僕の同級生で陽気な宴会部長だ。
いつだったか、夜の飲食店街を二人手をつないで歩く仲睦まじい後姿が忘れられない。実に羨ましい光景だった。

その「かつやま釣具店」主催のカレイ釣り大会が25日(日)、大船渡市起喜来の崎浜で行われた。
30数名の参加者は、いずれも奥州市近郊の腕達者。中にはお世話になっている小山製麺(胆沢区)の高橋政志社長もいた。
この方の父上・高橋信教さんは県内でも著名な経済人であり釣り名人だ。
僕の尊敬する方の一人でもある。

大会は晴天の中で行われたが、船によって釣果にばらつきがあり、
僕や政志さんが乗った船は・・・イマイチの方だった。
大会を終えて、検量を覗いてみると・・・・釣果20枚以上が数人いた。
しかも型が大きい。やっぱり起喜来はいる場所には大型がいる。実感した。

上位入賞は到底無理だったが、抽選会で帆立貝(20数枚入り)が当ったので、それがなんだかとても嬉しかった。
これまで地元の釣り仲間と話す機会があまりなかったので、今回の釣り大会参加はとても有意義だった。
釣り大会こそ、「参加することに意義がある」。
勝山さん、また誘ってください。
ありがとう。

炎天下のライズ

2006年06月25日 | 釣り師の独り言
金曜日の夜、「もりおか鮎の川基金」の理事会があり、盛岡泊りだった。
話が盛り上がり(?)したたかに酒を飲んだ。

24日は、ホテルを出たその足で閉伊川を目指した。盛岡を出た頃は曇天で小雨もぱらついていたが、区界峠を過ぎたあたりから青空が見え出した。

閉伊川本流の川井駅前の枯れ川を目指した。
ポイントはかなり減水していて狙いやすい状況になっていた。
案の定、ここぞというポイントから一発で小型の山女魚が飛び出した。
3尾ほど釣ったところで・・・・なんだか水の色が濁ってきた。
どこかで河川工事でもやっているのだろうか?
一気にやる気がうせて、場所を移動することに決めた。
5月の釣りキャンプで調子の良かった小国川にしよう、と決めてゆっくりと川を眺めながら車を走らせた。

お昼を知らせるチャイムが山間に響く頃になると太陽がカッと照りつけた。
川に立っているだけでも自然に汗が出た。真夏の日差しだ。
これじゃぁきっとライズもないだろうと半ば諦めていた。
ところが・・・岸際でディンプル・ライズを発見!
水面直下で泳ぐイワナの魚体がハッキリと見える。しかも3尾並んでいる。
今年初めてのサイト・フィッシングだ。
#16ソラックスダンを流すと魚体はゆっくりと向きを変えてフライに喰らい付く・・・素早く竿をあおると予定通りの手応えだ。
この日は手網もランディングネットも魚籠も引船もなしのロッド一本勝負だったので、ハンドランディングで取り込んだ。そこそこのイワナだった。
面白いもので、手前の一尾が居なくなっても残りの2尾はまだライズをしている。しめしめと、またしても同じ流れにフライを流すと・・・またしても喰らいついた。同じサイズのイワナだった。
さぁ~て3尾目も・・・と流れに目を凝らすと、流石にさっきのやり取りの気配を察したのか、3尾目は姿を消していた。

それでも流芯脇のライズにフライを流すと今度はそこそこのヤマメが掛かった。
なんだかんだで、一箇所で10尾前後のイワナ&ヤマメをあげた。
ばらした魚も結構あったが、ロッド一本での釣りとしては充分に堪能した。

川を上がる前に、流れの水で顔を洗った。物凄く気持ちが良かった。
岸辺の風を深呼吸すると微かに夏の匂いがした。

鹿の親子と睨み合い

2006年06月18日 | 釣り師の独り言
更新が延び延びになり、大変申し訳ありません。
ここ10日間を遡って更新します。

6月17日(土)
前々日までの雨の影響が気になったが、とりあえずは川を見に行こうと考え、
気仙川の上流を目指した。
しかし、中流の住田高校脇の流れを見て・・・・諦めた。
とんでもない増水になっている。
となると・・・
気仙川の北の盛川は、6月は全面禁漁・・・。となれば吉浜川、熊野川、片岸川
ということになる。但し、この3河川は単独漁協で、僕らが毎年購入する
岩手県内河川共通遊漁証では通用しない。日釣り券を買わなければならない。
まずは、様子を見に行こうと一路沿岸を走る国道45号との合流点を目指した。

実は、今回も翌朝に釜石の花露辺(けろべ)で「岩手&仙台真鰈会交流戦」
なるカレイ釣り大会があるので、漁港での車キャンプを予定していた。
盛のスーパーで食材と酒を買出して、準備万端北を目指した。
しかし・・・
吉浜川も、熊野川も、片岸川も大増水で全滅・・・。
結局、スタイルもせず、竿も出さずに一日を終えた。

夕方5時前には花露辺の漁港に着いたがまだ空は明るく、夕食の準備には少々早い。とりあえずテーブルと椅子を持ち出してビールを飲みながらの読書を決め込んだ。本は番組でも紹介した仙台在住のミステリー作家・三浦明博さんの「罠釣師(トラッパーズ)」。これはなかなか面白い。
本が読めないほどに日が傾いた頃合に、炭をおこし夕食にした。
この日のメニューは、以前大石氏から教えてもらった「豚キャベツ鍋」をメインにマンボーの茶釜、カツオ刺身で食事をし、あぶりイカ、荒挽きソーセージをつまみに酒を飲んだ。
蚊がうるさい季節になったので蚊取り線香も2本炊き、サラサーテもシッカリふった。おかげで被害はセロだった。
しかし・・・車で寝るときに社内で蚊取り線香を炊いたまま寝たら・・・
車の中の匂いが・・・・大変なことになった。
まぁそのうち消えるでしょう。

18日(日)
朝5時出船で岩手&仙台の真鰈会対抗戦。
結果は、ナメタガレイ2枚、マガレイ5枚・・・・・以上。
何か書けば愚痴になるので、コメントは控えます。

ところで・・・・
熊野川を上流まで様子を伺いに行った時、いきなり複数の獣が走り出した。
良く見ると3頭の鹿の親子。道路脇のがけに上ったところで、3頭は揃って僕をにらみ、動かなくなった。僕も目を離さずに手にしたデジカメで数点撮影した。
今月は、カモシカに遭遇したり、頭上をムササビに飛ばれたり・・・
結構、獣遭遇率が高い。

やっぱり山女魚は塩焼き

2006年06月13日 | 釣り師の独り言
日曜日に和賀川水系の支流・夏油川で大型ヤマメを狙おうと勇んで出掛けた。
ところが、一昨日の雨と入畑ダムから雪代水の放水でのここも大増水で、
逃げ場を失ってしまった。
尻平川も鈴鴨川もおそらく増水だろうと思ったが、
とりあえず川を覗きにだけ行ってみようと北に向かった。
5月のバリバスカップの時も鈴鴨川に入ったが、小型ばかりでがっかりした事を思い出した。しかし、川に着いてみると・・・水量は申し分ない。
ダメモトでとりあえず橋の袂から入ってみた。
案の定、ヤマメは釣れるが・・・小型ばかりだ。
いつものように堰堤まで釣りのぼり、そろそろ上がろうか・・・としたが、
どうもその堰堤の上が気になった。
護岸工事中で、きっと釣りにはならないだろうと思ったが、
どうも川の流れにまでは工事が入っていないようだ。

やや流れの速い浅瀬に#16ソラックスダンを流すと・・・
中型のヤマメがゆっくりとフライを追いながら、ムックリと振り向き様にフライを咥えた。久々に見るヤマメの追い方だった。
しばしのやり取りの後、そのヤマメは鹿角の手網に納まった。

リリースしようか・・・と迷ったが、久々に塩焼きにしようと決め、万渓巌氏から貰った郡上魚籠に納めた。こうなると一尾では格好が付かない。
一転して漁師の釣りになるのがいつものパターンだ。
葦際や石裏、落ち込みの際を丹念に探るながら釣るが、小型ばかり・・・。
どんどんと上流に釣り上がり、ようやく3尾の型を揃えたところで振り返ると、ずいぶん上流まで上ってきたようだ。
改めて辺りを見回すと・・・広葉樹の森の中を透明な流れが木漏れ日に輝いている。
鈴鴨川もこのあたりまで来ると、素敵な表情を見せるものだ。
ちょっと見直した。
我に返って時計を見ると・・・なんと4時間も釣り上ったようだ。
林道に出て車を止めた橋まで、なんと20分も歩いた。
久しぶりに集中して釣りをしたような気がした。

その夜は、このヤマメをじっくりと塩焼きにして、酒の肴にした。
(少々焼きすぎたようだが・・・)
下拵えで表面のぬめりを塩でもみとったので、生臭さもなく美味しく頂いた。
やっぱりヤマメの塩焼きは、美味い。
たまには、キャッチ&ストマックも許されるだろう。

イブニングの釣りが・・・

2006年06月10日 | 釣り師の独り言
土曜日だというのに、どうしても片付けなければならない仕事があって、
朝から会社でTVモニターとPCと三つ巴で格闘していた。
午後3時頃にようやく一段落したので、イブニングの釣りを気仙川で・・・
と目論んで勇んで出掛けた。
どこに入ろうか・・・?と道々考えていたが、川止め禁猟中ということにはたと気が付いた。本流も支流も上流域しか入れない。仕方ないなぁ~・・・
と思いつつ住田高校脇の本流に差し掛かった。
なんと!大増水!
昨日の雨は、内陸部ではそれほどの雨量とは思えなかったが、
沿岸部は相当降ったらしい。これでは上流部でも無理・・・と諦め、
国道340号線を遠野に向かった。

小烏瀬川に付いたのは、午後5時前。
水量はいつもよりは多いものの、毛鉤釣りでもいけそうな雰囲気だった。
2・3箇所を流してみたが、誰かが釣った跡らしく反応はイマイチ。
チビイワナが一尾出ただけだ。
どこに移ろうかと思案していると、ふと公民館裏のポイントが頭をよぎった。

僕が初めてフライフィッシングでヤマメを釣った場所だ。
公民館に車を止めて、川を覗いてみると今にもライズが始まりそうな気配だ。
川に降り立ってタバコを一服する間に、ライズが2回。
タバコを消して、いざ流してみると・・・一発でフライに反応した。
がしかし・・・針に乗らない・・・・
ライズがあちこちで始まった。とにかくライズがあった場所を流すが、
反応は鈍い。ようやく釣れた一尾はリリースサイズ。
かなり魚はナーバスになっているようだ。
更にこの場所は流れが複雑で、思うようにフライを流せない。
しかし、この盛んなライズならば・・・としつこくフライを流し、
ようやくそこそこのサイズを一尾掛けた。
その後もチビサイズ交じりで数尾釣り上げ、時計を見ると午後7時15分前。
そろそろ納竿かな?と思ってるところに蜂の襲撃を受け、すぐさま退散。
僅かな時間の釣りだったが、良しとしよう。

スタイルを解きながら、13年前の事を考えていた。
初めてこの場所でフライでヤマメを釣ったときの事。
一種に居たのは、フライフィッシングを日本に広めたあの芦沢一洋さんと
今もラジオ番組を一緒に作っている作家の村田久さん、
そしてテレビ岩手のディレクター・千葉伸二さんの三人だった。
僕がヤマメを釣り上げた瞬間、対岸に居たはずの芦沢さんが流れを横切ってきて、「よかったねぇ。フライで釣れたねぇ。」と我が事のように喜んでくれた。
あの時の芦沢さんの握手の感触が忘れられない。

蒼い水の匂いの岸辺に、彼の人の笑顔がよみがえる。


友達への手紙

2006年06月08日 | 釣り師の独り言


せせらぎの音もない夜を繰り返し、
香りもない風にうつむき、
君は僕と川へ帰る今日を待っていた。

穏やかに笑う君がそこにいる。
岸辺の風景の中に君がいる。
長い沈黙の中で君は川と語り、
魚達と語り、そして僕と語る。

この休日が終われば、
やがて君は街へ帰ってゆく。
しかし、忘れないでほしい。
この川も森も、鳥の声さえも、
このすべては「君のふるさと」だ。

そして、僕はこの北の大地で、
いつでも君を待っている。



「釣り師の独り言」より

友・万渓巌と閉伊川、岩泉を釣る

2006年06月05日 | 釣り師の独り言
友人・万渓巌こと大石哲也氏が、今年初めて岩手に来た。
ここ1・2年の間に彼が営む会社は更に大きくなり、代表である彼もより以上に多忙を極めている。特に、昨年は成長企業ならではのトラブルにも悩まされたようで、そのストレスは相当なものだったろう。
そんな彼が、超多忙なスケジュールを裂いて岩手に来るということで、僕も入念に釣行プランを模索した。が・・・結論は「やっぱり岩泉」だった。

3週間前に岩泉に行った時には、大川も大増水で川にも入れなかった。
その後岩手LAの大泉君に情報を求めたところ、彼が大川に出掛ける度に細かく丁寧な情報を送ってくれていた。
釣行2日前には「大川も平水になりましたよ」と大泉君から携帯メールが届いていた。それならば「やっぱり岩泉」だろう。と決まった。

金曜日の夜に盛岡駅に到着した大石氏の懐かしい笑顔が少しやせて見えた。
話したいことは山ほどあったが、それは釣りの旅路に仕舞い込み、
馴染みの店に直行した。
柴田君が合流した後は、なんだかんだと話に花が咲き気が付けば午前2時。
土日が仕事で一緒に釣りに行けない事を悔しがる柴田君を夜の街に残し、僕らは翌日に備え宿に帰った。

初日の朝は、午前9時盛岡発。国道106号を閉伊川沿いに走り、刈屋川経由で大川へ向かうルートを選んだ。
青い空と深い緑を見上げ、彼は「やっと帰ってきたよ」とつぶやいた。

一週間前に不発だった川井駅前の閉伊川を狙っていた。
水量も水色も抜群だった。水中でギラギラと魚が光っていた。
・・・がしかし、出ない。・・・アタックはあっても針に乗らない。
その場を諦めた後、刈屋川を覗いたがここもイマイチ。
そろそろ昼飯にしようと、近くの蕎麦屋に入った。
ところが、民家のような作りのこの店は、靴を脱がなければ上がれない。
ウェーダースタイルの僕らは、はたと困ったが、
入り口の左を見るとそこは「縁側」になっている。
ずうずうしくも僕らはその縁側でしばし小宴会に興じた。

国道340号を走り大川・七滝に着いたのは午後3時過ぎ。
大川に来るたびに入るポイントだが、反応イマイチ。
せっかくの釣行で「イマイチ」の連発では僕の面目は丸潰れ。
そこで時間はちょいと早いが、小本川のライズPへと移動。
ここが「ビンゴ!」
上流と下流に分かれ、二人で日が蔭るまでそこそこに釣り、
ハッチの時間になると激しいライズP一箇所で二人交代で釣った。
「やっぱり岩泉は裏切らない」と彼は破顔一笑。

泊りは「ふれあいらんど岩泉」の10人用ロッジをたった二人で貸しきり、
バーベキューと岩泉名物ホルモン鍋で、またしても痛飲した。
久々の釣り旅の夜は、二人それぞれの語りつくせない物語に聞き入る夜になった。

翌日の朝、ロッジを出てすぐの橋から小本川本流を覗いてみた。
なんと広い川のあちこちでライズしている。
ライズを見過ごす事は作法に反するという事で、とりあえず川に降り立った。
広い川幅の下流域ではあるが、流芯でも流れは浅くライズには届きそうだった。
しかしこのライズがなかなか取れない。
ようやくヒットしても掛かりが浅くすぐにばらした。彼も同様のようだった。
その後は、小本川本流を何箇所か釣りあがり、大川へと移動した。
七滝脇でダイニングを広げて昼食にしたが、メニューは昨夜の残りのホルモン鍋と岩泉地鶏卵の目玉焼き&ソーセージ。東京の旦那は、更に焼酎ロック。
特にこの岩泉地鶏卵は絶品で、彼は塩も振らずに目玉焼きを食らう。
2年前に9月の安家川では、一晩で二人で1パック10個の卵を平らげた。
それほどに新鮮で美味い。しかし・・・食い過ぎは身体に悪そうだ。

午後6時頃の新幹線で東京に帰るという事で、締めくくりは大川釜津田界隈を目指した。その道の途中で事前に大川情報を送ってくれた岩手LAの大泉君と高橋功徳君に会った。
調子を尋ねると「イマイチ」だという。釜津田方面に移動することを告げて例の場所を目指した。
魚の出は渋かったが、相変わらず美しい渓相に彼もため息をついた。
大川の水は本当に透明で美しい。この場所に来るたびにそう感じる。

午後4時納竿。一路盛岡を目指し、道々次回の釣行の話になるが、どうも9月までは一緒に岩手では釣りが出来そうにない。
どうせなら夏に白神水系にでも行ってみようか・・・などと思案した。
美しい水の流れを求めるなら、久々の白神遠征も悪くない。

盛岡駅で大石氏を見送った後、言いようの無い寂寞感に落ちた。
さっきまで二人で歩いた川の旅が、遠い出来事のように感じた。
こうして僕達は、旅を重ね時間を積み上げてここに居るんだと思う。
平成元年の出会いから、一緒に釣り歩きはじめて17年。
僕は今月で49歳になり、彼は来月で51歳の誕生日を迎える。

いつか三月の気仙川で彼はつぶやいた。
「これから何回、僕達はこの川の解禁を迎えるんだろう」
数えることを忘れるまで、何回でもつきあうよ。